■9/19(土)


13:00前に池田町へ


農村力デザイン大学の9月学期


予定の都合で今日だけ参加



・・・



東北大学の教授である


新妻弘明氏を講師として迎えた1日目は


地域のエネルギーの利活用についての話


新妻先生の研究室は


地熱発電とかのエネルギー関係の研究室ながら


地域に学生を送り込み


町おこしのためのプロジェクトをいくつも展開している


こういう事してるんは計画系だけじゃないんやね


そもそも『まち』というものを考えるにあたって


『ハコ』や、それに付随するものだけでは


やっぱり現実的には行き詰るから


当然といえば当然なんかもしれん



・・・



講義の後はいつものように


座談会という名の飲み会


新妻教授をつかまえて


いろいろな事を質問したり


福井で建築事務所を営む建さんに


現在進めているプロジェクトの話を聞いたり


美味しい食事や酒と共に


色々な話をした



・・・



その後


寺口、たけるちゃんが住んでいる宿舎で


3人で少し飲みながら話した


池田町を去った後


どういう生き方をしていくのか


3人とも、明確な答えは出ない


自分も何だか分からなくなる


その後、アホな話も交えて


久しぶりの布団で


泥のように眠った



・・・



■9/20(日)


起きてすぐ福井に戻り


10:00から斎門でバイト


ここは日払いやので何となく嬉しい



・・・



仕事を終えた夕方


家で本を読んでいたけど


知らない間に眠っていた



・・・



□9/21(月) 敬老の日


この日はエコキャンドルの準備


研究室にメンバーを集め


廃油キャンドルをみんなで作る



・・・



廃油が足りなくなって


何度も貰いに走ってもらったり


自分の段取りの悪さに


今日もまたガクッとなる



・・・



1000個のキャンドルを作り終えた後は


残ってるみんなで片町へ出向き


夏のネイチャー打ち上げ、兼エコキャンドル決起集会


『弥吉』、『秋吉』で飲んで食べて


最後はカラオケで朝まで歌った


こういう感じの飲み会は


かなり久しぶり


帰宅後はぶっ倒れるように就寝



・・・



□9/22(火) 国民の休日


エコキャンのデザインを考えたり


修論でうんうん唸っている間にも


時はビュンビュンと流れていて


最近は


独論と英語が放置気味になっている


やっぱり修論が


本格的に動き出すと


他の事に取り組むのが


かなり難しくなる



・・・



22:00からコンビニのバイト


眠い



・・・



□9/23(水) 秋分の日


気付けばもうゼミは明日で


他の事でバタバタとしていた為に


修論レジュメがまとまっていない


急いで対象地域の残りのエリアに出向き


現地調査を行う



・・・



研究室に戻り


そのデータを打ち込んで


分析を終えると


とっくに朝になっていて


「今週もこんな感じか」と情けなくなる


こんな自分は、研究に向いてないんじゃないか?


疲れるとネガティブな発想しか浮かばない


最近は眠っても研究室の夢を見る


やばいっ

■9/14(月)


この日は本を読んで1日を過ごす


枡野浩一『石川くん』


中島らも『明るい悩み相談室』シリーズ


他にも読み返したりしたのが数冊


『石川くん』は正直微妙やったな



・・・



■9/15(火)


研究室で作業


悶々と悩む事や


疑心暗鬼になる事で


研究は決して進まない


だんだん、また研究が分からなくなってきている


何のため?誰のため?どうやって?


