木春菊  [偕老同穴] 証 33 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています


「おお~」

徳興君はウンスに向かい手を伸ばした
「触らないで!」と、ウンスは語尾を
強め徳興君を睨み返す

「相変わらず気が強い女人だな・・
そなたから言うてくれぬか?
こいつら…俺を・・・ぐうっぐうっ」

「え?猿轡しちゃうの?」

徳興君が要らぬ事を話す前に
チュンソクは機転を働かせ、口を塞いで
いた…

「え、トギどうしたの?」

『食あたりじゃあないかな
こんな奴、ウンスが診て遣ることない!
この男のお陰、どんな思いをしたんだ?
大護軍と、四年も離れて
辛かったんじゃないのか?」

トギは指を忙しく動かし
瞳には涙をため、ウンスを嗜めていた

「トギ・・・ありがと…」

「ウンス、トギはなんと申して
おるのです?」

「・・診てやることはないって…
あの時は、辛くなかったのかって
怒っているの・・・」

ウンスは、トギが心の言葉を
ヨンや回りの皆に、しみじみ語り
聞かせた・・

『下剤を飲ませてみた…食あたりなら
もうじき厠へ走る筈だ…だから
今は待って…こいつに触れて欲しくない
から….友なんだろう?黙って
言う事を聞け!』

今度はポンがゆっくり皆に伝える

そうしてる間に、徳興君の額から
脂汗が浮き出、「ぐうっぐうっ」と
喚き散らす

『ほらきた!誰か厠へ連れて行って』

「トクマン、連れて行け!」

「はっ!えっ?・・俺・・俺しか
いないか・・連れて行きます…」


上官であるチュンソクの命には逆らえず
トクマンは、いやいや徳興君を立たせ
厠へと連れて行く

「ウンス、トギは貴女を案じて
おるのです…医員としての貴女の
心根は十分承知してはおるが
彼奴だけはお止め下され、俺からも頼む
貴女が知らぬ地へ迷い込んだのも
彼奴の毒が始まり・・・
堪えてくれぬか…」

「・・そうね…貴方にお願いされたら
いやとは言えないわ・・どれだけ
あの男に振り回されたか・・
王様や王妃様も十分苦しまれたわ
ごめん…我が儘言って…トギ?
頼めるかしら」

『任せろ』と指が動く

「じゃ戻ろう…」

ウンスは笑みを湛え皆に一礼し
ヨンと共にその場を後にする

その後、徳興君はすっきりした顔で
厠から戻ったと、トクマンが伝えに
二人の部屋まで報告に寄っていた


「ウンス、休まねば身体に障る
彼奴の事は気にせず、寝て下され」

「・・うん、そばに居てね…怖い夢でも
見そうだわ…」

「あたりまえであろう、さあ眠って…」

布団をめくりウンスと共に床に付く
優しい笑みを浮かべると
赤子をあやすように、とんとんと
布団の上から愛しさを伝えると

ウンスの瞼がゆっくり閉じる
手の甲と額にそっと唇をあてると
ウンスが微笑んだように、ヨンには
見えていた・・





「王様、義姉様はどうしてこうも
狙われるのでありましょうか・・」

「そうじゃのぉ…この地にはおらぬ
技量故かのぉ、医術を施す腕も然り
男勝りの気性も然り、皆もの珍しいの
かも知れぬな」

「ふふ…男勝りなどと…義姉様が聞けば
王様とて叱られましょう・・」

「王妃、医仙殿には内密ぞ…あのお方は
今は大護軍の正室故、二人に叱られる
やも知れぬ・・」

「まぁ…悪いお方・・・ふふ」

日も暮れ雨足が強まる中
王妃様の寝所へ訪れる王様…
二人顔を見合せ微笑む



「王様、お休みのところ
申し訳ございませぬ…スリバンから
繋ぎが来ております…」

扉の向こうから控えめに
チェ尚宮の声が聞こえる

「如何した!」

「はい、甥の屋敷に刺客が忍び込んだ
模様にて・・取り押さえて見たところ
イ殿の私兵でございました
如何すればよろしいかとの繋ぎで
ございます」

「なんと、イの私兵が刺客とな!
相分かった、今宵は遅い故
明日禁軍を向けると伝えよ、して屋敷の
使用人に怪我はあるまいな?」

「はい、甥が抜かりなきよう手配して
おります…では失礼致します」

チェ尚宮は扉の向こうから一礼し
その場を後にする


「ドチ、控えておるか」

「はい、こちらに控えております」

「禁軍をイ・ソンミョンの屋敷に
向かわせ捕らえて参れ」

「畏まりました…ではすぐに」

「大護軍が戻りしだいそうする
つもりでおったが、致し方あるまい」



王様はぽつりと呟くと、王妃をに向かい
口の端をあげるとふわりと、抱きしめ
共に瞳を閉じたのであった


ポチっとして下されば嬉しいです





にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村