木春菊  [偕老同穴] 証 1 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「旦那様…」

「ん?…エギョンどうした?」

閨の廊下の隅より、エギョンが
遠慮気味に声を掛ける
何度も互いを求めあった二人
明け方漸く眠りに付いたばかりである

「チュンソク様が、火急の用件で
要らしておりますが?」

「分かった、居間に通しておけ
すぐに参る」

「畏まりました」

ウンスを起こさぬ様に、抱き締めている
腕をそっと抜くと、寝衣を羽織り
軽く縛りるとそのまま居間へと向かう

そして居間の椅子にどかりと
腰を下ろす

「チュンソク火急の用件とはなんだ?」

「大護軍、お休みのところ朝早く
すみませぬ」

無造作に羽織る寝衣の胸元から
ウンスの香りが漂い、チュンソクは
昨夜は激しさを垣間見
瞳を反らす…

「どうした、早よう申さぬか」

出されたお茶をすすりながら
ヨンはそう呟く

「某に縁談の話がありまして…
どうしたものかと、大護軍の意見を
お伺いしたく出立される前にと
朝早く申し訳ございませぬ」

「どこの娘御なのだ?」

「はい、パン家でございます」

「縁とはどこにあるか分からぬ故
一度合って見るのも、よいのではないか
パン家の娘御なら間違いなかろう
文官ではあるが、筋は通っておるお方故
だが…武官、文官となればいずれ
対立するのも覚悟せねばなるまい」

「某は武官であるうえ、大護軍と共に
生涯歩む覚悟でおります故
対立したとて、武官の道を捨てるつもり
は、まったくございませぬ」

「その覚悟があるならよい…」

「・・嫁御とは良いものでございます
か?」

チュンソクは赤ら顔ではあるが
懸命に顔を引き締め真顔でヨンに問う

その真剣な眼差しに、ヨンは飲んでいた
茶を吹き出す

「すまぬ、お前があまり真顔ゆえ…
・・俺らは武官、どこで命を落としても
おかしくない…だが俺は生きて戻ろうと
躍起になる、あの方を守る為に
手脚の一つや二つなくとも構わん
敵わぬとふんだなら尻を巻いて逃げる
無論お前達を逃がしてからな」