簡単に割り切る気は無い、と思えているという意味では


まだ救いはあるんかな


それでも、どうなんやろ



・・・



22:00からコンビニのバイト


明日はかなり早いので


もう寝ん事にして


風呂に入った後は


本を読んで夜明けを待った



・・・



■9/16(水)


昨日から寝ないまま


07:00-19:00まで交通量調査のバイト


拘束時間が長く、退屈な仕事ながら


時給は申し分ない



・・・



その後研究室で夕食


えりちゃんのアンケートの準備を手伝う


2人だけやったので


終わったのは04:00近くやった



・・・



■9/17(木)


えりちゃんの修論のアンケート配布のため


朝から車で大野へ


各集落の民家を訪ね、主旨を説明しアンケートを手渡す


もうすっかり秋のようで


それでもこの日は炎天下で


予定数を配り終えた頃にはフラフラ


大学に戻り、17:00から図書館のバイト



・・・



終わってから夕食を摂り


えりちゃんと2日目の配布計画を立てる


その後、エコキャンドルの芯作りを手伝ってもらい


24:00ぐらいに帰宅


さすがにすぐ寝た



・・・



■9/18(金)


この日もアンケート配布で大野へ


2日目という事もあって


訪問配布も慣れてきた


でもこの手の作業は往々にして


慣れた頃に終わってしまう


17:00過ぎに研究室に帰還



・・・



ここ最近の数日は


予定がポンポンと入り


ロクに寝る暇も無いまま


飛ぶように過ぎた


でも自分の中では、あまり手応えのない数日


何だか、予定が埋まる事で満足して


「頑張れている」錯覚に陥りがちになっている気がする


冷静に現状を見直すと


自分の問題は、何一つ進展していない



・・・



自分本位に考え過ぎてるんかな


だとしたら最低や

■9/11(金)


10:00からMゼミ


夏休み明けの初ゼミ、の割には


皆モチベーションが下がり気味で


自分も萎える


最近、研究がだんだん分からなくなる



・・・



少し自宅での用事を済ませて


02:00頃からBゼミに途中参加


いよいよ本格的に


M生もB生も研究が始まる



・・・



ゼミが終わって


トイレから帰ってくると


机の上にでっかいケーキが置いてあって


一瞬「?」となったけど


そういえば俺誕生日やった、と思い出す



・・・



もうええオトナやけど


いくつになっても誕生日は嬉しいもので


それは自分が○○歳になったから、という


数字的なものではなく


友人・知人が祝ってくれる、その状況だったり


みぞおちの辺りからぐっと込み上がる


何やら例えようのないモノだったりが


おっさんになっても


じじいになったとしても


自分を幸せにしているんやろな、と


いっちょ前にそう思った



・・・

何やら妙に可愛らしい、前髪を留めるピンと


小さなピーマンの栽培キットのようなものを


プレゼントとして頂いた


実はこのピーマンには伏線がある


まぁここで書くような事ではないけど


書こかな


やめとこかな



・・・



3年前の事になるけど


(書くんかい)


誕生日に大学の後輩の女の子から


さっき言ったようなのと似たような


ピーマンの栽培キットを頂いた


その日以降


その子と御飯食べたり


桜を見に行ったり


神戸で遊んだりしたけど


それはまた、別の話


今となってはどうでもいい話


問題は


自分がそのピーマンを


一ヶ月も持たず枯らしてしまった事にある



・・・



出てきた芽のうち


育ちが良いものを残して


残りを全部引っこ抜いてしまう


『間引き』という作業がある


(土の栄養は有限やので


そうしないと十分に育たない)


