木春菊  [偕老同穴] 証 75 | シンイ二次小説でんべのブログ

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目隠しをされ
ヨンに、横抱きされウンスが
通された部屋は、王宮内のとある部屋
だった…静かに椅子に下ろされる

「ヨン…ここはどこなの?」

目隠しを外す事を許されず
ウンスは、心持ち不安気にヨンに問う

「俺は暫し席を外す。叔母上が参る故
黙ってしたがってくれぬか?」

「え?ヨンどこか行っちゃうの
目隠し取っちゃ駄目なの?」

「案ずるな、すぐもどる」

言葉少な気に
そう言うとヨンは、部屋を後にする
交代に叔母がすぐに入ってくる


「すぐに着替え戻って参れ
不安がらせてはならぬぞ」

扉の外で小声で、そんな会話がなされて
いるなど、ウンスは知るよしもない

「ウンス、私だ入るぞ」

「あ、叔母様あの人が・・・」

叔母は、立ち上がろうとする
ウンスのそばまで寄ると、手を握り
腰掛けさせる

「叔母様?何があるんです
目隠しとっちゃいけないんですか
怖いんですけど…」

「大事ない。すべてあやつに任せ
どんと構えとおればよい」

「でも…」

四半刻すると外が騒がしくなる
正装では、なく真新しい白い衣を
身に纏い、髪も櫛を丹念に通し
ヨンが姿を現す

「ウンス…」

「遅い!!」

「すまぬな目隠しを取り、着替えて
くれぬか?」

ヨンはウンスの背後に回ると
目隠しを取る

「ヨン!!どうしたの
白地の衣なんて持っていたの
それにすごいおめかしして
まさか、縁談?それに私も付き合うの」

ウンスは、瞳を見開き瞬く間に
溢れんばかりの涙をためながら
ヨンに詰め寄る

「・・・案ずるな、俺はウンスと
詳しくは後で・・・
さあ、着替えねばならぬ叔母上
着替えを頼む」

「ああ、任せろ…ウンス参るぞ
あやつが精を込めて作り上げた衣を
無駄には出来ぬ」

「え?衣?ヨンが作りあげた?
どう言うこと?」


ウンスは疑問を問いかけるが
誰も、口にすることはなかった


「ウンス…この衣を」

叔母が、ウンスの目の前に広げた衣は
手触りのよい正絹地のチマチョゴリ
チマの裾は、ぐるりと色鮮やかな
小菊が刺繍されその出来映えも
申し分なかった

「・・腑抜けがじゃ、ウンスが婚儀の折
あやつの母に・・・」

叔母は、衣を誂えた経緯を
ウンスに聞かせてながら、着替えを
手伝っていた

医員の白い衣を脱ぎながら
ウンスの目には、再び溢れんばかりの
涙が浮かぶ

「・・泣くでない!あやつが案ずる故
先日の騒動はこれを隠すためで
あったのだ…すまなかったの
辛い思いをさせた・・」

そう呟くと叔母はウンスに向かい
頭を下げる。ウンスはそれを止め
言葉を繋ぐ

「・・叔母様、頭をおあげください
そうだったんですね…あの人が
忙しいお役目の合間に・・クスン」

「許してくれるのか・・」

「あたりまえじゃないですか
あの人や、叔母の気持ちがありがたい
です・・・」

「そうか・・ならば早よう支度をせねば
あやつが押し掛けてくる故の」

「はい」と頷くとウンスは
手早く着替え、薄化粧を施してもらい
白地に映えるようにと、濃いめ赤い紅を
引き、髪を結い上げる

両耳の後ろ後れ毛を垂らし
ふわりと結い上げた髪には、亡き母の
形見、翡翠の扇形五徳の髪飾りが
叔母の手により添えられる

「さあ…ゆるりと参ろう、あやつが
待ち焦がれおる」

「はい…叔母様・・でもこのチョゴリの
腕にある半分の刺繍は
どう言う意味です?」

「あやつと並べばわかること
先ずは参るぞ」

ウンスは腕に刺繍されてる
欠けた小菊を気に掛けながら
叔母に手を引かれ、ヨンが待つ部屋へと
向かうのであった



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