木春菊  [偕老同穴] 証 31 | シンイ二次小説でんべのブログ

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主二人が、彼の地に向け出立した
初日の夜…
チェ家屋敷の回りが騒々しくなる

生憎の雨、門扉もきっちり閉め
閂を然りと掛けた筈が、がさごそと
微かにエギョン耳に届く

「へ?何の音かね・・」

頼りになるチョンスもテマンも
居ない・・若い二人を守らなければ
と、木刀を両手で確り握りしめ
部屋を出て行く

「ん?・・」

暗闇にうっすら浮かぶ二人の人影
雨の中、傘もささず木刀を握り締め
門扉を目指しているようだ

「サンミ、イルムどうしたのさ」

「・・姉さん、出て来たらだめでねえが
けがしたらたいへんだべ…」

「あんた達こそ・・」

「おら達は少しばかし若けえから
すぐになおるべ」

三人は額を擦り合わせるように
こそこそと、小声で話していた

閂を外せなかったのか
物音の正体が、塀をよじ登り
「ドサッ」と敷地内に降り立つ

「誰だいあんたたちは!
ここの主が誰か、知ってるんかい!」

「・・・知ってるさ、大護軍様が留守
だから来たのさ…黙って奥方を出しな
なに、取って食いはしないさ…」

「雨の中、お生憎様なこった!
奥方様も留守さ」

「な、なんだと!おい調べろ」

ゴォォゴォォと降りしきる雨音に
声は掻き消され、視野も狭まって
しまうが、エギョンは人相を
頭に刻み込もうと、一歩一歩前に進む


「止めときな、怪我するよ」

「あれ、マンボさんのところの」


スリバンの白い人が、屋根からふわりと
飛び降り、エギョンらを背に庇い
刺客と向き合う

例え豪雨で視界が狭まろうと
暗闇であろうと
一度見たら脳裏に焼き付く
その風変わりな出で立ちの男を前に
エギョンは胸を撫で下ろす

「あんた達屋敷の主は二人とも留守さ
さっさと帰りな」

「ふん!貴様こそ何奴!」

にやりと口の端をあげると
白い人は…

「どうせ何処かの重臣の私兵
なんだろうよ」と刺客に立ち向かう






「凄い雨ね・・・皆大丈夫かしら」

「ああ、大事ない筈…この寺は
厩舎も備え付けており、空き部屋も
数多くある故、其々身体を休めて
おるであろう」

都の外れで、大雨に遭遇してしまい
急遽近場の寺に駆け込んだのである
ヨンとウンスは、一部屋に籠ると
ウンスを胡座の間に座らせ
背からふわりと抱きしめ温めている


「彼奴は?元に引き渡すのよね」

「・・・」

「ヨン?」

「・・気になるのか?」

「ええ、でもあの男とは、二度と
顔は合わしたくないかも…こうして
赤ちゃんが授かった今は尚更そう
思うの…王妃様はお辛かった筈だわ
・・だってこんなに愛しいのよ」

ウンスがぽつりと呟くと
ヨンはそっと腹に手をおくと

「俺がこの先も、ウンスと赤子と
必ずや護る故…案ずることはない」


「大護軍!」

「なんだ、トクマン!」

突然邪魔なトクマンの声がすると
ヨンは、チッと舌打ちをすると
ウンスをそっと下ろしてやり
扉を開けるのだった…




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