「そのように変われる物ですか
嫁御とは…」

「ああ、そうなるお前も嫁を娶れば
分かる日がくる」

「よく考えてみます、早朝より
誠に申し訳なくではこれにて失礼
致します」


チュンソクは一礼し
エギョンに見送られ王宮へと出社して
行った



閨に戻ってみるが、ウンスは幸い
まだ夢の中、ヨンが抜け出したのも
知らずにいる
腕を静かに回し再び抱き締めていた

チュンソク…俺はこの方故
このように、生に執着するのやも
知れぬ、この方を一人残し俺は死ねぬ



「ウンス…湯浴を致さぬか?」

「ん?もう朝・・・なの・・・」

「エギョンに湯殿支度を頼んだゆえ
共に参らぬか? 江華島へ参るぞ」

「そうだ!!お墓参り行くんだった」

ウンスはガバッと起き上がると
何も纏わぬ形のいい胸が投げ出され
ぷるんと弾ける

思わず見とれ
生唾を飲み込みヨン・・

「そ、そんなガン見しないでくれる
は、恥ずかしいじゃない…」

「ウンス…一つ聞いても良いか
スケベとはどう言う意味があるのだ?」

「…昨日のヨン見たいな人を言うのよ」

「俺はスケベなのか?欲しい物は
幼き頃よりなかったが…今はウンスの
すべてが欲しくて堪らぬ
それがスケベとやらか・・」


ウンスは何度目か忘れる程組み敷かれ
たが、早朝より再び組み敷かれる
見上げる瞳は
炎を宿し熱く見つめられる

「駄目…今は無理・・江華島に
行かなきゃ…ね、夜に幾らでも
相手をするわ」

「真か!」

「…嘘は言わないわ、だから湯殿連れて
行ってちょうだい・・・きっと
歩けないから、ゆっくり浸かり揉み
解さないと、馬にも乗れないもの…」

「ならば…俺が・・・・」

「悪戯しない?」

「分かっておる、媽媽に会いに行かねば
ならぬ故…」

ウンスは立ち上がって見たものの
一人で歩く事は叶わず、ヨンに
横抱きにされると湯殿へと向かう

時間を掛けゆっくり揉み解して貰い
時々すっと忍び込むヨンの手を
ぴしゃりと叩き、キリッと睨むと
口を尖らせ…じゃれ合う二人・・


「ありがとうもう大丈夫よ…朝餉を
頂き発たないと
今日は野宿になっちゃうから」


「テマン、いつでも発てるな?」

「はい、すぐにでも」


「奥方様…これをお穿きになって下さい
ませ…以前奥方様がお話になっていた
ずぼんとやらを真似て、誂えてみました
馬に乗りチマで遠出は難しいかろうと」

「嘘?昨日 江華島に行きたいと
話したばかりなのに…もしかして
徹夜で縫ってくれたの?」

「はい…お気に召せば良いのですが」

「ちょっと待ってて着替えてくるから」

いつもなら、バタバタと走るのだが
今日ばかりは無理な様子で
ヨンの手を借り
のそりのそりと自分の部屋へと向かう


早速着替え居間に戻る

黒地に裾を絞っただけの簡素な品では
あるが、エギョンの気持ちが嬉しかった

「エギョン、ありがとう
とっても嬉しいわ…穿きやすいし
動きがとっても楽よ…ふふふ」

「ウンス参ろう…」

「はい」

エギョンとチョンスに見送られ
三人は 江華島に向け旅に出る


「ヨン?市井は抜けたし
少し駆けない…あの時も随分と時間が
かかった気がするの構わないかしら」

「ああ、身体は大事ないか?」

「ええ、大丈夫よ…ふふふ」

横に並ぶヨンが
心配そうにウンスの顔を覗き込むが
「行くわよ~」馬の脇腹を軽く蹴り
先に駆け出す

「ウンス!三歩離れては護れぬ
いつも言っておろう…まったく」

ヨンはそう叫びウンスの後を追う



「王様、一度その方とお会いする
事は、叶いますでしょうか
婚姻は、家と家を結ぶものと思うて
おりましたが、大護軍の姿を見て
おりますれば、当人同士の縁も
大切ではないかと…」

「護軍、そちも変わったのぅ~
ちょうどよい…パン殿と共に娘御が
余に拝謁したいと申しでておる
同席させて構わぬな」

「はっ!」

アンドチ内官に合図を送ると
一礼し、控えの間に向かう


「王様お連れ致しました」

「入って頂け」


「王様、此度はお目通りをお許し頂き
感謝の念に堪えませぬ…
こちらに控えしは
娘のサムでございます、これサム
ご挨拶申し上げなさい」

「はい父上、王様、この度はお目通り
叶いましたこと、誠にありがたく・・」

「堅苦しい挨拶は抜きじゃ」

王様はサムの言葉を遮り
お言葉を繋ぐ

「護軍は二人で合ってみたいと
申しておる、パン殿…どうじゃ早速
庭でも、散策させるのも良いのでは
ないか?」

「父上、私…散策行きとうございます」

サムはちらりとチュンソクに瞳を向け
真っ赤になり俯く
チュンソクもまたちらりと
サムを見遣ると、小柄ではあるが
目鼻立ちのはっきりとした
意思の強さを感じさせる、女人と直感で
感じとる

大護軍…某の縁はこの方やもしれませぬ


「どうした護軍…もしや、見とれて
いたな・・」

「お、王様…お戯れを…某は
見とれてなど・・・」

チュンソクは後頭部を掻きながら
ごもごも口籠る

「よい、大護軍といい護軍といい
王妃の懐妊といい…良き年に
なりそうじゃ、余は嬉しゅうてならぬ
そう思わぬか」

王様は本当に嬉しそうに
声をあげ笑われている

「護軍、早よう散策に参るがよい」

「されど、某が王様のおそばを離れる
訳には参りませぬ」

「固いの~ならば余も王妃と庭を
散策に参る、それならよいな
ドチ、いや余が迎えに参る
東屋くらいまでならどうもなかろう」


そう言うと笑みを浮かべ
「待っておれ」とパン親子に告げ
チュンソクを伴い坤成殿へと
向かうのである




これからのお話の中で
人名に違和感を感じることも
多々あると思いますが
今はスルーでお願いします
後程ネタバレいたします


新章が始まります
証…なんの証か?

どうぞこれからも宜しくお願い致します

でんべ

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