木春菊  [偕老同穴] 証79 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ウンスも安定期に入り役目に
没頭する日が増える
ウンスより二月(ふたつき)早い予定日の
王妃様は少しお腹周りもふっくらされ
胎動も既に始まっていたのだが…

なにぶん初めての経験からか
やれ、お腹の中でぐにゃりと動くだの…
激しく蹴るだの事あるごとに
ウンスを呼びつけるのである


「え?また・・四半刻ほど前に
呼ばれたばかりよ」

使いの武閣氏が額に汗し
ウンスを呼びに来たのである

「医仙も懐妊されているのです
無理をされてはなりません
私が参りましょう」

「ありがたいけど、それは出来ないわ
不安でいらっしゃるのよ、初めての
経験で、頼れる母親も近くに
居ないんだもの…せめても叔母様や
私に、もう少し心を預けてくれれば…
でも国母ともなれば、容易くは
出来ないのかも知れないけど…」

「医仙殿は不安にはならないのですか?
親御様がいらっしゃらないのは
王妃様と同じと思うのですが…」

「不安がないと言えば嘘になるかしら
でも、私は開けっ広げじゃない?
みんなの懐に自分から飛び込むタイプ
かな…あ、性格のことよ
でも…天界に居たときはこんな性格じゃ
なかった…一人で片意地張って
生きていたと思う…あの人が変えて
くれたの…ふふふ、じゃ行ってきます」

ウンスは笑みを浮かべ
武閣氏に護衛され 坤成殿へと向かう



「義姉様はまだかのぅ--
赤子が蹴りを…チェ尚宮どうしたら
よいのじゃ」

「お待たせして申し訳ございません」

「ウ、いや医仙遅いではないか
王妃様がこのように不安がられておる
どうにかならぬのか?」

「叔母様、赤子が元気な証です
病でも何でもありませんよ」

ウンスは苦笑いを浮かべ
王妃様や叔母様を見つめるしかなかった

「・・それは聞いておるが」





一方屋敷では…

「どうしようかね」

「姉さんどうしたんですか?」

厨房で、サンミとイルムが目にしたのは
大量の毛の付いたままの鶏
既に絞められてはいたが
どうみても不気味である

「な~んだ、姉さん捌き方で悩んで
たんだべ?この鶏はもう死んでるべ
血抜きはしてあるから
あとは毛をむしり・・・めんどうだ
おらたちがやるだ見ててけろ」

二人は役割分担し手際よく捌き出した
熱湯を沸かし熱いうちに鶏を潜らせ
毛をむしる。取りきれない毛は
火鉢で焼く
手羽、モモ肉、ささみなど
あれよあれよと言う間に
見事に鶏を捌き終える

「良く知ってるんだね?感心したよ」

「おら達の里は田舎だべ、口には
出来ねえが、領主様がよく食っていて
そこの使用人さんが教えてくれただ」

「そうかい…でも贅の限りを尽くした
領主だったのかい?肉を食べるなんて」

「おら達はちっちぇかったから
詳しぐ知らねじゃ、ただ肉が食えて
羨ましかったのは覚えているべさ」

「旦那様とチェ尚宮様が奥方様の為に
あちこち手を回し、漸く手に入れた
鶏肉だから美味しく仕上げないと
手伝っておくれ」

「はい・・・姉さん私達も頂けます
かね?」

「サンミ、馬鹿を言いでないよ
私達は、使用人なんだから
同じ物を食べるなど、罰があたるよ」

「は~い」と肩を竦めるサンミとイルム
だが…若い二人の瞳は、きらりと輝いて
いた



夕刻いつものように役目を終え
二人仲良く腕を組み、市中を抜け
屋敷へと歩みを進めていた
今日の出来事を、止めどなく話続ける
ウンス

「赤子とは、そのように動き腹を
蹴るものなのか?」

「そうね…人それぞれ違うけど
だいたい18週から20週で感じるかな
えっと、五ヶ月過ぎくらいからよ」

「ウンスはまだ感じぬのか
赤子がどうにかなってはいまいな」

ヨンはウンスに向き直り、心配気に
眉を潜め呟く

「もう大丈夫だから…そうね…あと
一月(ひとつき)もしないうちに
胎動を感じる事が出来る筈よ、心配性
なんだから…ふふふ」


テマンが、主二人の帰宅を知らせに
いつも先に走り、戻って来るのだが
今宵はまだ戻ってはこない

「テマン君遅いわね?屋敷で何かあった
のかしら…ほらヨン、急がないと」

ウンスは、ぐいぐいとヨンの腕を
引っ張り先を急ぐ…ヨンは「はぁ…」と
ため息を吐くと、ウンスを横抱きに
抱え先を急ぐ

「あ、ありがとう」


屋敷の前に、二人が到着しても
いつもの出迎えがなく
屋敷の中から、エギョンの怒鳴り声が
漏れ聞こえていた


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↓(さ~て、なんでエギョンは
怒鳴っているでしょうか?)(笑)





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