木春菊  [偕老同穴] 証 54 | シンイ二次小説でんべのブログ

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白粥を冷まし、匂いも然程気にする事
なく、それでもほんの三口程、口にする
ウンス
倒れやしまいかと気を揉むヨン

「もう少し食べよ…、ウンスの気配も
感じる故、案ずる事はないと思うが」

「そうなの?良かった・・悪戯っ子ね
赤ちゃんは…男の子かしら?・・
ヨン…粥はもう食べたくない…吐くのが
辛いのよ…」

「ウンス・・・」

いやいやと涙をため、首を左右に振る
ウンスを、ヨンも辛そうな顔をし
覗き込む

「ヨンも夕餉まだでしょう?残りを
食べて…あ、でも武人だから
粥なんて力にならないわね…」

「ウンスが食えぬもの一人で
食いとうない…ウンスの笑顔を見
ともに食う故うまいと感じる…
エギョンの飯は、どれもうまいが
俺は、ウンスがおらなば飯も食えぬ
赤子と同じ・・・」

「ヨン…困った甘えん坊さんね・・
でも、私にだけ甘えてくれるんだから
許してあげるわ…じゃあ一緒に
食べましょう」

二人はまったく味も匂いもしない
白粥を美味しいに頬張る

その夜、ウンスは厠へと走ることなく
ヨンの懐で、ぐっすり眠れたのあった

ウンスの気配を消したのは
赤子の悪戯か、「ここに居るよ」と
存在を主張しているのか、それは
生まれてみなければ分からぬと
結論に至った



翌朝ウンスは、気分がいいからと
出仕する事に決めた

風にあたりたいとゆっくり歩を進める
時々見つめ合い言葉を交わす

「暑いくらいね・・・」

「ああ、大事ないか?」

「ええ、とっても心地いいの・・」

肩を抱き転ばぬようヨンは
細心の注意をはらい、尚且つ
辺りに気を巡らす…

市井の賑わいを通り抜けると
王宮まであとわずか

「白粥を冷まし
チョンスが昼餉どきには顔を出す故
俺が運ぶ…待っておれ・・」

「分かったわ…でもヨンが器か鍋
分からないけど、持ち歩けないでしょう
なんなら私の方から兵舎に行くわよ」

「ならぬ!兵舎まで来るなど
あやつらが、近づき転び怪我でも
すれば如何する!俺の体面など
気にせずともよい…」

「でも・・・叔母様の耳に入れば
お小言間違いないわよ」

「よい、小言など慣れたもの
叔母上とて、案じておる故気にせん」

「ほんと似た者同士なんだから
ヨン?叔母様好きでしょう?肉親の
情の好きと言う意味なんだけどね」

「・・・」

「あ、赤くなった…図星ね、ふふふ」

「ウンス、俺は・・・」

始まった・・・
奥方様が、大護軍をからかい
大護軍が剥きになり否定する
まったく・・・後ろにいる
俺の存在も気に留めてくれ--
目のやり場に困るんだ!

と、テマンは一人ごちる





二人が典医寺に顔を出すと
イム侍医や、トギらが駆け寄る

「医仙殿、どうされたのです?」

「どうって…、気分がいいから
お勤めしようと思って…」

「ご無理をなさらず、部屋で待機と
言う形を取らせて下さいませ、これは
侍医としての命にございます…従って
下さいまし」

「・・・でも、それじゃみんなに
悪いわ・・」

イム侍医の命に、戸惑いヨンをちらりと
見ると、「よく言った!」と
ばかりに頷き、にやりと笑みを浮かべる

「侍医、ならば医仙は落ちつくまで
平時は部屋で、待機と言うことで…
ウンス、典医寺の長である
侍医の命には逆らえぬぞ・・クックッ」

「もう…なんでよ---」


と、ウンスの叫び声が
典医寺に木霊する


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