木春菊  [偕老同穴] 証 73 | シンイ二次小説でんべのブログ

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心地よい眠りから覚める

腕のなかの愛しい人は
いまだ微睡んでいる様子…

「んんっ・・」

寝返りを打ち、ヨンの懐深く潜り込む
ウンス

ヨンは、口の端を上げ
ウンスの髪を手櫛で整え耳に掛けてやる

「ん?・・起きていたの、おはよう」

「すまぬ…起こしてしまったか?」

ぐっっと背伸びをし
眠い目を擦りながら、にこりと笑みを
浮かべヨンを見上げる

「大丈夫よ、もうそんな刻限なの?」

「ああ、身支度を済ませ顔を洗い終える
頃には、朝餉もできておろう・・
ウンス…昨夜は・・・」

それは言いっこなしとばかりに
ヨンの唇を塞ぐと
再び布団の中に潜り込み、ぼそぼそと
言葉を繋ぐ

「・・・恥ずかしいから
いわないで・・」

ふっ…そんな仕草が俺を煽ると言うのだ

ヨンはそう思うが、口に出すことはなく
布団をはらりとめくり、先に身支度を
する

「早く起きねば出仕に遅れるぞ」

「待って、一緒に行くから待ってて」

ウンスは慌てて飛び起き、身支度を
済ませると、ともに顔を洗い
居間へと向かう

「旦那様、奥方様おはようございます
呼びに参ろうかと、思っておりました
ところでございます」

「そうなの?ちょうど良かったのかしら
お腹すいた---ふふふ」

ウンスは四人の朝の挨拶が続くなか
椅子に腰掛け、既に大盛のご飯に
ぱくついていた

「まったく・・・貴女には叶わぬ」

「だって二人分だから、お腹が
空くんだもの…ほら、旦那様も食べて」

ウンスは、自分のおかずをせっせと
ヨンの茶碗の上に運び、自身も
口いっぱいに頬張る

「あ、イルム…聞いたわよ
危ない事をしたらしいわね…
もう無茶はしないで・・・
皆家族なんだから、心配するじゃない
旦那様も、テマンもチョンスも
居るんだからね…モグモグ」

「だども(だけど)奥方様みんな出払った
時、誰が奥方様を守るだ
おなごしか残らねえべ・・だから
おらサルム姐さんに習っただよ
サンミは、ちっこい時から
身体を動かすことは苦手だったべ
おらは得意だったから、おらしか
いねえべさ」

イルムは胸を張り答える
その横で、サンミが畏まり言葉を
付け加える

「奥方様、私では奥方様やエギョン
姉さんをお守り出来ません・・
ですから、二人で話し合い
勝手ながら決めさせて頂きました
申し訳ございません」

「イルム、サンミその方らの
心根ありがたい…されど無茶はしては
ならぬ!よいな!」

ヨンにお小言をもらい
肩を竦め小さくなるイルムとサンミ

「ふふふ…鶴の一声ならぬ
家長の一声ね・・・」

立場は、主と使用人であるが
ウンスは、じーんと胸の奥が温まる
感触を覚え微笑ましく見つめていた



「イム侍医、おはようございます」

ウンスは、今日の空模様のように
晴れやかな笑顔で、典医寺に顔を出す

「おはようございます、医仙殿
よいことでもございましたか?
お顔の色が、いつもにも増して
輝いて見えますが…」

「へ?そ、そんなことないわよ
いつも通りよ・・や、やましいことは
一切してないから
それに身重なんだし・・・」

聞かれてないことまで、口を衝いてで
もぞもぞと、尻つぼみになり
ヨンの背中にひょいと隠れる


はぁ…分かりやすいお方だ
独り身には、幾分刺激が強すぎますぞ

侍医は、そう胸に秘め苦虫を噛み潰した
顔でウンスを見つめていた


『こやつ…なにを・・・!!
よもや、ウンスの裸を頭の中に
浮かべておるのではあるまいな
・・・捨て置けぬ!』

ヨンの眉がぴくりと上下すると
ウンスに向き直り、その手を取り
見せつけるように、優しく問う

「ウンス、坤成殿に参るのであろう?
送る故」

「あ、そうね…送ってくれるの?
嬉しい…ふふふ」

腕を絡め、立ち去る後ろ姿に
イム侍医を始めとする他の医員は
盛大にため息を溢すのであった




ウンスを送りヨンは兵舎へと顔を出す

迂達赤から朝の挨拶を受けていると
トクマンが、ヨンを見つけ駆け寄る

「大護軍--おはようございます
今日は、ずいぶん肌の艶もよく
輝いて見えますが、なにかいいことでも
あったのですか?」

ここにもおったか・・・
侍医といい、こやつといい
まったく!!

ぼこっばしっっと、後頭部を叩かれ
手に持つ鬼剣の先で腹を突かれ
トクマンは蹲る

「大、大護軍…俺なにか悪いこと
言いましたか--」

トクマンは、涙目で訴えるが
当のヨンは、既に二階の私室へと
繋がる階段を登り終えていた


「まったく、いつまで立っても
一言多いんだよ…空気を読めよ!」

「テマン、お前年下だろうが
なんでお前が分かり、俺には分からない
ことばかりなんだよ!」

「俺は、常日頃大護軍のそばにいるんだ
なんでも分かるのさ!」

トクマンは、年下のテマンに偉そうに
言われ、悔しそうに唇を噛みしめていた


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