木春菊  [偕老同穴] 84 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「いや・・」

「ウンスどうしたのだ?何がいやなの
だ」

ウンスはヨンの膝の上で顔を背けた

「キ、キムさんの娘さん・・」

「なんと!キムの母娘と・・
その方ら何用で姿を現した!」

「大護軍様ではありませぬか、何卒
父上をお許し下さいませ」

キム母娘はヨンに向かい恭しく
頭を垂れる

「・・我が屋敷で当主がおらぬのにも
関わらず訪ね、まして刃物沙汰をしで
かした罪は消えぬ、もう王様の命も
下されておる故、某にはどうにも
出来ぬ」

「そんな・・・なればどうか私らを
お屋敷に住まわせて下さいませんか
屋敷も召し上げられ、行くあてが
ございませぬ、せめてものお情けを
賜りたくお考え下さいませ」

「我が屋敷でそなたらを住まわす
謂れはござらぬ、この方を苦しめる
算段を画策するやも知れぬ故」

ヨンはキム母娘を睨み付けながら
膝の上に座るウンスをぎゅっと
抱き締める

「ヨン皆が見てるわ、恥ずかしい・・」

ウンスはもじもじと俯き小声で呟く
そんな姿が、ヨンにはいじらしく見え
優しい眼差しを向ける

「構わぬ!俺はウンスでなければ
生きては行けぬ、ウンスを苦しめる
つもりなら例え女人とて俺は許さぬ!」

「うん、ありがとう・・・
でも・・どうするのこの人達?」

「なんだい!先日の騒ぎの張本人なの
かい、困ったもんだね、でもさ
あんたらよくそんな勝手が事をさ
口に出来るってもんだよ!」

「そうだよ、貴族って肩書きが取れたら
生きていけないのかい!甘えてんじゃ
ないよ、あたしはこんなでも必死に
這いつくばって生きてんだよ」

白い人が応戦する

「働いたことなど一度もありませぬ」

「じゃ妓生でもなるかい、あんたらなら
雇ってくれるだろうよ」

「・・知らぬ殿方の・・それは・・
出来ませぬ」

「じゃその辺で寝泊まりしな!あたしは
知らないよ、面倒な娘だね!」

白い人は眉間に皺を寄せ腕を組みテンを
睨み付ける、だがそんな事はお構い無し
で、テンは顔を上げ頬を染めながら
ヨンを見つめ呟く

「・・大護軍様が訪ねて下さいますか
それならテンも・・」

「ふざけたこと言わないで!この人は
私を裏切る事は絶対しないわ」

ウンスはテンのそばまで歩みより
幾分語尾を強め話している

「大護軍様程のお方なら妾(めかけ)の
一人や二人そばに置いても不思議は
ございませぬ、テンもその一人になり
とうございます」

「バシッ」とウンスの右手がテンの左頬
をとらえていた・・

「ウンス!」

ヨンが驚き歩み寄り抱き締める

「あ、ごめんなさい
でもね、痛いでしょう?生きてる証拠よ
楽して生きて行けたらなんて甘い考え
捨てなさい!こんな戦の世でもみ~んな
一生懸命生きてんのよ、生きる為なら
人間何でも出来るわ、そんな考え
私はきらいよ!」

「・・されどテンも母上も働くすべを
知りなせぬ」

「里にお戻りなさい、親戚筋を頼り
そして使用人として働くのよ
身を粉にして勤めればいつかは必ず
報われるから・・・ね?」

ウンスはキム母娘に向け今度は
優しい眼差しを向ける
そしてヨン腕の中ごそごそと
ヨンの懐から禄の入った袋を取り出す

「ヨン・・ん?」

ウンスは禄の入った袋を指先し
小首を傾げる

「貴女って人は、どこまでお人好し
なんです、はあ~どうぞ気の済むよう
に・・・」

「ありがとう・・ふふふ
これ、旅費に使ってちょうだい
里がどこかは知らないけど
無一文じゃ旅は続けられないと
思うから・・」

ウンスはテンの手に袋をポンと置いた

「・・でも・・返す事は叶わぬやも
知れませぬが真に宜しいので?」

「ぐだぐだ言いっこなし!足しにして
ちょうだい」

「ありがとうございます、本当に
ありがとうございます」

そう言ってキム母娘は深々と頭を下げる

「娘と思っているウンスにそこまで
されたら、私も黙っちゃいれないね
クッパ食って行きな、お代はいらないよ
待ってなすぐに作るから」


そしてクッパを平らげキム母娘は
皆に深々と頭を下げ旅立ったのであった


「あんた気にいったよ!その男っ振り
あたしのここが持っていかれたよ」

白い人は自身の胸を叩きウンスを
見つめていた

「おい、ウンスに近づくな!
そんな眼でウンスを見るな、お前は
男ぞ、それを忘れてはならぬ!」

「ちょっとなんて事言うのよ
あたしは女人なんだから失礼しちゃう
わ」

そんな男二人?のやり取りを
ウンスは、けらっけらっと笑い眺めて
いたが・・

「あ!ヨン、これを渡さなきゃ」

ウンスは自身の懐から手巾を
取りだしヨンに恥ずかしそうに渡す

「バレンタインデの贈り物よ
もっと早く渡したかったんだけど・・」

ウンスは顔を伏せ真っ赤に染まる
ヨンは刺繍に気付き優しい眼差しを向け
ウンスに問う

「ウンス、これはなんなのだ」

「刺繍したんだけど下手だから・・
ごめんなさい、一応小菊なんだけど」

「故に指先にこの様に刺し傷がいくつも
有るのか?」

「気付いていたの?」

「あたりまえではないか
ウンスの事なら何でも一番に気付いてお
る」

「ちょっとそれ小菊なの?
どれだけ不器用なのよ、花弁なんて
ありゃしないじゃない、皆葉っぱに
見えるわよ」

「煩い!ウンスの手作りの贈り物故
俺は喜んで受けとる、おまえが文句を
言うな!」

ヨンは白い人を睨み付け、手巾を懐深く
しまうのであった



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