まっさんと会える!
別れてから、何度となく祈り続けていた願いが叶った気がした。
[神さま、ありがとー!]
と心の中で何度も言った。
仕事が終わり、前の時みたく、
まっさんが迎えに来てくれた。
なつかしい車…。
たった少しの間、会わなかっただけなのに…。
私が助手席の窓をコンコンとノックした。
まっさんは、私に気づいて
[乗って。]
と手招きしてくれた。
車に乗り込み、そして発進。
そうそう、この香り…。
ココナッツの甘い匂い。
まっさんの匂いだ…大好き。
と、しばらくぶりの車の香りにも
反応してしまう。
沈黙が続いた。
まっさんが何も言わないから、
私も何も言えない。
最初のワクワク感から、
[何を言われるんだろう…?]
のハラハラ感に変わって行くのがわかった。
沈黙のまま、港に着いた。
車を降り、缶コーヒーを買って、
二人でトボトボと防波堤まで歩いた。
まっさんが座ったので、
私もその横に座った。
夜の海に工場の灯りが映ってすごくきれい。
そんなことを思っていたら、
一言も口をきかなかったまっさんが
口を開いた。
『ナナ、最後の電話の時のオレ…、
すごくバカだった。
相当後悔してる…。』
と今までに見たことがないしょんぼりしているまっさんに動揺した。
『後悔してるのは、私の方だよ。
私があんな電話かけなければ、
まっさんは、嫌な気持ちにならなかったんだし。』
とすぐさまフォローを入れた。
『いや、オレがおかしかったんだよ。
おやっさんの言ってること、
今だったらよくわかるのに、
あん時はただただ、ムカついてさ。許して。』
『ううん。私もまっさんの気持ちを
考えず、お父さんの言われたこと
そのまま、まっさんにぶつけちゃったから…。私の方こそごめんね。』
さっきまでの重苦しい空気が一変して
穏やかな空気に変わりようやく二人して笑顔になった。
『今すぐは無理だけど、いつかナナとおやっさんが納得出来る、ちゃんとした仕事に就くようがんばるな。
それまで待ってくれる?』
やっと待ち望んだ答えが返ってきた。
『この間の電話の時、その言葉が欲しかったよ。
私は、まっさんが大好き。
こんな事で別れるなんて辛すぎだよ。』
『ごめん…。じゃあナナは、オレとどうしたい?』
『私は、まっさんと前のように付き合いたい…。待っててって言われても不安で待てないよ。』
『ナナは、それでいいんだな?』
とまっさんが言った。
『いいよ。まっさんと一緒にいられるなら。』
もう、父からの
[苦労するぞ。]
の言葉は、私の頭にはなかった。
ただ、まっさんと一緒いたい!
もう1度信じたいという気持ちが大きくて…。
