木春菊  [偕老同穴] 85 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「王様、一日遅れましたが
天界の催し物の一つに、ばれんたいん
と・・・・・・」

暇を賜った翌日ウンスはヨンを説き伏せ
宣仁殿に二人で顔を出していた
ヨンの目の前で甘菓子を渡すとの
条件でヨンが渋々承諾したのである

そして当日は渡せずと王様にお詫びをし
バレンタインデの説明をしていた

「なんと!女人から申し出を許される
日が天界には有るのだな・・
王妃はまだ知らぬな・・・医仙殿是非
とも、王妃に教えて貰えぬか
来る年の昨日を楽しみにしたいのじゃ」

「はい、こっそり教えて差し上げます
来年になりますが、あ!でも一月後に
三倍でお返ししませんと・・ふふふ」

「相わかった、三倍返しなのだな
王妃は、何を喜んで貰えるかのぉ今から
考えねばなるまい」

そんな王様とウンスの会話をヨンは
我関せずと決め込み頬を微かに
膨らませ 宣仁殿の出入り口を睨み付け
ている

「大護軍、怖い顔をしておるが
怪しい気配でも有るのか?」

「いえ、そのような事はございませぬ」

「ふふふ・・王様拗ね・・うっっ」

ウンスはヨンに口を塞がれ言葉が詰っ
てしまう

「ゴッホン、医仙!坤成殿に行かねば
ならぬ筈早よう行かれよ」

「はい!余計な事はしゃべるなって
事よね?分かりました、ふふふ
王様では失礼します」

ウンスはヨン向け片目を瞑りウインク
をし、王様に一礼すると退室する

「大護軍、今のはなんなのだ?
医仙殿は片目を瞑っていたが・・」

「王様お知りにならずとも・・・
ゴッホン・・」

ヨンは目元緩め王様を見つめず
ウンスが去った出入り口を再び見つめる
耳だけが異様に赤いのを
王様は不思議そうに見つめていた


『ふふふ、ヨンに叱られるかしら』

武閣氏のヘジンがにやけるウンスに
問うて見る

「医仙様、どうかされましたか?
お顔が崩れていますが・・・」

「何?そんなににやけてる?ちょっと
あの人に悪戯を仕掛けてきたのよ」

ウンスは自分の両頬をパチンと
叩き気を引き締めた

「ふふふ、もう大丈夫ね、さっ行きましょう」


坤成殿の前にたどり着き武閣氏が声を
掛けると、叔母が顔を出す

「診脈に参りました」

「そうか宜しく頼む」

叔母は一応の言葉使いはするが
目元を緩め優しい眼差しを向けている

「義姉様・・・」

「王妃様昨日は暇を頂戴したので
診脈に来れずすみません」

ウンスは王妃に向け恭しく頭を垂れ
にこりと笑みを浮かべる

「お座り下され」

椅子に腰掛けウンスは甘菓子を
卓の上にそっと置いた

「あの人に聞きました、王様、王妃様が
口にするものは、専任が居るってことも
でも、どうしても渡したくて王様にも
渡してきました、いつもお世話に
なっていますから感謝の印です」

そしてウンスは王妃様にバレンタインデ
の行事を話して聞かせた

「よいな、チェ尚宮義姉様の気持ち故
妾は頂く、小言はなしじゃ」

「されど、王妃様・・それでは
示しが付きませぬ」

「小言はなしじゃと言っておろう
お茶の用意を致せ」

ウンスはいつもの王妃さまとは
違う物言いに違和感を感じる

「王妃様先に診脈させて下さい」

ウンスは脈に触れ瞳を閉じる

「・・・!叔母様すぐに侍医を呼んで
下さい!間違いないとは思いますが」

「どうした?ウンス、何か悪い病でも」

「違います!それより早く」

ウンスの迫力に叔母は押され武閣氏
に伝言をする



「医仙殿どうされたのでしょう」

侍医が額に汗を滲ませ、はぁはぁと
荒い息を吐きながら駆け込んでくる

「イム侍医とっても大事な診脈を
してもらいたいの、だから落ち着いて
深呼吸してちょうだい
叔母様お茶を頂けますか?」

「ああ」と叔母は新しいお茶を入れ
お茶をウンスに差し出した

お茶を一気に飲み干し、ふぅ~と
息を吐く

「すみませぬ、落ち着きました
で、医仙殿?」

「 滑脈が・・間違いないと思うんだけ
ど、自信があまりないのよ」

「やはり!滑脈が出ておりましたか
然らば王妃様失礼します」

侍医は、王妃の手首に白い薄い布を
ふわりと覆い、瞳を瞑り脈に触れる
僅かな刻が流れる
ウンスはじりじりと待った

「医仙殿!滑脈に間違いござらぬ」

「そう、間違いないのよね?改めて
王妃様、ご懐妊でございます
誠におめでとうございます」

ウンスは恭しく頭を垂れ祝辞を述べる

「義姉様・・・真なのか?
妾に赤子が出来たのか・・・」

王妃様は瞳に涙をためウンスを見つめ
一歩一歩とウンスに歩み寄る
ウンスもまた歩みよりそっと
王妃様を抱き締める

「叔母様、王様にお知らせしない
と・・・クスン・・」

「ああ、そうだな・・・」

叔母も背を向け涙を拭き静かに
部屋を出て行く

「王妃様、ご懐妊おめでとうございます
これで王妃様の気鬱も消えましょう」

「侍医・・世話を掛けたのぉ」

「侍医も気付いていたの?
私もいつもの王妃様らしからぬ物言いで
もしかしたらと思ったの」

「はい、昨日医仙殿が暇を賜った故
でも診脈はしておらぬのですが
幾分感情の起伏が激しいかと思って
おりました故」

「そうでしたか・・王妃様先ずは
お座り下さい、お身体に障るといけない
ですから・・」

ウンスは手を添え王妃様を長椅子に
腰掛けさせる




宣仁殿前に着いた叔母は息を吐くと
王様向かい声を掛けていた


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