めぐり逢い永遠に(開院、出産)8 | シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説でんべのブログ

シンイ二次小説を書いています

そこに佇んで居たのは
ノグクの祖父
ヨンがウンスと再会するまで勤めていた
病院の院長だった

こんな時間に何用ですか

ヨンは怪訝そうに
眉間に深い皺を作りながら呟いている

ヨン・・どなたなの

院長を通り越しウンスのそばに
静かに歩みより、ウンスの問いに
冷静に答える

ノグクさんの祖父、俺がソウルで
勤めていた病院の院長です

え~~ノグクさんの祖父・・・
ヨン・・上がって頂いて、ここじゃ
話も出来ないわ
玄関で寒そうにしていたから
部屋の中までは無理でも
玄関までならと
思って待って頂いたの

はぁ・・・

ヨンはウンスのお人好しにため息を
一つ落としリビングへと
祖父を招き入れる

どうぞ・・・

少し遅れて叔母とテマンが帰宅した
叔母とテマンは
テーブルで夕食をつまんで
ヨンとウンスと祖父が話をしていた

で、何用で来られました・・

実は・・恥ずかしい話なんだか
病院の経営が
暗礁に乗り上げてしまってな
チェ君が病院を退職してからと言うもの
外来患者が激減してしまい
入院代ももまともに払えない
患者ばかりが集まり出して
どうにもならないんだ…
でだ、君の腕を看板にして巻き返しを
図ろうと思ってだな、恥を忍んで
君に頼みに来たんだ
もう一度戻って来てくれないか
君にも責任の一端は有るんだから

その言葉に
ヨンの片方の眉がピクンと上がる

叔母もテマンも箸を置き
耳をすまして聞いている

院長・・申し訳ないが
俺は戻るつもりはないし
考えた事すらもない

ヨンは姿勢を正し胸を張り
言いきった

な、何故だ・・
君にも責任の一端はあると言った筈だ

叔母が席を立つ音が聞こえるが
ヨンがそれを目で制した

何故、俺に責任の一端が有るのですか
説明願いたい

そ、それはだな・・・

至極まっとうな所を突かれ
祖父はいい淀み言葉が続かない
やたら汗を吹き出した
その仕草を垣間見ヨンは片頬を上げると

今は地域に根差した病院作りに
進んでる過程にすぎませんが
それを投げ出し戻るつもりなど
まったく眼中に有りません

ヨンの言葉にほっと胸を撫で下ろすと
ウンスは
ヨンの腕を引っ張り微笑んでいたが・・

夫の腕は見せ物ではないです
患者を助けてやりたい
それだけの為に
腕を磨きあげてきたんです
そこに私利私欲は
まったくございません
そんな夫です

ウンス…

お願い言わせて・・・

はぁ・・

ウンスの身体を心配し
制してみたが従う筈もなく・・
ため息を落とすしかなかった

夫を始め他の医師や看護師
裏方で支えてくれる皆が
一緒の考えと私は信じています
患者さんを病の苦しみから
心身共に一日も早く開放してやりたい
そして笑顔で退院して貰いたい
それだけです
その報酬は
後からついてくるものだと思っています

一瞬ウンスは声を詰まらせるが
再び祖父を見据え語りだした

病院代も払えず・・
我慢を重ね亡くなる方も居るんです
それも含め地域に根差した病院を
作りたかったのです
病院代がなくても身体が
回復してから働いて少しずつ
返して貰えればそれで良いんです

フンッ・・そんな事は絵空事・・
現実はもっと厳しい

祖父は腕を組み鼻で笑う

そうでしょうか・・

ヨンは涙ぐむウンスを抱き締め
人前にも関わらず額に唇をあて
ウンスを落ち着かせ祖父に向き合う


























にほんブログ村 小説ブログ 韓ドラ二次小説へ
にほんブログ村