幸い頭に異常はなかった為だが…
昨夜の出来事を知らせる為に・・
そして自身の事も
バッタン…
突然診療所の扉が開いた
・・・トクマン先生？
急に開いた扉とそこに現れた人物に驚く
トルベさん・・・
そう呟くとトクマンは
涙が零れない様に天井を見つめた
トクマン先…生？？
トルベは首を傾げ自分より
頭一つ背丈の違う
トクマンを見上げた…
トルベ・・・
いきなり抱き付いてくる
！！
お前もしかして？ん？…
取り敢えず離れろ患者が見ているから
な、ほら外に出ろ…
トルベはトクマンを引き摺りだす
上護軍は・・？医仙様は・・？
診察中だ、こら、トクマンどこに行く…
トクマンはトルベを振り払い
診療所へ戻ろうとしている
なんだ…離せ！
上護軍と医仙様に会いたい…
トルベは記憶が有るのか？
俺を見てわかるんだよな！
何故教えてくれなかった…
トルベは肩を捕まれ
身体を前後に揺らされている
俺も初めからではないんだトクマン…
暫く押し問答していると…
何をしている、騒ぐな！
トルベ説明しろ
ん？トクマン先生…
研修医が平日にこんな所で
サボっても良いのか・・
・・・上護軍・・・・
トクマンは肩を揺らし泣いている
俺は…俺は…
そう呟きながら
一歩一歩ヨンに近づく
トクマン・・
ヨンの前に着き直立不動になる
ヨンを見つめ呟いた
またお会い出来ました…
心底慕った上護軍に・・・
その後の言葉は涙に掠れて聞き取れない
トクマンはヨンに抱き付いた
わ、分かった…
離れろ、俺にはそんな趣味はない
トクマンは感泣しながら呟く
いやです、離れません
ヨン…どうしたの
余りにも戻らないから…
！！
医仙様～～
ヨンからスッと身を離し走り出した
トクマン！！！
ヨンの大きな声にも振り向かず
ウンス目掛けて僅かな距離を走る
後少しで抱きつくかにみえた・・が
ヨンが追い付き
トクマンの腕を引っ張り
背後に転がした…
トクマン！ウンスに
触れたら許さんからな！
その顔はあの時代を
彷彿させる物があった
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