木春菊  [偕老同穴] 119 | シンイ二次小説でんべのブログ

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明け方崖の上にヨンとチュンソク
アンジェが揃い、倭船を睨む

「おおよそ四百と言ったところだな
チェ・ヨン焼き払うのだな」

「ああ、その通りだ!ちょうど朝靄に
包まれておる、倭寇の眼に焼き付けて
やろうではないか!この地に踏みいると
戦馬鹿がいると…」

「大護軍、既に忍び込んだ倭寇は
どうされるおつもりでおるのですか」

「刃向かう者は斬る!」

「はっ!弓隊前へ、トクマンよいな
刃向かう敵のみ斬り捨てよ」


朝靄を隠れ蓑に
弓隊が倭船に向け一斉に弓を放つ
無論火矢が弧を描き飛んで行く
あちこちの倭船から海に飛び込み
陸目掛け泳ぐ者、春とはいえ
海水の冷たさに凍え堪えきれず
沈んでいく者様々のようだ



「なんだ!どこから火矢が飛んで
おるのだ、くっそ!朝靄でこちらからは
何も見えぬ!」

「皆陸を目指すのだ、飛び込め!」


必死に海に飛び込み陸を目指すが
待ち構えているのは高麗軍
密貿易や略奪を繰り返す海賊集団が
敵う相手ではなかった
刃向かう者は斬り捨てられる

倭国出身者や元出身者が多数いる
ようだったが、中には高麗出身者もいる

「某は高麗大護軍チェ・ヨン
そちらの大将と話がしたい
無駄な殺生はしたくはないのだ!」

「・・・」

「大護軍、言葉が通じぬようですが」

陸に上がる 倭寇を待ち構えて
ヨンは声を張り上げるが
言葉が通じず押し黙る倭寇の面々

暫く睨み合いが続くが一人の
若者が一歩前に出る

「我々は海賊なんだ、国を奪い取ろう
など考えてはいない、見逃してくれ」

「・・海賊?国を奪う?
民の脅かす海賊など、この地には
無用の長物大将がおろう、連れて参れ」

「先に火矢を放つのは止めてくれ
荷がすべて海の底へ沈んでしまう」

「それは出来ぬ、諸国の民から
奪い取った物をお前らがおめおめと
持ち去る事は見過ごせぬ」


ヨンの言葉にじりじりと間合いを詰める
倭寇の海賊

「それならば、力づくで阻止するまでだ
みんな死ぬ気でかかれ!行くぞ」

若者の掛け声て一斉に
高麗軍目掛け突進する倭寇海賊

「あやつが大将か…よいかあの若者は
生きて捕らえよ」

ヨンがチュンソクに指示を出す

あちこちで合戦が始まる
きぃーんと刃同士がぶつかる音が
聞こえる、トクマンは槍を振り回し
刃向かう者を斬り捨てる
ヨンもチュホンから降りそれに加わる
だが、ヨンの敵ではなかった
あっと言う間に決着がつく


「お前が大将か、名をなんと申す」

「・・・名乗る程の者ではない」

ヨンは若者の頚に鬼剣をあて問うが
答えようとはしなかった

「ならば王様の裁きに従うとしよう
王宮に連れ帰る、もう戻る船は一艘も
ない…良く見ておくのだな」

ヨンは膝まずく若者を立たせ
崖の上まで同行させ
少し離れた所に漂っていた一艘を
丹田に気を集め雷功を放つ

「あ、あんた今何をしたんだ」

若者が驚くのも無理はない
噂には聞いていたが
初めて目の当たりにする内功使いの技を
眼を見開き身入っていた

眼下に広がる風景は
焼け落ちた船の残骸や今燃え始める
一艘もある

「よいか、骸は埋葬してやれ」

ヨンの一言で骸を一所に集め兵が
穴を掘り埋葬する

「生き残った者は王様の裁きに従う」

「チェ・ヨン、ここは禁軍が受け持つ
そちは婚儀が控えておろう先に戻れ」

「それは出来ぬ…アンジェ、お前の
申し出はありがたいが、総大将が
私用で、後始末もせず都へ駆け戻るなど
あってはならぬ故」

「硬い事を申すでない
必ず間に合わせる、お主の婚儀は
俺も参列したいでな…早よう行け」

「・・アンジェ・・ならば四半刻程
俺に時をくれ…運気調息をするゆえ」

「おお…わかった、迂達赤!こやつ
の回りを囲め!されどあまり近寄るな
邪念が混じればうまくいかぬからな」

「アンジェ殿もとより承知しております
お任せあれ」


ヨンは茂みに分け入りどかりと
腰を下ろすと、結跏趺坐を組み瞑想に
入る

その回りをテマン、チュンソク
トクマンが囲み、その回りを大きく
迂達赤が囲む


>>>>>>>>>>>>
皆様こんにちは
いつもお寄り下さり誠にありがとう
ございます

倭寇とは?
あちこち調べたつもりでおりますが
海賊で合っているのか( 前期倭寇)の
私なりの解釈ですが
違っていればすみません
私の読解力のなさです
皆様の広い心でお読み下されば幸いです


でんべ

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