木春菊  [偕老同穴] 証32 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「なんだ…」

「例のお方が腹が痛いと申されて、護軍
が、どうしたものかとお尋ねして参れ
と言うもので…」

「は?腹が痛いなら、トギとポンに
頼み煎じ薬を貰えばよかろう
ウンスには言えぬ…あの方の事だ
患者と聞けば飛んで行くであろう
今は身重の身…ましてや彼奴に
会わせるなど、俺が許す訳がなかろう」

「はっ、そう伝えます…では失礼致しま
す」

トクマンは一礼し踵を返す
「はぁ…」と盛大にため息を吐くと
ヨンはその後ろ姿を見送り部屋へと戻る


「どうしたの?トクマン君の声よね」

「・・トクマンが腹が痛いと
トギに頼み、煎じ薬を貰って良いかと
許しを得に来たまで…」

「あら、大変!診てあげるわよ
連れて行ってちょうだい」

そう言って立ち上がるウンスを
ヨンは頚を左右に振る

「貴女は身重なのです、無理をしては
ならぬ…」

「でも…手遅れになることもあり得るの
よ、貴方の仲間なのに…ヨンそれでも
いいの?」

「・・・」

「ヨン!何か隠してるでしょう?
はっきり言って!」

ヨンは、ため息を吐くと
ウンスの手を引き、床の上に胡座座りを
すると、その中にすっぽり座らせる

「・・・あやつです…徳興君様が
腹が痛いと・・・」

その名を聴きウンスの身体が一瞬
強ばる…だが根っから医員であるウンス
徳興君の様子を気にし始める

「毒使いが・・・でもどんな様子なの?
食あたりとか、簡単なものなら
良いんだけど、病が潜んでいたら大変よ
・・診ようか?いや…診ます、案内して
ちょうだい」

「・・・」

貴女ならそう言うと思っておったが
彼奴の姿を見せとうない…
だが…言うことを聞く貴女ではないが
俺では医術の事は…分からぬ・・・


黄泉の国にもうじき逝く故
診なくてもよいとは、口には出せない
ヨン・・・唇を真一文字に結び
背から想いを込めふわりと抱きしめ
言葉を繋ぐ

「・・・ならば俺のそばから離れず
役目を果たすと約束して下され」

「うん分かったわ、約束する
そばに居てね」

「ウンス…彼奴の姿はひどく変わって
おる…驚かず心を落ちつけ会う約束
して下され…ん?」

「そうなのね…うん、分かった
赤ちゃんに影響出ないように落ち着いて
会うから、行きましょう」


二人はあてがわれた部屋を出
徳興君が横たわる部屋へと向かう




「チュンソク!入るぞ」

「お待ちください」

部屋の前に着くとヨンはチュンソクに
声を掛けると、すぐに扉を開け
チュンソクが飛び出してくる


「様子は?」

「はい、トギとポンが煎じ薬を
飲ませましたが、未だに冷や汗をかき
腹を押さえて踞っております」

「大護軍、奥方様がお越しと
言う事は・・?」

「ええ、診ますトギとポンだけでは
心細いでしょう?使者に引き渡すまでは
無事で居て貰わないと」

ウンスは深呼吸をすると一気に吐き
頭を上下に大きく振り、瞳で合図を送る

チュンソクは心配気にヨンの顔を
窺うが、ヨンは黙って頷いていた


部屋の中へ脚を踏み入れると
あまりの変わりように
ウンスは瞳を見開く…

「ウンス…無理をせずともよいのだ
戻るか?」

「・・・ありがとう、でも大丈夫よ
ふふ…トギどうなの?」

ヨンがウンスの肩を抱き
瞳を見つめそう問うと
ウンスは頚を左右に小さく振り
きりりと前を向き、医仙ユ・ウンス
の顔になる



一方屋敷では

白い人が難なく事を収めていた

「ありがとうございます
命拾いを致しました…」

「良いんだよ…こいつらちょっと
マンボの隠れ家に連れて行くからさ
縄あるかい?人を連れてくるまで
縛っておくよ」

「はい…」

イルムとサンミが納屋へ走り
縄を持ってくる

「ありがとよ、でも女人なんだから
大人しくしておくんだよ、ヨンが
戻ってくるまで警護はするからさ
安心しな、あら、いやだわ~私も
女人だったよ・・」

そう呟くと白い人は刺客をさっさと
縛り上げ踵を返し走り去る

急にもじもじと呟く白い人に
三人の頭の中は「???」でいっぱいに
なりその背を見送るのだった・・・


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