木春菊  [偕老同穴] 117 | シンイ二次小説でんべのブログ

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翌朝…ウンスが目覚める前
叔母は使用人部屋へ顔を出していた

「東屋はどうなっておる?」

「ご覧になられますか…」

「ああ、頼む」


チョンスがまだ夜が明けぬ
庭に駆け出し、天幕の隅を少し開ける

「ほぅ~間に合いそうだな…」

「はい、棟梁が婚儀までには必ずと
新たに人を雇い精を出しております」

「この事はウンスは知らぬな?」

「はい、お知りになられません」

「エギョンと二人、あやつが戻るまで
確り頼むぞ、私は戻る故」

そう言うと叔母はまだ明けきらぬ
暗闇を音もさせず王宮に戻って行った


「んんっ・・・叔母様朝で・・・
居ない?もぅ~叔母様まで起こさずに
行っちゃうの・・あの人にそっくり!」

ウンスはまだ開ききらない瞼を
なんとか開け辺りをキョロキョロ探すが
叔母の影はどこにもなかった

一人ぶつぶつ小言を言うとムクッと
起き上がり出仕の支度を整える

「エギョン?もうお帰りになったの?」

「はい、奥方様…明け方前にお戻りに
なられました」

「そう、仕方がないわね
私も 朝餉を頂くわ…出仕しないと」






『ウンス…泣いてはおらぬか
一人にさせてすまぬ…
いっその事、職を退きすべてを捨て
誰も知らぬ地へ
否…ウンスともに天界へ・・・
行けぬ…な…俺には出来ぬ
されど貴女に悲しい顔はさせとうない
たった一日しか過ぎてはおらぬのに
あの笑顔が観たい、俺の名を呼ぶ
その声が聞きとうて…貴女の僅かな
重みをこの肩が恋しがる…はぁ~俺は
病なのか』

野営の夜が明ける頃
新兵が質素な 朝餉の支度に取りかかる

湯を沸かし、干し飯と焼き味噌を
人数分取り分けるが此度は大所帯
飯の支度だけでも幾分時が掛かり
がさこそと世話しなくヨンの回りを
動き回る

『まったく、ひとときもあの方を
思う刻を与えてはくれぬのか』


「大護軍、眉間に皺が・・
そのように睨まないで下さい
恐ろしくて、近寄れませんよ~」

新兵がトクマンに頼み 朝餉を運んで
貰っていた

「 朝餉を運べぬと泣きついて
来ました、笑って下さいよ」

「馬鹿者!これから戦と言うに
笑ってなどいられるか!」

より深く眉間に皺を刻み、低く
相手に威圧感を与える声を発しトクマン
をぎろりと睨む

「ひぇ~お許しを~」そう叫びながら
トクマンと新兵は 質素な朝餉と竹筒を
ヨンの手に握らせ一目散に逃げ出す

『馬鹿だな・・トクマン
近寄ればとばっちりを食うのに…
医仙様を思っているんだ
一人にして差し上げろ』

テマンは大樹の上から呆れ顔で
見下ろしていた

各々がかきこむように朝餉を済ます

「チェ・ヨン…腕がなるな…久しく
お前と戦に赴くこともなかったのでな
早よう済ませ、お前の婚儀に参列
せねばならぬ…王様との密命も
果たさねばな」

「ん?密命・・俺は聞いてはおらぬ
総大将の俺が知らぬ密命とはなんだ
アンジェ!」

「・・戦のことではないわ気にするな」

「アンジェ、お前といいチュンソクと
いい、何を俺に隠しておる
有り体に申せ!」

「戦のことではない…口が滑った許せ」

ヨンが立ち上がりアンジェに詰め寄ると
アンジェは後退りする

「ま、待て…落ち着け
王命ゆえ、例えお前とて話す訳には
参らぬのだ、堪えてくれ頼む」

「はぁ~まったく---王様のお戯れ
にも程がある」

ヨン深くため息を吐くと眼を瞑り
一気に息を吐き、気を鎮めた

「チュンソク!」

「はっこちらに」

「アンジェ、チュンソク此度の戦
必ず勝ち戦となろう…だが油断はするな
沿岸地域の見取り図は、俺の頭の中に
ある、でだ策は------この様に
分かったな」

三人は額を突き合わせヨンの策を
聞き入り頷き合う

「お前は総大将なんだ、後方部隊におれ
最前線は、俺とチュンソク護軍が
受け持つ」

「馬鹿を申すな、俺は信念は正面突破
いつでも最前線に立つ!」


ヨンはそう言うと片頬を上げ
二人を見据える

「夜が明ける、参るぞ」



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