木春菊  [偕老同穴] 99 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「トクマン!!」

ヨンは呆れ顔で扉を開けチュンソクと
共に姿を現せた

「大、大護軍、すみません!」

額に清潔な布を巻き付け、医療用寝台
に、腰掛け項垂れ返事を返していた

「あまり怒鳴らないであげて・・
元はと言えば、私がうっかり
ホワイトデー漏らした事が発端なんだし
トギと話していたから・・・
警護の人が聞いていたのよ、ごめんな
さい」

「貴女が謝る事ではない、トクマンが
新入りの願いを叶えてやれば、内輪喧嘩
などせずとも済んだ話故」

ウンスが腰をおり頭を下げヨンに謝る
と、ヨンはウンスの身体に手を添え
起こしてやりながら微笑み掛けた

「トクマン、新入りは禄もまだ僅か
人を、部下を思いやる心根も必要だと
俺は思う、己さえ良ければそれで
良いのか? 迂達赤は一枚岩ではない
のか、俺はそのように身も心も仕込んで
きた筈だが」

ヨンが静かに、だが重くトクマンに問う

「大護軍のおっしゃる通りだ、トクマン
一枚岩でなければ、互いの背を守り合う
事は出来ぬ、部下を思いやる心根は
古参なればこそ持ちあわせるべきぞ」

「すみません、大護軍、チュンソク護軍
俺、馬鹿でした!これからハヌルや
新入りを連れて飯でも食って来ます」

トクマンが顔を上げそう力強く呟く

ヨンはその眼差しを見つめ、頷くと
懐から禄の入った袋を取りだし
トクマンの膝の上にそっと置いた

「俺自分でやります!いつも大護軍を
頼りに出来ませんから」

「構わぬ、お前が出した事にすればよい
俺の名を出せば、新入りは気を使う
だろうからな」

「・・・はい!ではお言葉に甘えたいと
失礼します」

そう言ってトクマンはヨンとチュンソク
ウンスと侍医に一礼し、飛び出して行く

「おい!役目の終えてからにしろよ~」
チュンソクが、その後ろ姿に声を
張り上げていた

「大護軍、いつもお手数お掛けし
すみませぬ、某がやらねばならぬのに」

「気に病むな!俺の背を守ってくれる
のは、お前とテマン、トクマンとて
まだまだ自分を守るのに、精一杯の筈
これからも頼りにしておる」

ヨンがチュンソクの肩に手を置き
力を込めると「はっ!」と力強い返事を
チュンソクは返していた

「ウンス、トクマンの傷は大した事は
ないのだな?」

「えぇ、抜糸すれば大丈夫だわ
あ!濡らさないでって言うの忘れて
いたわ、チュンソクさん忘れずに
伝えてくれないかしら」

「はっ、然りと承りましてございます
医仙殿、では大護軍某はこれにて
失礼致します」

そう言うとチュンソクは一礼し
典医寺を後にする


「侍医、世話を掛けてすまぬ
これからも頼む」

「いえ、私は何もしてはおりませぬ
医仙殿のご指導が、有ればこそ
私の方こそ、医仙殿のお手を煩わせる
やも知れませぬが、大護軍何卒宜しく
お願い致します」

侍医は二人に向かい一礼をする



「ハヌル!」

「はい…」

「すまなかった許してくれ」

「トクマン先輩、俺の方こそすみません
でした・・先輩の立場も弁えず…
幼き頃より力だけは、あったもので
ついむきになり、突き飛ばして
しまいました、怪我の方はどうなんです
なんだか、額に巻いてる布が痛々しい…
本当にすみませんでした」

ハヌルは床にひれ伏し額を擦りつけ
頭を下げている

「よしてくれハヌル、さぁ立つんだ
役目が終わったら新入り皆で飯でも
行こう、声を掛けてくれ
こんなかすり傷どうもない!」

トクマンはそう呟くとハヌルに
白い歯を見せ微笑んでいた

『よし!決まった!俺、大護軍みたいに
かっこ良く見えてるよな…だけど
いくら、体格で劣るとは言え新入りに
負けたなんて大きな顔出来ないか…』

一瞬にしてトクマンの顔がどんより
負の雰囲気を醸し出し…「はぁ~」と
盛大にため息を吐いていた




役目が終わりヨンとウンスは屋敷に
戻り、夕餉を食べている頃
トクマンとチョモを始めとする
古参の迂達赤数名とハヌルと他の新入り
が、マンボの店に顔を出していた

「さあ、明日のお役目に支障が出ない
くらいにしておけよ!飲め食え綺麗
どころは居ないが、飯は高麗一番
上手いぞ」

「悪かったねぇ~婆さんてさ、でも上手
いもんなら任せな!飛びっ切りのクッパ
食わしてやるから待っときな!」

マンボ姐さんはちらりとトクマンを睨むと、厨房へと消えていった


「ところで、お前たちも医仙様に
ばれんたいんの返しをするのか?」

「はい!ですが、皆まだ禄も少なく
皆で持ちよりたいと考えていましたが
それでもまだ足りず…」

「俺たち古参も混じるから仲間に入れて
くれよ、 迂達赤からの心根を込める品
を差し上げような」

チョモがそう言葉を繋ぐと
ハヌルは嬉しいそうに頷き
軽く頭を下げていた



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