木春菊  [偕老同穴] 98 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「大護軍!すみませぬ・・」

トクマンと共に典医寺顔を出していた
チュンソクがヨンに向かい頭を垂れる

「怪我をしたそうだが」

「ヨン、話は後にして!治療が先よ
出て行ってくれる」

「・・・ああ、分かった、すまぬが
頼む」

ヨンはウンスに向かい呟くと
チュンソクに顎で外に出るように
合図を送る

チュンソクもそれに頷きと、ぼとぼと
ヨンの後を付いて行く

「チュンソク、トクマンは何故
あのように顔中血だらけなのだ?」

「はぁ~それが・・天界のほわいと
でーとやらに、誰が一番良いもの
差し上げるかと、新入りと内輪喧嘩を
致しまして・・・某が気が付き割って
入った折りには、既にあの様に
血だらけでして・・・」

「・・・情けない!新入りに遣られ
あの姿か?」

「・・めんぼくござらぬ・・
大護軍に合わす顔がありませぬ」


「お前が気落ちすることはない
だが、トクマンを打ちのめす新入りとは
誰なのだ?それと何故ほわいとでー
には、返しが必要と迂達赤は知って
おるのだ?」

「新入りはハヌルと言う奴ですが
まだまだ力任せで向かって行くこと
しか、頭にない新入りで
此度も、トクマンが医仙様は俺を
弟のように、可愛いがって下さる故
俺が一番お気に入りに違いないと
豪語しており、それに対してハヌルが
そんな筈はないと食って掛かり
内輪喧嘩になった模様のようです
ハヌルは皆で一つの物を返しを
しようと提案しておりましたが
トクマンの奴が、俺は別に返しをする
から、お前らはお前らで勝手にしろと
・・・」

「くだらぬ!まったく彼奴は何を
考えておる」

「はい・・・新入りにすれば
禄もまだ僅かしかなく、皆で一つの物
ならと提案したと思うのですが・・」

「そうであろうな、己も新入りの頃が
あった筈、下の者を気遣いしてやるのも
上の者の務め、回復した折りには
精神の鍛練も必要のようだな、して
ハヌルの怪我は?」

「かすり傷程度故、先に兵舎へ
戻しました」


「そうか、後で俺の部屋へ連れて参れ」

「はっ!」


そう言ってヨンは扉の向こうを
睨み付けていた




「派手にやったわね~トクマン君
喧嘩なの?」

「・・・・」

「まあいいわ、トクマン君、額の傷
縫った方が治りが早いから
イム侍医にお願いするわ、勿論私が
そばにいるから心配しないで」

「え?医仙様医術を施して下さい
俺を針と糸で縫うのですよね?頼みます
よ」

「あら、それは私が決めることよ
それに大した傷ではないわ、三針くらい
縫えば済む話なんだからさ、イム侍医
お願いします」

トクマンは、涙目で訴えるが
あっさりウンスに退けられガックリ肩を
落とす

「医仙殿、真に私がやっても宜しいので
?手が震えます」

「先ずは、トクマン君の顔についてる
血をきれいに拭くところから始めます
道具はこれを使ってくださいね」

すぐさま他の医員が煮沸消毒した
器具が運ばれてくる
ウンスは徳興君が、王宮に隠した
あの道具・・錆をきれいに落として
もらい医術を施すには支障はない
ヨンが天界語で、사랑해(サラン)と
刻んでくれた道具は一応ウンス専用
となっている

「部分麻酔は使えないの・・トクマン君
痛みに強いかしら?」

「俺とて王様をお守りする精鋭部隊
迂達赤の一員です!痛みなど堪えて
見せます!!」

「流石ね・・あの人とチュンソクさんが
鍛えあげただけあるわ・・ふふふ」

しかし、トクマンはそう言っては
見たものの、唇を一文字にきつく結び
眼もぐっと閉じる

「いきますよ、イム侍医よいですか」

「は、はい宜しくお頼み申します」


初めて侍医が天界の医術を試みる

震える侍医の指、額には玉のような汗が
じわりと滲みでる

「大丈夫よ、落ち着いて」

ウンスは侍医に向け、にっこり目尻を
下げ微笑み掛ける

歯を食い縛り「ぐぅ~」と唸り声を
あげるトクマン


「そう上手よ、イム侍医
はい、これでおしまい」

ウンスが最後の糸を切り
三針縫うイム侍医の医術は
終わりを告げた

「ふぅ~」と長い息を吐くと
イム侍医が瞳をきらきらとさせ
興奮気味にウンスを見つめていた

「医仙殿、真ありがとうございました
これからも精進して参ります
ご指導宜しくお願い申し上げます」

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