木春菊6 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「あの兵よ、あの時飛び虫の毒を
解毒した時私を拐った人
ウダルチ姿だったから、騙されたんだわ」

チェ・ヨンはチュンソクに目配せをする

「イムジャ、部屋へ戻ります」

執務室に戻るとチェ・ヨンはどかりと椅子に
座り、チュンソクが頭を下げ脇に立つ

「彼奴の名は?」

「一年前からおります、名はミンソク
しかし、一年も潜んでいたとは」

チュンソクは己を責めた

「大護軍、俺の目が曇っておりました
この責任はミンソクを締め上げ
黒幕を吐かせます」

「よい、暫く泳がせろ、黒幕は九分九厘
あやつ、一年も前にいたのなら
狙いは玉座か」

「医仙様が見つけて下されなければ
この先も気付かなかったやも知れませぬ
医仙様、助かりました」

チュンソクはウンスに向かい深々と
頭をさげた

「止めて、チュンソクさん頭を上げて
スパイだったのね、顔を知られてなければ
探りをいれたんだけど・・」

「イムジャまた映画とやらの話ですか
許しませぬ、もう許嫁ゆえ危ない橋は
渡らせぬ、おわかりか・・」

そう言うと、チェ・ヨン眉間に
深い皺を刻み
寝台の脇に腰かけるウンスを横目で睨む

「はい・・」

ウンスはぺろりと舌を出し首を竦める

「大護軍、どうか医仙様をお叱りにならず
誉めて差し上げて下さい」

「なにゆえ・・それは後だ、
チュンソク長卓をこの部屋に運ばせろ
軍議はここでする
それとミンソクには見張りをつけろ」

「はっ!」

頭を下げチュンソクは部屋を出て行く

「イムジャ軍議をここでします
暫く大人しくしてくだされ、終わり次第
共に湯浴に参ろう」

こくんと頷くウンス

長卓が運ばれ
軍の上官とおぼしき人が十名入って来る

「では軍議の続きを、ん?
大護軍こちらの方は・・お美しいお方だ
待ち人はこの方でしたか」

上官はウンスに見惚れしみじみ呟く


「余計な事を申すでない」

チェ・ヨンは一喝すると
軍議は再開する、一刻程軍議が続き
ウンスは大人しく待っていた


「イムジャ湯浴に参ろう、衣はこれを」

そう言うとチェ・ヨンは真新しい衣を手渡す

「 夕餉も宿で、手配してあります」


夕闇に紛れ宿に到着すると
主にお代を渡し湯に案内してもらう

「イムジャ俺は
ここで護衛をしております
ゆっくり浸かって下され」

「うん、ありがとう」

ウンスは微笑むと湯殿に入って行った

「ああ・・生き返るわ、やっぱり
疲れをとるには湯に浸かるに限るわ」

チェ・ヨンはウンスの独り言に
片頬を上げ、湯殿の回りを見回る

ウンスは濡れ髪をくるっと丸め
頬はほんのり赤みをおび、チェ・ヨンの
喉仏がごくりと動く

「貴方も入って頂戴、私待ってるから」

「いや、俺はよい兵舎ので十分」

「駄目よ、疲れがとれないわ」

一度言い出したら退かないウンスの性格を
チェ・ヨンは承知している

「はあ・・分かりました、
ここから動かず、いいですか」

チェ・ヨンは湯殿に消え、ウンスが
欠伸を一つ噛み殺すあいだに出てきた

「ちょっと、早すぎない」

ウンスはあまりの早さに瞳をみ開き
口をぱくぱくさせていた

「髪を乾かさないと風邪をひくわ」

「俺は風邪などひかぬ」

手拭いで乱暴に頭を拭きながら呟く

「夕餉の支度をしているゆえ参ろう」

共に 夕餉を済ませ
手を絡め兵舎に戻る二人
それをミンソクが物陰に潜み覗いていた




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