チャン先生…この工事現場が
来年の今頃開院する病院なんだ
ヨンとチャン先生が見つめる先には
外観はほぼ完成している病院の姿がある
宜しく頼む！
男二人硬い握手を交わす
どんな病院での未来が待っているかは
誰にも分からない…
相変わらずテマンは本と睨めっこ
トルベは患者に交じり警護をしている
チャン先生こちらの診察室を
使ってくださいね
ウォル暫く迷惑掛けるけど頼むわね
看護師の募集はかけたけど
直ぐに見つかるかしら
大丈夫です！私やりますから
ウォルは胸を張る
いつも悪いわね…ウォル
チャン先生何か分からない事有れば
言って下さいね…ふふ
ウンス・・嬉しそうですね
なあに…だって凄くお世話なった先生よ
ヨンも友達だったでしょう？
顔が怖いわよ…スマイル、スマイル
ウンスは自分の口の端を
指で持ち上げる仕草をして見せる
はぁ・・分かった、これで良いか
口の両端が僅かに上がり
ぎこちない笑顔を張り付けた
まぁ良いことにしましょう…ふふ
ウンスは周りを見回し人の目のない事を
確かめるとヨンの側に近付いて行き
耳元で小声で呟く
私はヨンだけだから心配しないで…
ふぅ・・
思わず押し倒したい衝動に駆られたが
何とか踏み止まった
仕事場だ・・・
ん？何か言った…
振り返るウンスの笑顔が
夏の向日葵の様に
ヨンに向かって咲いていた
いや・・
この笑顔を護るのは俺の仕事
共に居てこその俺
決して離れる事はない
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
車で通勤出来たら楽だけどなぁ～
研修医が・・無理だよな…
渋滞に巻き込まれて
遅刻なんて出来ないし、面倒くせ…
ぶつぶつ一人事を呟きながら
駅に向かうトクマン
うぅ・・寒…雪でも降るのか
と、空を見上げコートの襟を立て
その場を過ぎ去ろうとしている
ん？・・・
今の男どこかで見たような…
すれ違った一人の男を振り返る
？？
思い違いかな・・
ん・・気になる…
身を翻しその男の後を逐う
駅を素通りし、暗闇に紛れ込むその男…
いや…合った事有る筈だ
思い出せ…俺！
歩きながら
自分の頭をポンポン殴っていた
いつの間にか駅の繁華街を抜け
寂れた裏路地へと来ていた
そこでトクマンの意識が途切れた…
どうします、ずっと兄貴の後をつけて
居ましたで
寝かしとけ、今は事を起こすな…
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