木春菊  [偕老同穴] 96 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「あのね?・・・私も赤ちゃんが欲し
い」

ウンスはもじもじと手を擦りながら
俯きポツリと呟く

「もうこんな歳だから・・・
でも婚儀前に赤ちゃん出来たら
白い目で見られるかしら・・」

「赤子とな?しかしウンス、この地で
赤子を生むとは、命懸けなのであろう
ウンスを危険にさらすなど、俺には
堪えられぬ」

「赤ちゃん嫌い?」

ウンスハは不安顔でヨンの顔を覗き込む

「いや、ウンスと俺の赤子は欲しいと
思うておる、叔母上とて口には出さぬが
チェ家の跡取りを望んでいる筈
だが、女人が赤子を生むとは
産婆に、俺しか知らぬところを晒すの
であろう?」

「あたり前じゃない、どうやって
赤ちゃん生むの、一人で息んで一人で
取り上げるの?無理よそんな事」

「されど・・・!叔母上に頼むか
いや、叔母上に晒すなど秘め事を親族
に覗かれているようなもの・・」

ヨンは唇を噛みしめ呟く

「ヨン、落ち着いてちょうだい
市中のお産婆さん頼むしかないと
思うのよ、叔母様には頼めない・・し
もし赤ちゃんが出来たら、マンボ姐さん
に相談して、腕のいいお産婆さん
紹介して貰うから安心して」

「俺では無理なのか?」

「はぃ?ヨンが・・・?恥ずかし過ぎる
わよ、無理、無理だから」

ウンスは顔の前で手を左右に振り
全力で拒否する

「協力は惜しむつもりは、毛頭ないが
いや、もしやもう既に赤子がおるやも
知れぬ、そうであろう」

「まぁ、そうよね出来てるかも知れない
わね・・」

「赤子がおると分かれば婚儀を
早めて貰うように、王様にお伺いを
たてる故、何も恥じる事などない」

「ふふふ、ありがとう」

ヨンが優しい眼差しを向けると
ウンスも心を落ち着かせ
そっと自身のお腹に手を起き
「早くいらっしゃい」と呟くと、その
手の上に、ヨンも手を重ねウンスの瞳を
覗き込み・・・「父も待っておるぞ」
と呟いていた

「やだ~ヨン!父もって気が早いわよ」

「されど、父は俺であろう?」

「ふふふ・・そうよね・・」

ウンスは優しさ顔でヨンを見つめて
いた


「また連れて来てね、ほら私、方向音痴
だから、一人じゃ来れないから」

「ああ、無論一人などと寂しい事を
申すでない、ん?」


突然ヨンは眉間に深い皺を刻み
ウンスを背に押しやる

「ん?どうしたのヨン・・・」

「テマンおるな!この方を頼む!」

どこからともなく現れたテマンが
頷きウンスの前に立つ


「へへっお二人さん身なりが
相当良いよな!身ぐるみ剥がされたく
なかったら先に置いて行けよ!」

このあたりに塒を持つごろつきが
にやけた顔をさせ、集まり出す

「おい、お前らこのお方を誰と思って
絡んでいるんだ!」

「知らねぇな~俺らは西京から
昨日着いただかりなんだよ」

「はぁ~大護軍様なんだよ!」

テマンは盛大にため息を吐くと
語尾を強め、声を張り上げ睨み付けた

「ひぇ~なんだと!大護軍と言ったか
いつも街道から、凱旋を拝んで
いたもんだよな」

「でも兄貴、この人数ではいくら大護軍
でもわしら勝てるかも知れませんぜ」

「そうだな、わしらは素手だ!
大護軍様は、刀を振るうような
卑怯な真似はする筈はないよな!」

「おおそうよ、わしらはごろつき相手に
そんな無体はするもんか・・」

ごろつきはさもあたりに前のように
顔を見合せ頷いていた

「良かろ」

ヨンは短く言葉を吐くと鬼剣を
テマンに預けにやりと片頬を上げ
ごろつきに向き合う

「貴方達この人強いのよ、百人相手でも
へっちゃらなんだから、逃げるなら
今よ、聞いてるの!」

「ウンス!余計なことはよい
大人しくして下され」

「え~だって頭くるわよ~」


土日は短めお察し下さいm(__)m
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