木春菊  [偕老同穴] 証 24 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ウンス… 次皇后を知って
おるか?」

「え? 次皇后って…確か
天界にいた頃何度か読んだ気がする…
 高麗貢女から、順帝の皇后になった
人よね?違ったかしら」

「いや、その通りだ、今はまだ次皇后
の立場におるが」

「その人がどうかしたの?
え?待って… 次皇后って
キ・チョルの妹だったはずだわ
違う?」

「落ち着いて聞いてくれぬか」

こくこく頷くウンスの手を取り
ぽんぽんと優しく押さえ包み込む

「その 次皇后が兄の敵討ちを
すると息巻いておるようです」

「え?今更…なんでキ・チョルは自分の
内功で氷りつき亡くなったんでしょう?
逆恨みもいいところよね」

ちょっと待って・・・
キ・チョルは、史実では自分の内功で
亡くなったんじゃない!
確か、王様が一門を誅殺した筈・・
やっぱり歴史が変わってる・・

「ウンス?どうした顔色が悪いが」

「ううん…大丈夫よ、それでどうした
の」

「・・あの重臣イ・ソンミョンは
貴女を手土産に、元に取り入ろうと
している様です」

「手土産?私が?冗談じゃないわ
私は荷物じゃないし、あの重臣
凝らしめてやろうかしら…でもヨン
どうするつもりでいるの?」

「何故貴女を渡さねばならぬのです
ウンスは、俺だけの女人
奪われてなるものか!彼奴らの
思い通りなどさせん、必ずウンスを
守ってみせる」

「私は何をすればいい?共に戦うわ」

「勝手な行動は許しませぬ、独り身では
ないのだ、ましてや貴女を質に取られで
もしたら俺は戦えぬ…分かって下され」

「分かった…大人しくしているから
そんな怖い顔しないで…ん?」

眉間に皺を深く刻み、ウンスの手を握る
ヨン…だが、ウンスが見つめると
ふっと症状を緩め優しい眼差しになる



「チュンソク!どうした」

「大護軍、イ殿の意識も痺れも
落ち着いた様です」

私室の扉の向こうに、チュンソクが現れ
用件を告げる

「分かった、宣仁殿へ連れて参れ
俺もすぐに行く」

「はっ!」

チュンソクは短い返事を返すと
踵を返し、典医寺 へ戻って行く

「ウンス、共に王様のもとへ参ろう
一人にしては置けぬ故」

「うん、分かった…一緒に行くわ
私が留まる事で、ミントやアル
典医寺の皆に、迷惑掛けれないわ」

「ふっ…いい心掛けです」




宣仁殿では厳しい詮議が始まっていた

「イ殿、どう言うことだ!痺れ薬の
誤飲とは?説明せよ!」

「・・・」

「聞こえておるのか!」

「王様…私くしは、ただ元との戦を
避けるがために、医仙をお連れしようと
…したまで、この国を思えばこその
苦肉の策をでございます
痺れ薬は、万が一騒がれてはと
用意したものでございます…効き目を
試したく、ほんの僅か
口にしたのですが・・」

「イ殿、医仙殿は身重の身、そのような
薬など口に含めば、赤子が流れてしまう
とは、考えぬのか!」

「されど王様、たかだか女人一人の為に
この国を民を、戦に巻き込むおつもり
でございましょうか…それを避けるのは
王様の正しきご決断に掛かって
おりますれば、どうか民を国をお守り
下さいませ」

「余は、医仙を渡すつもりはない」



「王様、大護軍と医仙殿がお見えで
ございます」

「入って頂け」

アンドチ内官の声に、王様は厳しい
顔は崩さず返事を返す

外でアンドチ内官より事の経緯を
聞いたヨンは、怒りに震えていた

「王様…」

「二人とも良く参られた、ドチ医仙殿に
椅子を持て」

すっとアンドチ内官が、椅子を
持ってくると、ヨンはウンスを
座らせその背後に立ち、イ・ソンミョン
他、まだいるであろう新元派を
睨み付ける


「王様、ご配慮頂き感謝申し上げます」

「よいのじゃ…ところで大護軍・・」

「大護軍!この国の為、民の為
医仙を諦めて下さらぬか」

「イ殿、余が話をしておる!黙らぬか」

イ・ソンミョンは王様のお言葉を
遮り、ヨンに向かい言葉を吐くが
王様がぴしゃりと言って退ける

「余は、医仙殿を渡すつもりはない
と言っておる、それが分からぬのか」

「それでは、戦になり元が攻め入って
参ります…それでも良いと申される
おつもりでございましょうか」

「王様、某から申し上げても」

「許す、申してみよ」

「はっ、先ずはイ殿の問いの返答ですが
イ殿、某は医仙である奥を元などに
渡すつもりもござらぬ!何故に諦めねば
ならぬ!その方は元に取り入るつもり
であろう、違うか!」

声を張り上げるヨンを不安顔で
見つめるウンス…それを感じ
ヨンは、そっとウンスの肩に手を置き
温もりを伝えていた




※※※※※

史実では奇家一門が、この時期恭愍王に
より誅殺されているようです
それに怒りを露にした、元朝次皇后が
つまりキチョルの妹が
元軍一万を鴨緑江に差し向けたのが
もう少し後です

それを私なりに取り入れて見たいと
思います、史実とは時期はずれますが…
ゆるりと進みますがお付き合い
下さいませ

※※※※※

でんべ

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