これは家庭菜園とかやる人にとっては


当たり前に行う作業やねんけど


なんかそれって勿体無いな、と思っていた自分は


春を待って種を蒔き、芽が出てきた時


全部が育てばいいな、とか単純な理由で


芽を一本も間引かなかった


結果、全部の芽が枯れてしまった


小さな鉢だけは


冬が来ても


ずっと残っていた



・・・



もうひとつの問題は


その後輩が


次の年にうちの研究室に入ってきた事


そして最後の問題は


自分がそのピーマンを研究室で育てていた事


3つの問題をまとめると


自分はプレゼントされたピーマンを


後輩の目の前で


みすみす枯らしていたのだ



・・・



その子に対して


特別な感情は無いけど


ヒドイ事してたんやな、と


気付いたときにはもう遅くて


それについて特に話もしないまま


その子は卒業した



・・・



研究室でピーマンを育てていた事や


それをあっという間に枯らしてしまった事は


同期の2人も知っていて


それを見かねて


リベンジの場を、と2人は考えてくれたみたい


でもそのリベンジオブピーマンの背景にある


後輩との何やら気マズイ過去を


2人は多分知らない


知らんままでいい



・・・



実がなったら


何か気の利いた言葉を添えて


後輩に写メしよかな



・・・



11日の日記に戻ります


昼からのBゼミの後


夜は地元コンサルとの会議


たくさん飲んで


たくさん食べたけど


肝心の研究については


これと言ってピンとくる助言はもらえんかった


や、原因は自分やねんけどね


もっと明確なスキームが必要



・・・



■9/12(土)


10:00にコムニタ入り


今日から2回目の『いなかもん学校』が始まる


準備、軽いミーティングの後


参加者がちらちらとコムニタに揃って、講義が始まった


今回の講師は『どっぽ村』の清水陽介さん


自分の手で米をつくること


自分の手で家をつくること


どっぽ村は自給自足の生活を通じて


若者が「学ぶ」ための研修事業としての一面を持っている


3年間の研修期間において


暮らしの中で『つくる』事を通し


農業と建築、言うなれば『食』『住』の技術を身に付ける


大学や専門学校なんかと大きく違うのは


そこに給与が発生している点


「仕事場で学ぶ」「仕事を通して学ぶ」みたいな


そういうニュアンスを重視しているのかもしれない


去年のデザ大の講義で


清水さんには一度来て頂いたことがあって


その時にも話していた『職人』というグレーゾーンの話や


自給自足のための


『買う』生活ではなく『つくる』生活へのシフト


すべての話を聞けんかったのは残念やけど


後でまたメンバーに聞いてみようと思う


次の用事のため、15:00頃に一旦帰宅



・・・



窓の外を眺めながら


結ばれた2人の先輩の事を考える


会うの久しぶりやな、とか


会ったら何話そうかな、とか


居眠りを挟みながら


そんなんを考えているうちに


特急・雷鳥は京都駅に到着



・・・



電車を何コか乗り換えて


19:00過ぎに京都某所の飲み屋に到着


金丸さんの同期の先輩たち


あつみさんの同期の先輩たち


福大メンバーが一同に会し


結婚式の二次会が始まった



・・・



当たり前やけど、2人は幸せそうで


2人にカメラを向けるみんなも幸せそう



・・・



現役の学生は自分だけやったけど


来ていた人のほとんどが


研究室の先輩やったり


一緒に飲みに行った事のある人やったので


そこまでアウェイ感もなく


楽しく話して、酒は進んだ



・・・



結婚に到るまでの


苦労話とか、色んなエピソードを聞きながら


もともと先輩やからアレやけど


何かすごく先に行ってるな、すげぇな、みたいな気持ちになった


結婚かー…自分はどうなるんやろ、みたいな事を


ぼやっと考えたりして


漠然なその感情の中に


最近何か気になるあの子の顔が浮かんだりして


でもすぐ消えて


自分にとっての幸せとは何なのか


答えの無い問いに行き着く



・・・



飲み会も中盤に差し掛かろうという頃


サプライズで用意した


プレゼントとケーキが登場


同じタイミングで


自分も用意していたプレゼントを出した


CDに焼いたビデオレター


川上先生に頼んで書いてもらった色紙


それに書かれた祝辞を


なぜか自分がその場で読むことになって焦る



・・・



飲みが落ち着いてから


金丸さんのところへ行って


同期じゃないのにも関わらず、わざわざ呼んで頂いた事


そして、改めてお祝いを言った


「俺ら2人にとって、お前はまぁ、特別やからな」


先輩のその言葉に本日一回目の涙が出た



・・・



日付が変わっている事に気付かず


その日は先輩たちと一緒に


ビジネスホテルに泊まった


宿泊代をカンパしてくれた先輩方


本当にありがとうございました



・・・



■9/13(日)


