木春菊  [里程] 9 | シンイ二次小説でんべのブログ

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連れ去られた娘らを必ず連れ戻すと
親御に約束し、一行は開京に向け
再び馬の歩を進める



明日は開京に着くと言う所まで
漸くたどり着いていた

「イムジャ、明日には王宮に
着きましょう、今日は宿で休みますか?」

「ヨンも一緒に泊まれるの?」

ヨンは静かに首を左右に振る

「そう、なら私も野営するわ」

「すまぬ、牢車がなければチュンソクに
丸投げも可能だが、今はそうはいくまい」

「そうよ、統率者なんだから
王宮に着くまでは
ヨンが目を光らせていないと・・
そっか、明日は王宮に着くのね
嬉しいわ、みんなに早く会いたい」

ウンスは馬上より王宮の方角を
じっと見つめていた



「さあイムジャ飛び降りて」

いつものように馬の手綱を離し
両手を広げ馬の横で待つ
ヨン目掛けて飛び降りる

「ありがとう・・・ふふふ
今日はここが野営地なのね
あれ・・テマン君いないわね
いつも馬を繋いでくれるのに」

ウンスはきょろきょろと
辺りをみまわしながら呟いている

「王宮に向け使いに走らせました
明日には着くゆえ」

「大護軍、馬を繋ぎます」

と、トクマンがにこにこ笑顔で近寄り
ウンスの笑顔に
ついうっとり見惚れていると素早く
ヨンの拳が飛んできた

「トクマン!いい加減に致せ、ウンスは
俺の許嫁、見つめるなんぞ許さぬ
今度そのような目を向ける事あらば
例え迂達赤とて許さぬ、斬り捨てる」

「もう~ヨンそんな事言わないの
大切な貴方の仲間なんだから
笑顔くらい減るもんじゃないんだし」

ヨンは眉間に皺を刻みトクマンを
睨むが、ウンスは割って入った

「そうです、大護軍見ただけです
医仙様のように美しい女人を
 娶りたいと見ていただけです
邪な想いなど持ち合わせておりませぬ」

「あたりまえだ!そんな想いなど
持ってみろ許さぬぞ」

バシッと再びトクマンの
頭目掛けて、拳が炸裂する
それをチュンソクが眺めていた
戻って来たトクマンに思わず釘を刺す

「トクマン、お前はどうしていつも
間が悪いのだ、大護軍が医仙様と
見つめ合っておいでの折りは
邪魔をしてはならぬ
テマンの方が気が利くぞ」

トクマンは頭を押さえながら
項垂れ聞いていた

ヨンが天幕を慣れた手つき張り
その傍らでウンスは、ぼ~と
胸の内で思っていた

『開京に着いたら、どこに住むのかな
屋敷かしら、一緒にいれるの
ヨンのそばに他の人がいるなんて
私には堪えられない、ましてヨンを
分かち合うなんて無理・・・
一年も一人で過ごしてきたの
もう一人はいや・・・』

「イムジャ、如何した?」

「ううん、なんでもないわ
ぼ~としていただけよ」

ヨンはウンスの気が沈んでいくのを
感じ、声を掛けるが・・・答えはない
ウンスの手を取り、皆と離れ
草むらの中に分け入った

「イムジャ、何でも話合うと約束し
たではないか、何かあるなら
話してくれぬか、ん?」

「・・あのね・・私は貴方に嫁げるの?
この時代、側室や妾なんてあたりまえの
時代でしょう・・・貴方が他の人と
その・・その・・」

暗闇でもウンスの顔が 
赤く染まるのがヨンには見える

「ん?・・」

「ね、閨に籠るなんて、堪えられない」

ウンスは真っ赤になりながら
思いの丈を口にし俯いた

「なんと申した?そのような事あり得ぬ
先日の事を気にされたか、イムジャ
俺には貴女だけだ、王宮に戻れば
正妻の座を狙い画策してくる者も
現れるやも知れぬが、認めぬと申すなら
俺は職を辞す覚悟、故に俺を信じて
そばに居てくれぬか?」

ヨンは暗闇でもウンスの瞳を
確り見つめながら呟いた

「でもこの頃じゃ、おやすみの口づけも
してくれないじゃない」

「はあ・・・ウンス、貴女に触れたら
俺は自分を抑える自身がない
毎夜天幕で眠るウンスの気配を
身近で感じ俺は・・俺は・・」

ヨンは俯き、唇を噛み締める

「ごめんなさい、ヨンの気持ちも
理解しないで、私の我がままだわ」

「ウンス・・・」

ヨンはそう呟くとウンスをぎゅっと
抱き締め額に唇を落とした

「開京に戻り、その夜から俺の屋敷で
共に暮らすゆえその折りには、よいな
身も俺の許嫁になってくれるな?」

ウンスは黙って頷いた

「ウンス、湯浴に参ろう」


手を絡め宿へと向かう二人

「寒くはないか」

「ヨンが一緒だから寒くない」

これから先、何が起ころと寄り添って
乗り越えて行くと改めて心に誓う二人
その回りには
まるで春の様に暖かい風が吹いていた




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皆様こんにちは

いつもお寄り下さり
誠にありがとうございます

また福島で地震がありましたね
津波警報も発令され、驚くばかりです
つい先日東北地方のお祭りを特集した
テレビ番組を見たばかりでした

我が国は地震大国です
皆様どうぞ日頃より
注意をなさって下さいませ
保存食の点検も怠らないで下さいませ
皆様の安泰を祈っております


でんべ




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