木春菊8 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています

「あと欲しいものはありませぬか」

「え~と、その・・お腹空きました・・・」

ウンスは恥ずかしそうに首を竦め呟いた

「そんな刻限になりましたか
気づいてやれずすみませぬ」

秋の日差しが柔らかく市井を照らしている
昼下がりをチェ・ヨンは、ウンスの
腕をとり饅頭屋の店先に着いた

「食べてくだされ」

優しくウンスの手に持たせた

「ありがと・・おいしい
貴方も食べて、はい半分ずつしましょう」

ウンスは饅頭を半分に割り
チェ・ヨンに小さい方を渡す
吹き出しそうになるのをなんとか堪える
と、不穏な気配をチェ・ヨンは感じる

「ん?、イムジャ今と言ったら
屈んでくだされ・・今・・」

その瞬間ウンスは卓の下に潜った
チェ・ヨンは店先の椅子を
持ち上げ刺客の頭に振り下ろす
ぐう・・と唸り声をあげ
後頭部を押さえながら踞る刺客

「その女人を頂いていきます
いくら大護軍でも、六人を一人で相手
出来ますか」

ミンソクは得意げな顔で
チェ・ヨンを睨む

「いや、五人だ、それに一人ではないが
お前らのような雑魚は
俺一人で十分だがな!」

チェ・ヨンは口の端を上げると
ミンソクに詰め寄る

「ミンソク、キ・チョルはもうおらぬ
今は誰の手下か
じっくり聞かせてもらう!」

チェ・ヨンが声を張り上げると
テマンが知らせに走った
チュンソクを筆頭にウダルチ始め
市井に紛れ込んでいた駐屯兵が
刺客の回りを囲んだ

「捉えろ!!」

チェ・ヨンの怒号に
一斉にウダルチが動く
テマン一人がウンスの元に急いぐ

「医仙様大丈夫ですか、お怪我は?」

「ありがとう、テマン君大丈夫よ」

「ああ・・びっくりしたわ」

「イムジャ怪我はありませぬか」

チェ・ヨンは刺客の捕縛をチュンソクに
任せ、ウンスの元へ戻って来る

「大丈夫よ、貴方は?」

「怪我一つありませぬ」

「うまくいったようね、私達が動く事で
絶対つけて来ると思ってたわ、貴方が
絶対守ってくれると信じてたし、全然
怖くなかったわよ」

そういい強がるウンスの手は震えている

「役に立てたかしら・・
おとなしくしてたわよ」

「はあ・・イムジャ貴方の手を借りるなど
あってならぬ事
俺を信じてくださらぬのですか」

「信じてるわよ、誰よりも信じてる」


「いや、絶対一緒に行く
生きるも死ぬも一緒よ、貴方が
一人危ない目に遭うかもなんて
納得出来ないわ」
「仲間もおります一人ではありませぬ」
頑として譲らないウンスに、チェ・ヨン
は、万全の策を講じ回りには
民に紛れ込ませた駐屯兵を配置し、
チュンソクには、兵舎から護軍の目に
付くように大袈裟に
捕縛に出向くよう指示を出していた

昨夜の出来事であった


「・・・とにかく兵舎に戻ります」
チェ・ヨンはウンスの手をひき
兵舎への道のりを戻って行く

「大護軍、ミンソクらは牢にいれました」

チュンソクは
執務室のチェヨンに報告していた

「相わかった、ご苦労調べは俺がする」
チュンソクは頷くと部屋を出て行った

「イムジャ、聞いた通りです
おとなしくしていてくだされ」

「私も行く・・」
「ならぬ、此度ばかりはならぬ」

そう語尾を強めるチェ・ヨンだが
優しくウンスを抱きしめながら話し出す

「死ぬも生きるも一緒と、イムジャが
話してくれた事、俺とて同じ思い
しかし、俺はイムジャをおとりに使うなど
あり得ぬ、もう少し俺を信じて下され」

そう言うと
チェ・ヨン苦しそうに顔を歪めた

「ごめんなさい・・貴方を苦しめる
つもりなどなかったの・・ただ重荷に
成りたくなかった、私が戻った事で
貴方が余計な悩みや苦しみを増やして
欲しくなかったの」

俯くウンスの瞳に涙が滲む

「イムジャ泣かないで」

そう呟くとチェ・ヨンは
ウンスを抱きしめ額に唇を落とした

「おとなしく待っていて下され」

頷くウンス

「テマン、頼む」

そう言い残しチェ・ヨンは
部屋を出て行く


「ミンソク、お前の雇い主は
護軍イ・ジュンホだな!」

「・・・・・」

どたどたと足音をさせながら
護軍イ・ジュンホが牢の石段を
駆け降りて来た

「大護軍、市井で捕縛した者がおると
耳にしましたが、どのような咎で
召し捕って参ったのです
ならず者だったのではありませぬか」

チェ・ヨンは片頬を上げ
護軍イ・ジュンホと向き合う


にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村