木春菊  [偕老同穴] 証 18 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています


輿の揺れがウンスに伝わらない様
ヨンはウンスを膝の上に座らせ
抱き締めている

「もう…何度も言うけど妊娠は病じゃ
ないのよ、適度に動かないと
返って出産の時に大変なんだから」

「王妃様のご懐妊の折りに聴いては
おるが・・・」

「それに、まだ昼回ったばかりなのに
なんだか気が引けるし…」

「そのような事は気にせずともよい
今は、何よりウンスの身体が一番故」

「あのね…ヨン、大事な事を伝えないと
安定期に入るまで、その・・・営みは
慎まないといけないの…堪えれそう?」

ウンスは頬を桜色に染めもぞもぞと俯く


「抱き締めて眠ることも叶わぬのか?」

「そんな事はないわ…ぎゅっとは
無理だけど、優しくだったら…」

「ならばよい…その折がくれば
知らせてくれるであろう?」

「もちろんよ、ヨン浮気しない
えっと、妓廊に行ったりしない?」

「何を馬鹿げた事を…
俺はウンスでなければ、役にもたたぬ筈
それに、俺はそのような男ではない」

「うん!知ってる…ありがとう」

ウンスは一抹の不安があったが
ヨンが、然りと言い切ったことで
胸のつかえも取れ
清々しい面持ちになる

そうしているのうちに輿は屋敷へと
たどり着く


「テマンさん、どうしたの?」

前触れもなく、テマンが御者を努める
輿が屋敷の前に止まると、エギョンが
飛び出してくる

「奥方様と大護軍がお戻りなんだ」

「え!何かあったかい?」

輿が開けられ、ヨンがウンスを横抱きに
したまま降りてくる

「旦那様!奥方様!」

「エギョン、奥が懐妊したのだ!
閨で大事をとる故…」

「へ?・・・旦那様いまなんと?」

「・・・ウンスが懐妊したと申して
おる」

ヨンは、僅かに眉間に皺を寄せ
ウンスを抱き抱えたまま振り返り
言葉を繋いでいた

「・・エギョン驚かせちゃったかな
そうなの赤ちゃんが出来たの・・」

「奥方様…ようございました…」

エギョンは、両手で顔を塞ぎ
肩を揺らしながら崩れ落ちる

「ヨン、下ろして…」

「はあ…」

「エギョン…喜んでくれるの?」

「・・あたりまえでごさいます
どれ程、待ち望んでいたことか」

「・・ありがとう、エギョン・・
これから色々迷惑を掛けると
思うけどよろしくね・・さあ…立って
ちょうだい、衣が汚れちゃうわ…」

ヨンが渋々ウンスを下ろすと
ウンスは、地べたに座り込むエギョンに
手を貸し立たせる

「それと、旦那様…一人で歩けるから
大袈裟にしないでよ…病じゃないんだし
まったく…戻らないといけないだら
早く戻って…」

「・・・ならば閨まででも・・」

「居間に座って…お茶を頂いてから
休むから、さ、早く・・」

ウンスはヨンの背を押し、門の外まで
押しやる…ヨンは眉を下げ
振り返り言葉を繋ぐ

「・・ウンス・・」

「ん?なあに…ふふふ」

「ふっ…貴女には、どう抗いても俺は
生涯敵う事はありませぬ…されど
俺が戻るまで、何卒大人しゅうおると
約束して下され…」

「もちろんよ、貴方が戻るまで
大人なしくしてるか、心配しないで」

「 武閣氏もおる、チョンスもおる故
案ずる事はないが、テマン!」

ヨンはテマンを呼び、何やら耳打ちを
していた…

「ヨン…早く戻らないと
チュンソクさんもいないのよ」

「・・貴女は己の事より回りの事ばかり
・・・ふっ、戻る故大人しゅう・・・」

「はいはい、分かっるから
・・行ってらっしゃい」

ヨンはウンスをみつめ
片頬をあげると、何度も振り返り
王宮へ向け踵を返しす

その姿が見えなくなるまで、ウンスは
顔の横で小さな手を振っていた


「行っちゃった…心配性なんだから
テマン君、あの人何て言っていたの?
こそこそ話していたでしょう」

「・・・四半刻に一度様子を知らせに
来いと・・・」

皆が一斉にへ?と言う顔をし
笑みに包まれていた


ポチっとして下されば嬉しいです




にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村