木春菊  [偕老同穴] 証 45 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「王様、長らくお側を離れましたこと
お詫び申し上げます」

「よい.顔を上げよそのように畏まって
いては話もできまい」

「はっ!ありがたきお言葉痛みいります
では失礼つかまつります」

ヨンはそう低い声を出すと
顔を上げ、王様のお側近くに寄る

「大護軍、スリバンの文で子細は
分かっておる…」

「はっ!…すべて灰となりまして
ございます」

「そうか…叔父上の最期はどのようで
あった」

「・・・代わらず、生に執着しており
我が奥の事、王座も所望して
おりましてございます」

「・・・哀れな男よ…でだ、元には
早馬を遣わせておる、無事にお戻り
頂いたとな」

「・・いずれ彼の地で輿も見つかり
ましょう…さすれば賊に襲われ
姿を消されたか、殺められたと思う筈
それ以上ならば、某が受けて立つのみ」

「大護軍の口から、力強い言葉が聞けた
故、安堵いたした…その折りは然と頼
む」

「はっ!お任せを」

立ち話もなんであろうと、椅子に
腰掛けよと、王様が手で合図を送る

一礼すると、対面の椅子に腰をかけ
褐色の瞳を王様に向ける

「医仙殿の様子は、如何じゃ長旅
お疲れであろう」

「はっ、疲れもありましょうが
今は坤成殿へと、医員の顔になり
参っております」

「無理をせずとものぉ~明日でも
良いものを・・話は変わるが
大護軍、イ・ソンミョンのことだが
あやつは斬首の命を下し
既に執行されておる
加担した親元派も皆、流刑に処した
すべて一掃出来たが、そなたはどう思う
これで静かになると思うか」

「王様、今暫くは重臣らも大人しく
しているとは思われますが
人の欲とは奥深いもので、いつ何時
手のひらを返すか分かりませぬ
容易く、お気を許されぬのが
妥当かと思われます」

「そなたもそう思うか…人の奥深い
欲とは恐ろしいものよのぉ・・・」

王様はしみじみヨンを見つめ呟く







「義姉様…寂しゅうございました」

「はい、私もです…ふふふ」

「長旅、お身体に差し障りは
ございませんでしたか…それを案じて
おりました・・・」

「ええ…とってもよくして頂きました
あの人や、迂達赤の皆さんは大変だった
と思います…大切なお役目もあった
ことですし、たくさん我が儘いい
困らせてしまいました」

「赤子が宿ると、女人は情緒不安定に
なる人もおると
侍医から聞いておったが
真のことなのか」

「はい、叔母様私がいい例です
男の人の他愛のない話に、へそを曲げ
あの人を困らせてしまいました
どうにかしてます・・・」

ウンスは椅子に腰掛け
申し訳なさそうに肩を竦める

「他愛のない話とは・・?」

「・・・道中、都に戻れば繰り出すか
なんて話が耳に入り・・・」

「・・そうか・・だが…あやつは
行かぬであろう…信じてやれぬか?
身内が言うのも恥ずかしいが
ウンス一筋…分かっておろう」

「はい、痛いほど分かって要るのに
馬鹿ですね・・すみません」

「いや…仕方あるまい・・
これも次第に落ち着くであろう
気長に待つしかあるまいて・・」

ウンスは、叔母の慈しみ溢れる
言葉が、ありがたかった
自然に涙溢れ、頬を濡らす

「・・まったく手のかかる嫁御じゃ」

叔母は王妃様に一礼すると
目元を緩めウンスの背を優しく
撫でてやる
その優しさが嬉しくもあり
自身が情けなくもあり、ウンスは
叔母に向き直り、声を上げ泣き出して
いた・・




一方チュンソクは、からすの行水を
済ませると、トクマンに後押しされ
いそいそと、パン家へと向かっていた

己の変わりように、戸惑いを覚えつつ
屋敷へと到着すると使用人に声を掛ける

「サム殿はおられるか?」

ぺこりと小さく頭をさげ
小走りに屋敷の中へと消えると
サムが、満面の笑みを浮かべ走り寄る

「チュンソク様・・・無事にお戻りに
なられたのですね…」

「はい、今日無事に・・・」

「お会いしとうございました…」

「某も・・いや・・俺も一目顔が見たく
飛んで参った次第・・・」

いそいそと馳せ参じて見たものの
言葉が続かないチュンソク・・・

「・・夕餉を共に・・」

「はい…嬉しゅうございます」

チュンソクとサムは、照れなが腕を絡め
市井へと向かうのである



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