木春菊  [偕老同穴] 証 19 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ヨンは王宮に戻ってから
猛烈な勢いて、役目をこなしていた

村々から届く上申書に目を通し
要約をまとめ会議で報告する為である

「テマンか!入れ」

「奥方様は恙無く過ごしています
・・・大護軍…もう六度目ですが…
俺…飯も食ってません!」

「・・・すまぬ・・
屋敷に戻り、少し休んで構わぬ」

テマンの気配で気付き、ヨンは
声を掛け、中へ招きれる
ウンスの報告を受けると、テマンを労い
言葉を掛けていた


待てよ…大護軍少し休めと言っただけだ
と言う事は報告するのは、続くのか…?
どれだけ心配なんだよ~

テマンは一人ごちると屋敷へと
再び走り去る


ん?、叔母上

「邪魔をするぞ」

「叔母上…兵舎に顔を出すとは…
火急の用件か?」

「坤成殿で王様がお待ちである」

「何故、宣仁殿ではなく坤成殿なのだ」

「馬鹿者が、一臣下に過ぎぬウンスの
懐妊を、宣仁殿では喜べまい
昼の声は鳥が聞き、夜の声はねずみが 聞くと申すであろう…まったく…」

「・・・分かった」


共に坤成殿へと向かい
部屋の中へ招き入れられる

「大護軍、待っておった早速じゃが
医仙殿の懐妊、真にめでたい
余も王妃も嬉しゅうてならぬのじゃ」

「はっ!王様、ありがたきお言葉
恐悦至極に存じ上げ奉ります」

ヨンは片膝を付き頭を垂れ
それに習い、チェ尚宮は深く頭を垂れる

王妃様は、王様の隣にお座りになり
満面の笑みを、お浮かべになり
微笑まれていた

「大護軍…義姉様は屋敷に戻られたと
聞く、案ずる事はないのであろうか」

「はっ、王妃様…少し目眩を覚えた様子
にて、大事を取り屋敷へと戻らせ
ました故…されど王妃様のおそばを
承諾もなく離れた事、誠に申し訳なく
医仙には咎はなく、すべて某の一存にて
致した事・・・」

「良いのじゃ…大護軍、妾は幸い悪阻も
なく、過ごしておる故案ずる事はないが
義姉様のことじゃ、明日には出仕するで
あろうのぉ…」

「・・・」

「なんじゃ大護軍、出仕させとうないと
顔に書いてあるぞ」

「それはできぬであろうのぉ…義姉様は
妾に常々言うておるのじゃ、懐妊は病
ではないと…適度に動かねばならぬとな
大護軍…屋敷に閉じ込めてならぬぞ」

「・・・・」

王様、王妃様は悪戯な笑みを浮かべ
ヨンの顔を覗き見る

お二人のお言葉に、口を一文字に結び
しかめっ面を浮かべ佇むヨン



一方屋敷では…

「奥方様…ようございました」

「うん…ありがとう、エギョン」

「んだ、えがった(良かった)」

「ふふふ…ありがとうイルム…」

「乳は出ねえが、子守りならおらたち
でぎるだ、めいっぺい可愛がるべ
だがら、奥方様はぽこって生めば
ええんだ」

「・・ぽこって、そう簡単生めたら
苦労しないわよ、でもありがとうサンミ
嬉しいわ、どちらが生まれても
みんなが居れば…私大丈夫、必ず
無事に生んで見せるから…ふふふ」

居間の卓を囲み、皆の笑顔とともに
春の悪戯な風が、ウンスの頬を擽
(くすぐり)通り抜ける



「奥方様、お客様がお見えで
ごさまいます、典医寺のトギ様とポン様
と申しておりますが」

「あら、どうしたのかしら…
お通ししてちょうだい」

「ん?トギ・・どうしたの」

居間に顔を出したトギ
瞳には涙をため、今にも零れ落ちそうで
あった…

ポンが世話しなく動くトギの指を
凝視し、ウンスに伝える

「こんな日が来るとは、思わなかった
でも…倒れたって聞いたから、心配で
抜け出してきた…」

「トギ・・・ありがとう
でもちょっと目眩がしただけなのに
あの人が大袈裟なんだもの…」

「相変わらずなんだ…」

「うん…心配性なんだから…
見てテマン君を、もう六度もあの人に
私の様子を、報告に走っているのよ」


そこには腹一杯飯を食らい
気持ち良さそうに
椅子に凭れ眠るテマンの姿があった

※※※※※※※※※
記事に用いたことわざですが
日本で言われる
『壁に耳あり障子に目あり』と
同じ意味合いで用いられる様です


一日がいまだに終わりません・・・
もう少しお付き合い下さいませ( ̄▽ ̄;)

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