木春菊  [偕老同穴] 証41 | シンイ二次小説でんべのブログ

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『ウンス!!駆け出すな
転んだらどうするつもりだ!!』

トギの指が怒りを露に世話しなく動く

『薬を煎じてくる特別に苦いのを
作るから、待ってろ!ポン行くよ』

トギはぷりぷりと小言を言うと
ポンと共に厨房へと向かう


「そんなに怒らなくても・・・」

「ウンス、如何した?」

「ヨン!」

ウンスが声を上げると同時に
ぱふっと、腕の中に囲われる

「終わったの?」

「恙無く手筈通りに…」

「そう、良かった…みんな怪我は
してない?」

「ああ、迂達赤は皆精鋭部隊…
怪我などする筈がなかろう
今宵は皆、宿に泊まる故、後で顔を出す
のではないか」

「じゃ皆で宴会ね」

「・・僅かな刻ならば…」

そう言って、ウンスに微笑み掛け
椅子に座らせる

「チョンス、武閣氏の二人
此度の働き感謝する、怪我もせず
よくこの方を守り通してくれた」

「滅相もございません、旦那様
奥方様や赤子に、万が一などあっては
俺の戻る家はございません」

「大護軍様、私達も同じでございます
然程、手こずる相手ではございません
でしたので…奥方様、いえ王宮に戻り
し時には、医仙様をお守りするのは
お役目でございますれば
お気になさらず」

「ふっ…ありがたい流石叔母上
一押しの 武閣氏だけある…そなたの兄も
義理堅い男であった・・兄に武術を
習ったと言っておったな…」

「はい・・・」



『大護軍、戻っていたのか?
お役目ご苦労様でした…ウンスの煎じ薬
だ…疲労回復と心が落ち着くようにと
鹿茸、人参と九種類を煎じた飲ませろ』

受け取った器には、どす黒い液体が
入っていた

「げっ…これを全部飲むの?いや!
絶対いや苦いの苦手よ」

「ウンス、我が儘言って困らせては…
折角トギが煎じてくれたのです
飲まねばなりませぬ」

「ヨン、ちょっと耳貸して」

ヨンが、ん?と言う顔をして
腰を屈めると----とウンスが
小声で話す
「んんっ」と咳払いを落とすと…

「すまぬが…席を外してくれぬか」

皆が頷き外に出ていく



し~んと静まり反る室内

「俺に飲ませろと?」

「うん!だめかな?」

ウンスはもじもじと
手を擦り合わせ呟くきながら頬を染め
そばで立つヨンを見上げる

「・・・薬を飲ませるのは、構わぬが」


真、何も分かっておらぬ、俺が
どれだけ堪えておるか・・・
内功を使い、頗(すこぶ)る気が
ウンスを欲しておるものを・・


「どうしたの?」

「・・・」

ウンスは小首を傾げヨンを見つめる

ヨンは邪念を振り払い
器を手に持ち一口、口に含むと
そっとウンスの唇へと流し込む
何度めかで器が空になった


「・・はぁ~苦い---でも…
ありがとう…」

ウンスは朱色に染まり俯く

まったく…そのように愛らしい仕草を
なさいますな…

ヨンはそう思い眉を下げ
苦虫を噛み潰した顔をする



刻が過ぎ辺りが夕闇に包まれる頃
二人の部屋で、細やかな宴が始まる
部屋の長卓を配置してもらった
皆が腰掛けれるようにとの配慮である
質素な夕餉だが、皆で囲めば
美味しく感じる


「奥方様、お身体は大事ございませぬ
か」

「ええ、お陰様で、チュンソクさん方も
怪我はしてないの?かすり傷でも
馬鹿には出来ないから、遠慮しない
で言ってね…」

「いえ、奥方様のお手を煩わせる者など
おりませぬ、いざこざもなくあやつを
引き渡したまでに過ぎませぬ」

「そうなのね、でも宿を襲った兵士は
なぜ、私がここに居るって
知っていたのかしらね…」

「イ殿の仕業であろう」

「そのようでございました旦那様」

チョンスは、チョニから最期に聞いた
話を、ヨンに話して聞かせる

「そうか…我が子と知らずイ殿は
接し、またチョニも私兵と徹して
来たのだな・・・」

「違うと思うわ・・・何十年生き別れて
いても、親なら子を分かる筈よ」

「そうだとよいが・・・」

「湿っぽい話になったわね…話を変え
ましょう、チョンスほんとに強くなった
じゃない…あの時瞼は閉じていたけど
素人の私にも、気迫が伝わったもの」

弟子を誉められ、テマンは瞳を輝かせ
チョンスを見やる

「俺の一番弟子ですから」

「止めて下さい 스승님(ススンニム)
(師匠)様・・」

照れたように、チョンスの顔が
赤くなると皆からどっと笑い声が
漏れるのだった


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