木春菊  [偕老同穴] 86 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「王様、坤成殿へとお越し下さる様
ウ、医仙殿が申しております
侍医も同席しておりますれば何卒
お越し下さいますようお願い申し
あげます」

叔母はそう告げると恭しく頭を垂れる
王様は驚き椅子から立ち上がる

「何?侍医もおると申したな
病ではあるまいな!チェ尚宮!何か
聞いておるのではあるまいな」

「どうぞ、王妃様の御口から直に
お聞き下さいませ・・」

「何故そなたが言えぬ?えぇぇぃじれったい!大護軍参るぞ」

「はっ!」

王様を先頭にヨンが一歩下がり後に
続き、警護の迂達赤がその後に続く

王様は眉間に皺を寄せ困惑顔で
闊歩していた




「王様はどうされたのじゃ?」

「はい、ただいまこちらに向かわれて
おりますれば、すぐにお見えになられ
るかと」

「義姉様、妾は王様にばれんたいん
とやらの贈り物が出来たのじゃな」

「はい、王妃様最高の贈り物だと
思います・・」

叔母様が王様に報告している間
ウンスはバレンタインの説明をしていた

王妃様は希な体質らさく、月の物が
終わったばかりであったと叔母様から
聞いていた

「そう言う方も確かにいらっしゃいます
月の物が止まり、気付くのですが
安定期に入るまでは、安静に・・
でも寝台で寝てばかりでもいけません
温かくなれば、お庭を散歩なされて
下さい、綺麗な物を母体が、えっと
この場合は王妃様ですが・・
観たり、嗅いだりすると赤子にも
それが伝わります、とっても胎教には
良いことなんですよ、ふふふ」

「医仙、安定期にとやらはいつまで
なのじゃ」

「そうですね、五ヶ月くらいでしょうか
それまでは無理は禁物です、叔母様
宜しくお願いしますね
今年の暮れ頃には赤子が生まれると
思いますから」

「然と頼まれた!医仙も便りにして
おるからの」

「はい、必ずやお力になります!」

長椅子にゆったり腰を掛け座る王妃様の
脇にウンスと叔母様は控え
笑みを絶やさず話をしていると

「王様がお見えにございます」と武閣氏
から、声が掛かる

「王妃、どうされたのじゃ
何か悪い病ではあるまいな・・・」

王様が眉を下げ不安顔で呟く

「王様・・・」

「王妃、何故涙を流しておる
如何したのじゃ」

王様は長椅子に腰を下ろされ、王妃の
手をそっと握る

「医仙殿、余は不安でならぬ!
早よう教えてくれぬか」

ウンスと王妃は瞳を交わし頷き合う

「王様、この度は誠におめでとう
ございます・・王妃様に
あらせられましては、めでたくご懐妊
あそばされました・・」

ウンスが恭しく頭を垂れると
侍医も叔母様もそれに習い頭を垂れる

「・・・ま、真か・・」

「王様、某からもお祝い申し上げます」

ヨンも改めて恭しく頭を垂れる

「王様、赤子を授かる事が出来たのも
義姉様がお戻りになられ、いろいろ
妾に、天界の知恵を授けて下されたお陰
無事生を受けた暁には、義姉様に
褒美を・・」

「おお、そうであるな考えるとしよう」

「王妃様、私は褒美が欲しくて
言ってきたのではありません、ただ
義姉と呼んで下さる王妃様の為に
私に出来る事と言えば、天界で学んだ
知識をふるに生かし、お支えする事しか
出来ません・・でも本当に嬉しいです
王様、王妃様・・・クスンッ」

ウンスは、瞳から溢れる涙を何度も拭き
ながら、王様、王妃を見据え言葉に
表していた・・・

「はぁ・・王様、失礼つかまつります」

ヨンは王様に一礼し、ウンスの手を取り
部屋の隅に連れて行くと、ウンスをその
胸に囲う

「ウンス、泣くでない・・・」

そう呟き背中を擦り続けた

「うん、でも・・嬉し涙なんだから
いいでしょう、ん?」

そう言ってウンスは涙に濡れた瞳で
ヨンを見上げた

「ウンス、泣くのは俺の胸の中だけに
してくれぬか、人には見られとうない」

ヨンはウンスの瞳を見つめ
目元を緩めそう呟く

「うん、分かってる、約束は出来ない
けど、心掛けます」


皆が微笑ましくその光景を眺めていたが
チェ尚宮一人だけは、王様王妃様の
手前、蹴りあげることも出来ず
苦笑いを浮かべていた

「大護軍、此度は医仙殿のお陰じゃ
そしてこれからも負担を掛けるやも
知れぬが、宜しく頼む」

「はっ!」


「あの・・・大切な事が・・・」

ウンスはどう表現したらよいのか
分からず躊躇し、なかなか言葉に
出来ない・・

「如何した?医仙殿」

「・・触れ合う事はとても大事なんです
が・・・い、営みは安定期に入るまで
その・・・つ、慎まれた方がいいんで
すけど」

ウンスは真っ赤になり俯き
ぼそぼそと呟いていた

「これ、医仙!何を申しておる
失礼ではないか」

「でも、叔母様とても大切な事なんです
無理をすると、赤子に負担が掛かり
ますから・・」

叔母の小言は勿論理解していた
ウンスだが、あえて口答えをする
無事に生まれて欲しいが為であり
理解していて欲しいためであった

「相分かった、安定期とやまで
触れはせぬ故案ずる事はない」

「それでは駄目なんです、なるべく
添い寝をして差し上げて下さい
そしてぎゅっと抱き締めて差し上げて
下さい、そうすると王妃様も心が
落ち着かれますから、王様お願い
致します」

ウンスは漸く伝える事が出来てほっと
胸を撫で下ろす

「次はその方らであるな、吉報を
待っておるぞ」

「はい!」

「これ、ウンスいい加減にせぬか」

叔母の一喝にウンスは肩を竦め小さい
舌を覗かせている

皆の計らいで坤成殿にはお二人だけど
なった
王様はウンスに言われた通り王妃を
ぎゅっと抱き締め呟いていた

「ばれんたいんの贈り物然と受け取った
来る月三倍返しで、余は王妃に
返さなけれならぬな・・」

「まあ~それは楽しみに待っておりま
す」


王妃様は袖口で口元を隠しながら
母の笑みを浮かべ微笑まれた
王様もまたそんな王妃が愛しく思え
額に優しく唇を落としていた


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