木春菊  [偕老同穴] 120 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています

深く己の深層心理に入り込む

深海が見えてくる

『ん?あの方がおる、何故?
今まで誰であろうと
運気調息の折りには寄せ付けなんだ
あの方は、俺の深層心理に入り込めると
言う事か、微笑み俺を手招きしておる
まったく…無茶をするお方だ』

『ヨン…お帰りなさい、怪我は?』

そう言って微笑む愛しい人を抱き抱え
俺はより一層深く深海へと身を委ねる

『叔母上が申していた偕老同穴とは
このことも意味していたのか』

ならば共に参ろう無の境地へ
微笑むこの方をきつく抱き締め
俺は額に唇をあてると、この方は
微笑み俺の頬にお返しの口づけを一つ
落として下された

それと同時に丹田に気が充満してくる
力がみなぎる、誰であろうと俺は
この方がおれば負けぬ
そうであろう…ウンス


ヨンの気が浮上し瞼が開き
結跏趺坐を解く

「待たせた!」

そう言ってヨンは辺りを見回す

「大護軍、アンジェ護軍が沿岸地域の
領主の牢に一先ず放り込む手筈を
整えに参ったようです
必ず間に合わせる故、先に発てとの
言伝てをいいつかっております
それと迂達赤、禁軍共に皆かすり傷
程度故案ずる事はございません」

「・・まったく彼奴らしい」

「はっ…幼き頃より大護軍の心根を
良く理解しておられるのでしょう
ちと妬けますが…んっ!失礼致しました
皆、良く聞け馬は何頭乗り換えでも
構わぬ!大護軍を必ずや婚儀に間に合わ
せる!俺らも参列する!
よいな迂達赤遅れを取るでないぞ」

チュンソクは少し声を詰まらせるが
話を変え迂達赤に激を飛ばす

「おお~」とトクマン始め 迂達赤が
声を張り上げ各々が騎乗し
ヨンの合図を待つ

ヨンはチュホンに跨がり
その鬣を優しく撫で『チュホン無理を
させてすまぬが、あの方が待っておる
頼めるか』そう胸の内で呟くと
チュホンが頭を上下に大きく振る

『そうか…ならば頼む』

ヨンは騎乗し、迂達赤を見回し
声を張り上げる

「出立!!」

チュホンに跨がるヨンを筆頭に
駆けると、迂達赤が負けじと後に続く




「王様、鳩が鳩が・・・」

「鳩がどうした、落ち着かぬかドチ」

「すみませぬ、戦地のスリバンから
鳩が飛んで来ました・・・これに
ございます」

「なんと!」

アンドチがその小さな包みを
王様に手渡す

そこには「高麗軍圧勝」と記されていた

「圧勝とな、真めでたい、王妃に伝え
チェ尚宮に、医仙殿にすぐに知らせて
やれと申しつけよ!案じておろう」

「はっでは失礼致します」

高麗軍圧勝の知らせは王宮内を駆け巡り
瞬時に歓喜の渦が広まる


「ウンス!!聞いたか?」

「はい…叔母様聞きました、圧勝と」

いつもは冷静に医仙と呼ぶ叔母も
此度ばかりは、ウンスと呼び
典医寺に駆け込んでくる

「今のあやつは負けぬ、ウンスが待って
おる故、そうであろう」

へなへなと倒れそうなウンスに手を貸し
椅子に座らせながら
叔母はそう力強く呟く

「それと、婚儀の衣が仕上がった
羽織ってみてはくれぬか?
侍医…ウンスの私室におる故構わぬか」

「はい、チェ尚宮様此度の圧勝誠に
おめでとうございます、どうぞ
着飾ってあげて下さいまし、大護軍が
目眩を覚える程に…」

「もう…イム侍医ったら冷やかさないで
下さいよ」

「その言葉、大護軍に伝えてくれぬか
私は何もしてはおらぬからな…
暫し借りるぞ」

そう言いながらも叔母の口元は緩んで
いた

「これじゃ…」

武閣氏が持つその風呂敷包みを
叔母は手解き、ウンスに羽織らせる

「真、似おうておる」

「そ、そうですか…なんだか恥ずかしい
です…こんな綺麗な花嫁衣装を、あ、
いえ、婚儀の衣を作って頂き
本当にありがとうございます」

ウンスは深々と叔母に向かい頭を下げる

「あやつの願いは私の願いでもあった
ウンスや此方こそ礼を申す
あやつに生きる意味を教えてくれたのは
ウンス、そなた故…私は会えば小言を
言っておった…見守るくらいしか
私はしてはおらぬ…」

「叔母様…」

「んっして、披露宴とやらは
どこまで呼ぶつもりでおる?」

「はい…えっとお世話になった方
皆さんをお招きしたいんですが
迂達赤の皆さん、典医寺のみんな
マンボ姐さんやスリバンの皆さん
あの人の幼なじみのアンジェさん?
兎に角、み~んなです」

「屋敷に入れるかのぉ~されど
ウンスの願いを叶えてやらねばな」

「でも叔母様派手に披露宴をする
つもりはないんです…チェ家の家訓に
背く事になるのは嫌ですから・・・」

「そのような事案ずることはない
チェ家の長の私が容認しておるのだ
天に召された、兄上も義姉上も許して
下さる」

「なら良いんですが…」

「酒もつまみもマンボが仕切る
それでよいな?それと王宮での婚儀には
迂達赤や典医寺は参列は出来ぬ故
正式には披露宴での御披露目となる
まぁ… 迂達赤は王様の護衛に付く故
参列するようなものだがな」

「色々お世話をお掛けします、叔母様」

ウンスはそう言うと笑みを携え
叔母に抱き付く

叔母も、もう慣れた様子で
天界式のハグをして返す

「あやつがおれば、すぐに離されて
おるの…あやつは女人でもウンスに
触れようものなら、悋気を起こすで
あろう」

「ふふふ…そうでした」

二人は悪戯な笑みを浮かべ微笑み合う




花嫁衣装の御披露目(解説?)は
当日に致します、お待ち下さいね

ポチっとして下されば嬉しいです





にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村