09:00頃に起床


まだ少し酒が残っていて、眠い



・・・



帰りの雷鳥に乗って福井に着いたのが11:30頃


TOEIC試験までギリギリの時間


或いはもうアウト気味な時間


あろう事か


駐車場で車のドアをぶつけた、ぶつけてないとかで


隣の車の人とモメにモメて


受験は絶望的になった



・・・



あーもう最悪や


まぁぶつけたんは自分やったけど


強いて言えば


金銭的なトラブルにならんかったんが幸いやったかな


「こっちはホンマに時間ないねん!」と


関西弁で強気に出たのが良かったんかもしれん


なんせホンマに時間が無かった



・・・



TOEICを諦めたからには


しっかり寝てやろうと躍起になり


帰宅後は


次の日の朝まで寝た

■9/8(火)


昼前に研究室へ


頼んでいた地図ソフトが届いて


だいぶ滞っていた作業が


ようやく次の段階に動いた


とはいえ


止まっていた期間はあまりに長く


今週いっぱいは


パソコンから目が離せない



・・・



あつみさんから声がかかった例の飲み会は


実は結婚式の二次会だそうで


お金も時間も余裕があるとは言えんけど


「そりゃ行かねば」と即決した



・・・



22:00からコンビニのバイト


その後は帰宅、睡眠



・・・



■9/9(水)


この日もカタカタとデータを打ち込む


それ以外はあまり思い出せん


17:00から図書館のバイト



・・・



■9/10(木)


データ入力はまだ終わらない


17:00から図書館のバイト


にっしー、えりちゃんと夕食を摂った後


先輩夫婦に送るための


ビデオレターを撮影


次の日にゼミを控えている事を


微塵にも感じさせない


3人のグダグダなやりとりを


ありのままの姿で動画に収めた



・・・



その後は明け方まで作業


データ打ち込みをやっとの思いで終えた後


多変量分析をかける


出てきた微妙な結果をまとめてレジュメ作成



・・・



余裕がない


■9/3(木)


昼過ぎに起床


17:00から図書館のバイト


この日は仕事がホンマに進まんかった



・・・



その後にっしー、岸さんと3人で晩御飯


にっしーが修論の現地調査の時に見つけたという


『マルクチ』という多国籍料理の店


確かに変わった料理が多い


結構たくさん食べて


結構な出費になってしまった


最近は夕飯にお金を使い過ぎとる


今の生活じゃ節約は難しい



・・・



その後は研究室で作業


何時に帰ったかは覚えてへんけど


帰宅後にふと思い立って


部屋の掃除を決行


床や机やソファーに散らばって積み重なった本を


揃えて片付けるだけで


見違えるほど綺麗になった



・・・



■9/4(金)


この日も昼過ぎに起床


17:00から図書館のバイト


大学内のとあるサークルが


新型インフルエンザに集団感染したらしく


アルバイトの学生は


マスク着用を義務付けられている



・・・



10数年ぶりに着けたマスクは


なるほど効果が抜群で


外の空気を一切通さない


喋っていると口元が蒸れてきて


次第に息苦しくなって


思わずマスクをバッと外して


外の空気をいっぱいに吸う


そんな本末転倒なやりとりが


バイトが終わるまで続いた



・・・



帰宅後、準備を済ませて


車に乗り込み


武生ICから京都へ向かう


別に眠気はなかったけど


何かについて考え込むほど脳みそは万全ではなく


ただただ、ぼけっと運転していた



・・・



■9/5(土)


