木春菊  [偕老同穴] 証 46 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「叔母上!」


ヨンは役目を終え、ウンスを坤成殿に
迎える前、内密に叔母を四阿まで
呼び出す

「お前から用とは珍しい事もあるの
して、何用じゃ」

「ウンスは婚儀の折
母上の想いに寄り添い
地味な衣を纏っていたであろう?」

「ああ、ありがたいことじゃ、義姉上も
黄泉の国で喜んでおろうの・・・」

「でだ…ウンスに似合う衣を纏わせて
遣りたいと思うが、力を貸しては
貰えぬか?」

「・・されど、赤子に障りは出ぬのか」

「安定期とやらに、入ってからでよい
・・・それでだが、これはウンスには
内密に頼む、衣に-----して
遣りたいのだ」

「・・・あん!?お前がか!
気でも触れたか!出来る筈がなかろう」

ヨンの切なる願いに、叔母は眼を見開き
声を抗える

「やって見ねば分からぬ!
俺は幼き頃より、器用に出来ておる
頼む、教えてくれ!」

「知らぬぞ…嫁御に魂を抜かれ
大護軍は、腑抜けになったと笑われても
よいのじゃな」

「俺はなんと言われようが構わぬ
叔母上もそうであろう…」

「・・・それはじゃな・・・」

ヨンに急に話を振られ、ちとばかり
あたふたするチェ尚宮

「どうなのだ叔母上」

「分かった・・手配する
気鬱もそれまでには、収まるであろう
私もウンスに、産婆の事を習わねば
ならぬ故、その折ウンスが戻れば
知らせをやるそれでよいな」

「ああ、頼む、ウンスはどうしておる」

叔母は、王妃様との様子をヨンに
ぽつりぽつりと話す

「泣いていたと?」

「そうじゃ、されどこればかりは
日にち薬と聞く…致し方あるまい…
労ってやれ」

「ああ、言われるまでもない」


坤成殿を二人で後にし、典医寺で
トギが煎じてくれた、何種類もの薬草
を混ぜた、苦い香味草茶が待っていた

「ええ~~~苦いの?いや絶対いや」

「ウンス…飲まねばならぬ赤子の為に」

「・・・赤子の為?」

器を持ち上げヨンを見遣ると
静かに頷く…侍医やトギも然り

「・・分かったわ、飲みます!」

げほっ・・げほっと何度も咳込み
漸く飲み干し、器を逆さにして見せる

「飲みましたよ…ほら空よ」

『まったく…幼子みたい』

そう言って、トギの指が動き
器を奪い返す


「トギ、ポン…ミント、アル
本当にありがとう…私の為に辛い
思いさせてしまったわ」

「ウンスだから皆が守り通して
くれたのだろう・・・俺はそう思う」

「そうです、医仙殿、大護軍の
人となりを、皆が知っております故
一丸となれたと思いますが」

「そ、そうかしら・・・なんだか
照れるわよ…ふふふ」

ウンスは頬を染め
可愛いい舌をペロッと出しながら
肩を竦める

「わ、わあ・・どうしたのよ」

咄嗟に腕を掴まれ、あれよあれよと
言う間に、ウンスの目の前には
藍色の衣を纏う、広いヨンの背が
ある


「侍医…もう連れ帰っても構わぬか?」

「・・・は、はい…ご無理をなさらず
何かありましたら、いつなんどきでも
使いを寄越して下さいませ、すぐに
馳せ参じます故」

「ああ、忝ない…その折は宜しく頼む」

むすっとした顔で、ウンスの腕を掴むと
どすどすと足音を立て、私室へと向かう


「拗ねたの…?」

「・・・」

「愛想笑いに過ぎないのに・・・」

「・・・されど、ウンスはもはや
俺の正室、俺だけの人なのです
・・気分がいい筈がない・・・」

私室に入るとウンスを抱き締め
甘い香りを吸い込み、ささくれた
心を静める

「・・無愛想には出来ないわよ・・
皆仲間なんだから…でしょう?」

「・・・・」

「私のお守りも大変だろうけど
やきもち焼きのヨンのお守りも大変よ
・・・ふふふ」

「俺の心を守ると言っていたでは
ないか?」

ぷぅ~と口を尖らせ呟くヨンの
愛らしい姿に、ぷっと吹き出さすウンス

「帰りましょう…疲れたから
湯に、浸かりたいの…」

「ならば共に・・・ん?」

「悪戯厳禁!約束出来る?」

たった今拗ねていたヨンの顔が、パッと
明るくなり、溢れんばかりの笑顔で
こくこくと頷く

こうして二人は、腕を絡め
王宮を後にし、屋敷へと向かうのである



「このような店しか知らずすみませぬ
だが、クッパは絶品故一度連れて
来たいと思うておりました」

「護軍!悪かったね~こんな店で!」

「あ!そう言う意味では・・・」

ほとんど兵舎の飯で済ますチュンソク
誘っては見たものの、あてがある筈も
なく、マンボの店へと連れてきている

マンボ妹に、鋭い突っ込みを入れられ
しどろもどろの返事を返す

「ふふ…面白い方ですね……」

「ぼ、某が面白いと・・」

「しゃきとしろ!」

「バシッ」とマンボが背を叩き
一言付け加えるのも忘れない
流石肝の座った姐さんであった



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