木春菊  [偕老同穴] 証 55 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ほんとに暇なんだから・・」

ウンスの悪阻が始まり
七日程日が過ぎていたが
未だに、私室軟禁は解かれず
ぶつぶつ小言を繰り返す

王妃様の診脈以外は
今のところ出歩く事はない
たまにトギが様子見に顔を
出すだけである

「本でも読みたいけど、漢字は苦手だし
あ---もう---」

ウンスは髪の毛をぐしゃぐしゃに
掻きむしり、声を張り上げていた

「この方が、胎教には絶対悪いわ!」

「よし!」と、声と腰をあげると
私室の扉を開く

ミントとアルが、前を見据え警護して
はいるが、「ちょっと風にあたりたい」
と告げると、辺りを散策し始める

人知れずテマンもその後に続く

「籠ってばかりじゃストレス….えっと
胎教に悪いものが、溜まるばかりなの
毎日とは、我が儘言わないから
たまにはこうして付き合って…お願い」

「ですが、医仙様…安定期まで
動かぬ方が、宜しいのでは?」

ウンスが顔の前で、両手を合わせ
お願いすると、アルがウンスに素朴な
疑問を投げ掛ける

「無理をしない程度なら、構わないのよ
王妃様だって、たまの散策には
出られていらっしゃるわ、王様が
必ずお供を、されていらっしゃるけど
・・・あの人は、忙しい人だから
無理は言えないし・・」

「そう言う事でしたら、私たちが…
で、どちら方面を散策なされますか」

「そうね・・取り敢えず四阿に行って
みない?彼処なら、べんち…長椅子も
有るから、ちょうどいいんじゃない」

「はいっ…」

ウンスを前後に囲み
三人は、四阿へと向かう


「なんだか、むっとしてるわね・・
明日は雨かしら・・」

普段は、心地よい風が
通り抜ける四阿もむっとした
空気が淀んで感じる・・・

「医仙様、王妃様と王様のお見えに
ございます」

「え?まあ…先ほど診脈を終え
別れたばかりなのに…」

「義姉様…またお会いできるとは
嬉しゅうございます」

「はい、私もです、王様まで・・」

お二人の横には、眉を潜め明らかに
むすっと不機嫌な顔を露にする
ヨンが立っていた…

「大護軍、その様な顔はするでない
医仙殿とて、とじ込もってばかり
では、気鬱にもなりかねぬ
余もそう考える故、たまではあるが
こうして供をしておる、そちも
考えて差し上げよ」

「恐れながら王様、医仙は悪阻が
きつく、食も細い故出歩きふらつき
でも致せばと、私室にて待機の命を
侍医が出してございます」

「侍医ではなく、大護軍そちが
言わせたのではあるまいか?」

「・・・」

「図星か…ふっ大護軍が、案ずるのは
分かるが、それは酷と言うもの
医仙殿が大人しく言う事を聞くとも
思えぬが」

王様に、図星を指摘されヨンは
ちらりとウンスを見遣ると
罰が悪そうに、後頭部を掻き
明後日の方向に顔を向ける

「王様、大護軍をお借りしても
構いませんか?」

「構わぬ、護軍がおる故
されど、あまり気を荒立てては
ならぬぞ、赤子に障る故…
よいな医仙殿」

「はい、王様」


王様と王妃様は、悪戯な笑みを溢し
その場を後にする

「ちょっと離れていてくれる?」

「はい・・」

二人が遠退くとヨンとウンス
四阿に、再び足を踏み入れる

「ヨンが言わせたの!?
ひどいじゃない…」

「・・・俺はウンスの身を案じ・・」

「それは、分かってる…ヨンが私のため
に頼んだのは…でも身体には
本当に良くない事なのよ…」

「・・・」

「一緒に典医寺に行って
軟禁を解いてくれるわよね、無茶は
しないわ、約束する」

ウンスは、ヨンの顔を覗き込み
半ば、半強制的にうんと言わせるまで
説得は続く

「絶対無茶はしないから・・・お願い」

顔の前で両手を合わせウンスは
ぺこりと頭を下げる
ウンスのお願いに弱いヨン・・
されど…なかなか「相分かった」の
返答が聞けないウンス
徐々にイライラが募る…



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