木春菊  [偕老同穴] 83 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「ウンス動けるか?
マンボのところに行かぬか」

「え?いいの?行きたい!もう日が
暮れたから、夕餉を皆で行こう」

「で、動けまい輿を用意致す故
待っていろ」

昨夜から閨に籠りもう翌日の日が暮れた

ヨンはウンスの着替えを手伝い、輿に
二人で乗り込む

「皆で行くの初めてよね、楽しみだわ
ずっと閨に籠ってヨンの、その・・・
欲には、応じたんだから少しだけ
お酒飲んでも良いかな?」

ウンスは恥ずかしそうにもじもじと呟く

「俺一人の欲と申すのか?ウンスも
喜んでおったではないか、ん?」

「し、声が大きいわよ、聞こえちゃう
から・・・」

狭い輿の中、ウンスはヨンの膝の上に
座り、真っ赤な顔で両手でヨンの口を
塞ぐ

御者はテマン、輿の両脇にチョンスと
エギョン、ヨンの声はしっかり届いて
いた、クスっと三人の笑い声が漏れる

『はい、聞こえておりますお二人が
幸せなら、私らはそれ以上何も望みませ
ん』とエギョンは胸の内で思い笑みを
浮かべ輿をちらりと見ていた


「マンボ姐さん~来たわよ!」

「おや、ウンスじゃないかい、今日は
どうしたのさ、お揃いで」

「家族皆でクッパを食べに来たのよ」

輿からヨンに横抱きにされウンスは
満面の笑みを浮かべ椅子に下ろされる

「ウンス・・・?ああそう言うことかい
ふ~ん、野暮は聞かないでおくよ
だけどさ、歩けない程?・・・」

マンボ姐さんがウンスを見ながら
顔が赤くなり言葉につまる・・

「待っときな、すぐに用意してやるか
ら、五人分だね!」

「うん、それとお酒を少々お願いね」


同じ卓を五人が囲み熱々のクッパが
運ばれてくる

「あんたらいい屋敷に奉公できたもんだ
よ、使用人と同じ卓を囲む主は、どこを
探しても見つかりゃしないさ」

「他所は知らないけど、チェ家は
私がそうしたいの、使用人だからと
無下には出来ないわ、一人が辛い時は
皆で支え、楽しい時は皆で笑いたいの
それが家族でしょう」

「奥方様、ありがとうございます
私らは果報者でございます」

エギョンとチョンスは、恭しく頭を垂れ
その瞳には涙が滲んでいるかに
ウンスには見えた

「やだ、エギョン泣かないでよ
あたりまえなんだから、ね?」

「泣いてなどおりません、目にごみが
入っただけでございます・・」

「そう?なら良いんだけど、でもこれ
だけは忘れないで、何かの縁で
知り合い、一つ屋根の下で暮らして
いるんだから、遠慮なんかしないで
欲しいの・・困り事は話してちょうだい
ね、お願いよ、テマン君もよ」

テマンはご馳走を前にお預けを
くらい、いまにも腹の虫が鳴きそうで
あった

「奥方様・・・その・・腹の虫が・・」

「ああ、そうねごめんなさい頂きましょ
う、ふふふ」


あれやこれやと他愛のない会話を
弾ませ、クッパを食べていたが
酔っぱらい三人マンボの店に顔を出した

「お~い、酒をくれ!ヒック」

「なんだい、こんな近くで大きな
声を出さなくたって、聞こえてるよ」

「お~悪いな地声が大きいんだよ
悪いな!ヒック、ほぅ~どこの奥方さん
だい、ここら辺ではお目にかかれない
別嬪さんだな~ヒック」

ヨンの眉間に深い皺が瞬時に刻まれる

「ヨン!およしよ、あんたの手に掛かれ
ば、この人達は死んでしまう!」

「ああ、分かっておる故摘まみ出して
くれ、酒が不味くなる」

「はいよ、さああんたらもさっさと
出て行ってくれ、店仕舞いさ」

テマンとチョンスがすぐさま手を貸し
酔っぱらい三人を店の外へと摘まみ出し
扉をバタンとと閉めるが、すぐにバタン
と扉が開き酔っぱらいが顔をだす

「なんだよ~何様のつもりだ!
酒が不味くなる?こっちが言いたいさ
ヒック」

「しつこいね、店仕舞いと言ってるだろ
う、さ、帰っておくれ」

マンボ姐さんが一人の男の背を押し
店の外の連れ出す

「手を貸すよ」

どこからともなく現れた白い人

「あんたら、この緒方は鬼神と言われる
大護軍様だよ、そしてその奥方さんだ
生きていたけりゃさっさとお帰り!」

「大、大護軍?様?と言ったか」

「ああ、顔は知らなくても名くらいは
一度は耳にしてるだろうさ」

「お、お騒がせしました、俺達静かに
帰らさせて貰います・・・」

酔っぱらいはすごすごと後退りしながら
駆け出して行った

「すまないね、寝てたんだろう」

「いいよ、それより久しぶりじゃなの
あたしさ開京を暫く離れていたからさ」

そう呟きながら
酔っぱらいと相手とは対照的な
笑顔を顔に張り付けヨンの肩に
しなだれ掛かる

「??・・・」

「寄るな!ウンスは初めてであったか?
こやつもスリバンの仲間、シウルやシホ
と同じ・・・中身は男なんだが」

小首を傾げ聞いていたウンスだが
すぐに理解する

「ああ、私の里にもたくさんいる
のよ、私、ユ・ウンスって言います
よろしく」

「きぃ~ヨンあたしの方がいい女じゃ
あないのよ」

「あら、困ったわね、ヨンがお気に入り
なの?だめよ、ヨンはだめ絶対渡さな
い」

ウンスはそう言うと椅子から立ち上がり
隣に座るヨンの膝の上にちょこんと座る

「きぃ~~目眩がするわ、なんなの?
あたしに喧嘩売ってるつもりなの!」


「あの~すみませぬ、何か食べ物を
恵んで貰えませぬか」

ウンスと白い人が睨み合いをしていると
キム母娘がマンボの店に姿を見せたの
である


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