木春菊4 | シンイ二次小説でんべのブログ

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ウンスが戻りその日の夕刻
他の兵とは刻限をずらし、チェ・ヨンとウンス
チュンソク、トクマン、テマンの五人で
夕餉を済ませせた

チェ・ヨンの執務室に戻り
寝台の脇に並んで腰をおろす

「イムジャ、寝衣は俺のを・・」

ウンスは何かを思い出したように
素っ頓狂な声をあげる

「ああ~どうしよう、昼寄った飯屋に
荷物を忘れてきた、下衣も入ってたのよ
見られたら・・恥ずかしい」

「なんと!イムジャの下衣が入っていると
よからぬ輩に見られでも
したら始末に負えん、テマンはおるか?」

テマンが扉から顔を出した
チェ・ヨンはテマンに耳打ちし
テマンは頷くと走り去った

チェ・ヨンはウンスの元に戻り
寝台に再び腰掛ける

「あれば良いのだが・・」

「ごめんなさい、あの木の所に
貴方が居ると耳にしたから、飛び出して
しまって」

「大事なものを忘れる程
俺の事が恋しかったと・・ん?」

「な、何を突然言うの、は、恥ずかしい
じゃない」

ウンスはほんのり顔を赤く染め
背を向ける
そんなウンスの姿に
チェ・ヨンはくちの端をあげ話を続ける

「夕餉の汁物を口にしておらず
厠の事を気にしておるのでしょう」

こくんとウンスは頷く

「宿に手配を整えておる
案ずる事はありませぬ」

「そう・・良かった」


テマンが戻ってきた

「医仙様、これですか」

「そう、それよあったのね、良かった」

テマンからヨンが受け取り
ウンスの膝の上にのせる

「これね・・天界ではリュックサックって
言うの、両手があいて便利なのよ」

「百年前に
この様な物が有ったのですか」

「無いわ、貴方の衣と同じ色の生地を
見つけてね、自分で縫ってみたけど
失敗しちゃった」

「俺と同じ・・」

チェ・ヨンはテマンに目配せをする

「いつも一緒に居たくて
それで作ってみたの・・怖い思いを
した時に、貴方がそばに居てくれてる
様で、握りしめると落ち着くの」

チェ・ヨンは察しがついた、さぞかし
恐ろしい思いをしたのだろうと
だがウンスが話すのを待とうと決めた

「イムジャ」

そう呟くとぎゅっとウンスを
抱き締め呟く

「何度か都に戻った折に
買い求めた衣が、都の屋敷に置いて
ある故、足りなくば
テマンを市井に使いにやります
言ってくだされ」

「え?私の衣を、貴方が・・」

チェ・ヨンは照れたように
咳払いを一つ落とし頷く

「ふふふ・・嬉しい、早く都に帰って
みんなに会いたいわ、王様でしょう
王妃様、それにチェ尚宮さんにも」

ウンスはチェ・ヨン胸に凭れ
微笑みながら、指を折り数えていた

「王様も王妃様も健やかに
御過ごしのご様子、イムジャが
戻ったと知ればきっと喜ばれる筈」

チェ・ヨンはウンスの額に唇をあてた

「イムジャ、夜も更けて来た故
寝衣に着替えてくだされ
俺は後ろを向いておる」

そう呟くとチェ・ヨンは寝台の上に
どかりと座りウンスに背を向けた
ウンスの衣がぱさりと床に落ちる音が
チェ・ヨンには耐え難く
きつく瞼を閉じ
口を真一文字に結んでいた

「お待たせ」

その声にチェ・ヨン振り返ると
布団の端を上げ、己が先に入り
ウンスが落ちないように胸に抱きしめ
眠りについた





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