木春菊10 | シンイ二次小説でんべのブログ

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何事もあれから、四日が過ぎ
ウンスが戻り六日目の昼になっていた

「大護軍、早馬が戻って来ました」

執務室の扉の向こうでテマンが
声を張り上げた

「わかった、いま行く、イムジャすぐに
戻ります」

こくんと頷くウンス


「大・・大護軍、王様からの書簡で・・

言い終わらぬうちに
バタンと伝令が倒れる

「ご苦労であった、十分休ませてやれ」

どたどたと仲間の兵が肩を貸し
伝令を運んで行った

チュンソクを従え執務室に戻ると
じっと書簡に目を通す

「大護軍、王様はなんと仰せに」

「我々の代わりにこの地を収める軍を
王様が遣わして下さった
一緒に戻るぞ、チュンソク」

そう言うとチェ・ヨン立ち上がり
チュンソクの肩に手を置き力を込める

『よし』とチュンソクは
秘かに呟ていた

「早馬と同時にこちらに向かっておる
ようだ、後数日で到着するであろう」

「帰還する者を決めたいと思いますが」

「迂達赤は全員連れて戻る
もともと王様の近衛隊、誰一人とて
残していけぬ」

「はっ!」

チュンソクは胸を張り答える

「イムジャ 聞いた通りです、馬で
駆け船で河を越え、野営もせねばならぬ
十数名の隊ゆえさほど時も掛からぬやも
知れぬが、構わぬか?」

チェ・ヨンはウンスを優しく見つめる

「野営って前にもやったわよね?
大変そうだけど、皆と一緒なら
全然大丈夫よ」

とは言うもののウンスの知らない
所で、チェ・ヨンはトクマンを
牢車を引かせ先に発たせる段取りを
付けていた


「良いか!迂達赤は全員大護軍と共に
都へ戻る、トクマンちょっと来い」

チュンソクは大護軍の命令を
トクマンに伝える

「はっ!、明日早朝発ちます、」


「行くぞ」

トクマンは翌朝日の出と共に
密かに兵舎を出立する

「気を引き締めて掛かれ
決して逃げられる事があってならない
だが、命は無駄にするなよ
その時には逃げろ、よいか」と
トクマンは、激を飛ばす

頷く仲間たち

「お前、わしの配下に付かぬか
大護軍がいる限り、高麗では目が出ぬ
であろう、わしが大護軍になれば
取り立ててやる、どうだ?」

イ・ジュンホは牢車の中から
必死の形相を見せ
トクマンに話し掛けている

「俺が従うのは、王様と大護軍と隊長の
三人のみお前なんぞに従うものか
煩い奴だ、猿轡を噛ませろ!」


兵舎をトクマン含め四人で出立し
半刻が過ようとした頃、動きがあった
黒装束に身を包み
道を塞ぐ集団が現れた

「なに!なんの用だ!」

トクマンは声を張り上げる

「命が惜しくば黙って
牢車をこちらに渡して貰おう」

『んんっ』と牢車の中からうめき声が
聞こえる

どさりとトクマンが馬から降りる
手には槍を構えている

どどどっと一斉に黒装束の集団に
取り囲まれる
トクマンいか三人は牢車を囲み敵と
睨み合う

「お前達逃げろ命を無駄にするな!」

トクマンがそう叫ぶと
仲間の兵が馬に飛び乗り
兵舎へと引き返して行った



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