木春菊3 | シンイ二次小説でんべのブログ

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「イムジャ、兵舎に戻り
王宮に向け知らせを出します」

「分かったわ」

二人は手を絡め語り合いながら丘を
降りて行った

一方テマンは握り飯を届けようと
兵舎の門の前に出た所二人に出くわした

「て、大護軍・・今日はもうお戻り
ですか」

「そうだ、悪いのか」

チェ・ヨン眉間に皺をよせ
テマンと横に居る門番を睨む

「いや、別にただ早いと思って」

「テマン、チュンソクに俺の部屋まで
すぐに来るよう伝えよ」

「わ、分かりました、伝えます」

ウンスが笠を目深く被っている為
テマンは、まだ誰なのかを知らない
だか門番もテマンも女人の噂一つない
大護軍が女人を連れて来たのに
驚いていた

一階だけの兵舎の一番奥に
ヨンの執務室はあった

「わ・・何もないのね」

「寝るだけの部屋です、何もいらぬ」

「貴方らしいわ」

執務室には小さい窓があり
簡素な寝台と執務机が置いてあるだけの
質素な作りになっていた


「チュンソクか入れ」

チェ・ヨンはチュンソクの気配を感じ
先に声を掛ける
後に続く二人の気配も感じとっていた

「はっ!お呼びでしょうか」

チュンソクの瞳が右に左に泳ぎ
焦点が定まらない

「何をおろおろしておる」

「はっ!いえ、別に・・・」

「この方の事か、この方は俺の許嫁だ」

「え~~大、大護軍あの方のお戻りを
待っておられたのでは、戻られたら悲しまれます
この話はなかった事にされては」

身体を強ばらせ冷や汗を掻きながら
チュンソクは進言してみる

チェ・ヨンはウンスの笠の紐を
手解きながら呟く

「この方は許嫁のユ・ウンス
顔見知りであろう」

「おお・・・医・・・様」

チュンソクはぐっと唇を噛みしめ
涙を堪えウンスを見つめていた

「よく・・お戻りに成られました
大護軍は戦がなければ、毎日のように
あの丘に向かわれ待っておられました」

「余計な事は言わんでいい」

チェ・ヨンは眉間に皺を寄せ
ぴしゃりと言って退ける

「しかし・・」

「え、毎日・・・」



トクマンとテマンはチェ・ヨンが
連れてきた女人が気になり
扉に聞き耳を立てていた

「まったく」

つかつかと大股で扉の前まで行くと
チェ・ヨンは部屋の扉を一気に引いた

わ、わ・・・叫びながら
トクマンとテマンが床に倒れむ

「お前ら!どう言うつもりだ
王の近衛が盗み聞きなど」

「はっ!でも・・・」

トクマンはちらりとウンスに瞳を向けた

「医仙様だったのですか、良かった
戻られたのですか?
四年もどちらにいらしたのです」

「チュンソクさん、トクマン君
テマン君、久しぶりね、元気だった?」

「はい、医仙様・・」

「みんな大人になって
びっくりしちゃった」

「医仙様も相変わらずお美しい、痛」

トクマンはうっとり見つめる
チェ・ヨンは目の前で、ウンスに対し
腑抜けた態度をあらわすトクマンに
足蹴りを食らわし、ウンスの元に戻る

テマンはふくらはぎを押さえ
小さくなるトクマンを
呆れ顔で見つめている

「チュンソク伝令を王様に向け頼む」

チェ・ヨンは書簡とチェ尚宮宛に文を
したためているが
退屈なウンスは三人とお喋りを
楽しんでいた

「はぁ・・・イムジャ、こちらに
テマン、この方に飯の用意を
トクマンは寝床の用意をしろ」

二人は頷くと散り散りに走り去った

「ああ
もっと感動の再会したかったな」

「イムジャそれは開京に着いてからに
この地では寛げませぬ」

「そうね、言ってたわねどこに間者が
潜んでいるか分からないって」

「明日より軍議を開く
その様に差配せよ」

チュンソクは頷き書簡を
懐深く忍ばせ部屋を出ると、すぐさま
早馬を王宮に向かわせた

ひっそりと王宮とは反対方向に
早馬が走り去る影があった



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