木春菊  [偕老同穴] 証 74 | シンイ二次小説でんべのブログ

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季節が変わり高麗にも
暑い夏が訪れようとしていた

冬の極寒は、身を持って体験したが
初めて体験するこの地での夏
今から夏バテ気味のウンスである

「いやになる~~暑すぎる
クーラーが欲しい~~」

典医寺の私室にて、昼餉を終え
トギとポンと、三人でお茶を啜りながら
一人のたまう

『ウンスは、身重だから余計に暑く
感じるんだろう?慣れたらへっちゃら
だ!辛抱しろ』

「え~~トギ冷た過ぎるわ
妊娠は、身体を冷やすのはよくないのは
もちろん知ってるわよ、だからって
私だけこんな熱いお茶淹れなくても
いいんじゃない…?」

『それはお茶じゃない…中身は・・
教えてやらない!』

「へ?、なにを飲ませたのよ~トギ
ひどいじゃないの!どおりで
苦いお茶だと思っていたのよ」

ウンスは口をむっと尖らせ
横目でトギを睨む

「ぷっっ、医仙様それは・・・」

真実を告げようとしたポンの腕を
トギが強引に引き、その場を後にする

「もう---トギなんなのよ」

ウンスは卓の上で髪の毛を
ぐしゃぐしゃに掻き回し伏せっていた



「なにをしておる?」

その声にウンスは顔をあげ
幼子のように、ぱぁ~と明るくなる

「ヨン!!な、何をってトギがね~・・
・・・」

ウンスは、他愛のない話を
止めどなく話し続け、ヨンは
微笑みながら相づちをうつ…

「ね、ひどいでしょう?」

「トギに遊ばれたと言うことだな
されど、よき友となり分かり合える
大事な仲間故そのように戯れが
言い合えるのだ」

寝台の端、腰掛けるヨンの膝の上
懐深く凭れかかり、ウンスは
嬉しそうに微笑み言葉を繋ぐ

「そうね…そうかも知れないわね
トギは、あの時からずっと支えて
くれていた気がする…」

「そうであろう?」

「で、ヨンはなにかあったの」

「ウンスに見せたいものがあり
迎えに参った…俺を信じ
暫し目隠しをしてくれぬか」

「え?なになに…もちろん信じてるわよ
でもお役目が・・・」

ウンスは小首を傾げヨンを見上げる





「王妃、長らく待たせ…辛い思いも
させた代物がこれじゃ・・」

坤成殿、王妃の部屋にて
長椅子に腰を下ろし、王様は徐に
懐から手巾を取り出し
王妃の手のひらにそっとおく

「王様・・・が、これを・・・?」

「・・・大護軍のように器用では
ないが、余もそれなりだな・・
その・・精を出したつもりじゃ・・」

「妾は嬉しゅうございます・・・」

王妃様は、瞳を潤わせ
手にする手巾を見つめていた

「急遽用意したのでのぅ
絹は間に合わなかったのじゃ…ゆるせ」

その手巾は白い綿地の中央に
識別不可能な程の出来の悪い花が
刺繍されていた

それでも王妃様は、涙を流すほど
喜ばれたのであった


短い…m(_ _)m

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