木春菊  [偕老同穴] 95 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「もう二月も終わりよね・・・
年明けあっと言う間ね、来月はホワイトデーなんだけど、誰にも意味も教えて
ないから、返しはないわよね・・」

「何の返しなのだ?」

「え?ヨン!・・びっくりするじゃない
脅かさないでよ~心臓に悪いわ・・」

ウンスは 薬草園でトギ共に居る
突然現れたヨンに自身の胸を押さえ呟く


「ホワイトデーの返しの話をしていたの
よ、誰にも返しを伝えてないから
貰えないなって・・・」

「ほわいとでーとはいつなのだ?」

ウンスはヨンとトギに話して聞かせる

「本命菓子は勿論俺の手巾なのだな?」

「あたり前じゃない、後は義理菓子
なんだけと、いつもお世話になってる
皆に感謝の気持ちを込めて渡したの
別に返しが欲しくて、あげたんじゃ
ないわよ、誤解しないでね」

「俺だけ三倍返しと言う訳だな?」

薬草園でヨンは胸を張り自慢気に呟く
ウンスとヨンのじゃれあいに、トギが
半ば呆れ顔でウンスの袖口を引っ張る

「ん?何、トギ・・ 昼餉を食べに
行けって邪魔だ!って?・・・
もぅ~トギまで何よ~」

ウンスは口を尖らせ、トギを睨む
真似をする

「ふっ、まったくトギも相変わらず
俺ら二人に呆れ顔で文句言えるのは
トギくらいなものだ・・ウンス
まだ少し寒いが、市井に行かぬか
見せたいものがある」

「昼もそこで食べるの?嬉しい・・
行く、行く!待ってて外套羽織って
来るから・・」

ウンスはそう言って駆け出す
ヨンは「はぁ~」とため息を付くと
ウンスの後を追う



厩舎に寄りチュホンに跨がり
市井を抜け小高い丘にやってくる


「わ~梅の花だ~それもこんなに
たくさん、この地でもあったんだ
ふふふ・・ここまで匂うわね」

ウンスは両手を広げ漂う甘い香りを
胸いっぱいに吸い込んでいる
小高い丘から眼下に広がる景色は
赤色や白色の梅の樹が配列よく並び
その脇道には幼子がかけっこしていた

「ここは俺のとっておきの場所
迂達赤隊長の頃、チュンソクにお役目を
丸投げし昼寝をしておった」

「そうなんだ、寝るのが趣味だったわね
でもチュンソクさんは今も昔も大変
なのね・・・ふふふ」

「さあ、ウンス腹を満たさねば
機嫌を悪うするでな、クックッ・・」

肩を並べて二人で見下ろしていたが
ヨンはそう呟くと、チュホンから荷を
下ろし、敷物をひく

「もぅ~酷いんだから、そんな笑い方
しなくても・・・私そんなに
食い意地張ってないわよ」

「それはどうであろうな・・」

ぶつぶつ文句を言いながら、ウンスは
敷物の上にふわりと腰を下ろす
ヨンも隣に腰を下ろし、市井で買い求め
た饅頭をウンスに渡す

「ふふふ、ありがとう、ヨンも食べて
はい、半分ずつよ」

「俺はいらぬ」

「駄目よ、食は生きてく上で一番大切
なんだからちゃんと食べてちょうだい」

そう呟くとウンスは饅頭を半分に割り
ヨンに渡す

「以前もそう言われたな・・」

「そんなこともあったわね、あの時から
ヨンの事が気になっていたわ、でもね
天界で初めて会った時、ヨンの瞳に
見入られていたような気がするの」

「そのようなこと、初めて聞いた
気がするが」

「そんな事、言える分けないわ
あの時、ヨンは必ず返すばっかりだった
から・・私言ったわよね?
残っても言いかなって・・」

「されど、あの時は彼奴の毒に・・
ウンスが・・・例え離れたとしても
生きておれば俺は生きて行けると
故に返すのが使命と思うておった」

二人は饅頭を片手にあの時の辛い思いを
語り合う

「あ~湿っぽい話はおしまい、折角の
景色が台無しよ!・・ふふふ」

「ウンス、話は変わるが欲しい物は
あるのか?」

「え?要らないわよ!返しなんて
私の気持ちなんだから、ね?」

「されど、何か返しをせねば俺の気が
すまぬ!」

「あ、なら欲しい者?が有るの」


短めですみませんm(__)m
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