木春菊  [偕老同穴] 証 40 | シンイ二次小説でんべのブログ

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横たわる徳興君、既に事切れていた

チュンソク始め迂達赤が、元の兵士の
息の根を止めるのは、造作もないこと
だった。ヨンが日頃死なぬ程度に
鍛練を欠かさない事が功を奏している

「チュンソク!!」

「はっ!」

「統べての物を、痕跡も残らず消し去る
牢車と元の輿は残す!亡骸を、一所に
集めよ」

「はっ!、トクマン聞いたな?」

トクマン始め迂達赤は亡骸を一ヶ所に
集めると、そばの木を数本切り
亡骸のそばに置くと
その場を離れ、遠巻きで見守る
チュンソクが油壺を取り出し
亡骸のそばに置く

ヨンは瞼を閉じ気を高め
雷功を身に纏うと、指の先から
ぱちぱちと溢れでる
手を、油壺目掛け翳すとドカンッと
派手な音を奏で、勢い良く炎が
立ち上がる

めらめらと炎が立ち上がる中
ヨンは、僅かに頭を垂れ瞼を閉じる


そなたの罪は決して許される事はない
だが、仏を冒涜することはせぬ
黄泉の国で、心穏やかに過ごされよ

ヨンがゆっくり瞼を開くと
心地よい日差しが降り注ぎ、天が
この秘密裏の行程を許すかに思えた

トクマンら 迂達赤は、既に大きく深い
穴を掘っていた



炎が消えると、骸骨を集めその穴に埋め
地をならす…すべてが終わった

「戻るぞ!、ここで目にした事他言無用
よいな!!」

ヨンの命に、皆が頷き騎乗し宿めがけ
一行は駆け出す



「みんな、怪我はしなかった?」

「はい、奥方様武閣氏の師範は
チェ尚宮様です…この程度の刺客
へっちゃらてす」

ミントが自慢気に胸を張ると
皆がぷっと吹き出す
辛い筈であろう状況下にあっても
ウンスの回りにはいつも笑顔が絶えない
皆が目元を緩めウンスを見守るのだった


「トギもポンも怖かったでしょう
ごめんなさいね…私のせいで・・・」

『友だろう、あたりまえだ!
武術は出来ないけど、身体を張り友を
守ることはできる、言っとくけど
皆さん…ウンスの一番始めの友は
私だからね!」

ポンが指を読み、皆に伝え終わると
誇らしげにトギは皆を見回す

「そうね、トギはいつもむすっと
してたけど、いつも助けてくれたわ
あのときもそうだった…」

ウンスは、昔を懐かしむような
遠い目をし、皆に徳興君の解毒の話を
ぽつりぽつり語り出す…


「もう済んだ話なんだからそんな
辛い顔しないで…お願いよ
今はこうして、あの人の所に戻って
来れたし、赤ちゃんまで
授かったんだから…幸せよ」

「奥方様はお強い方です、私には
真似は出来ません」

「アル…私は強くなんかないの…
あの人が居るから、そう見えてるだけ
よ」

「そうでしょうか?奥方様の回りには
陽の気が溢れております、その気に
魅入られ、善も悪も集まるのでは
ないのでしょうか?」

「え~悪はもう懲り懲りだわ」

ウンスの素っ頓狂な声に皆が頷き
笑みが零れる


チョニの亡骸を葬っていたチョンスが
もどり…後を追うように、幾つもの
蹄の音が聞こえてくる

「あ、絶対チュホンよ…みんな無事に
戻って来たわ!」

新たな部屋で駆け出そうと、腰を浮かす
ウンスを、トギが前に両手を広げ
頚を左右に振り、立ち塞がる



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