日付が変わったぐらいの時刻に


四條家に到着


朝まで少し寝てから出発、という予定やったけど


色々考えた結果


もう寝ずに出発する事になった


目的地は安藤忠雄が手がけたアートの島



・・・



いつものように


やいやい話しながら


交代で車を運転し、西へ西へ


午前中のうちに宇野港に到着


フェリーで直島へ


土日という事もあり乗客は多い


何となく島のイメージ的に


奇抜な格好をした芸大生なんかで


ガヤガヤと溢れかえっとるんかと思っとったけど


高齢者の多さが意外やった



・・・



かつて直島では


例の観光ブームによって


キャンプ場なんかが造られていたらしい


しかし業績が思わしくなく、撤退


その後「直島を文化的な空間にしたい」という当時の町長らの意向を


ベネッセハウス、地中美術館という形で


安藤忠雄が具現化し、現在に到っている


前々から行きたいなーと思っていた場所で


でも散々後回しにしていた場所でもある



・・・



あくまで素人の持論やけど


自分にとって近代芸術、アートの類は


己を映す鏡のような感覚がある


何かの作品と対峙して、じっと見る


もうその時点で


自分の頭の中で


面接のようなモノが始まっている


「意味が分からん」と簡単に突き放したり


逆に、理解してやろうと躍起になり過ぎたり


結果的に分かったフリでしかなかったり


芸術に対する、自分の発想の平凡さが剥き出しになったり


でもそれを認めたくなかったり


そんなあれこれを繰り返すうちに


誰かから『不合格』の烙印を押されていて


器の小さい自分がそこにいる


そんな空想、或いは妄想が


毎回毎回アタマの中で繰り返されているのだ


興味はあるけど


そういう試されている感覚がどうしても嫌で


何となく今まで避けてきた分野


直島に上陸してすぐに


ベネッセハウス・ミュージアムに向かう時にも


変なプレッシャーは残っていた



・・・



足を止める


作品を見つめる


タイトルに目をやる


作品と交互に見る、その関連について少し考える


部分部分に視線を移す


近づいたり、遠ざかったりして見る


目を凝らしてみる


焦点をぼやっとさせてみる


だんだん分からなくなる


誰にでも作れそうやな、と邪推がよぎる


無意味なものに思えてくる


でも展示されてるからには、多分無意味じゃないんやろな、と考え直す


じゃあなぜ無意味じゃないかと考える


何コかの仮説が浮かぶ


自分の中で一番有力そうな説に思考を集中させる


無意味に見えるものに意味を持たせている『何か』について考える


また部分部分に視線を移す


何か考えていた気がするけど、それを忘れる


関係ない事に意識がいく


隣の人は作品のどこを見ているのか


あっちにいる人は作品を見て、何を思うのか


視線は作品に向けたまま、さらに思考は脱線する


そこで我に返る


また作品をちゃんと見る


思考が進んでいない


少し発想を変えてみる


自分がこの作品を見て、何か分からん事に対して


作者に直接聞けば教えてくれるんやろか、とか考えてみる


そりゃ作者やから事細かに教えてくれるはず


や、でも全部は無理かも


作者自身も言葉で表現できんから作品に意思を託したわけで


そもそも作者が言葉にしても


自分が理解できるかは未知数なわけで


じゃあ何か1つの作品を


他人が完全に理解する事はできんのか


そういう事自体が野暮なんか


作者は「理解して欲しい」のか、「考えて欲しい」のか


それに対する答えを作者は用意しているんか


もし後者やったら


なんか後出しジャンケンのような


理不尽さを感じずにはいられない


や、でもそれが芸術なのか


もし仮に、その作品の作者の感情、意思が自分に100%伝わったとして


「今君が考えていることを作品にしてみなさい」とか言われたら


どんな形のモノが生まれるんだろうか


全く同じものが出来上がるんか


さすがにそれはないか


でも大勢に認められている芸術家は


その作品にある程度の普遍性があるはずやから


同じコンセプトなら


それに対するある程度の完成形を形にできるはずで


その形にする技術が優れているから芸術家なのか


そうなると…


ん、でも…


1つ1つ作品を見る度に


そんな感じで思考がぐるぐる回る


これ以上書くと


キリがないので辞めとくけど


そういう風に、内容はどうであれ一般人に悩ませることができるのが


近代芸術の意味なのかもしれない



・・・



その後は


オブジェに囲まれた海岸や


河和田アートキャンプを思い出させるような


空き家プロジェクトを回った


中でも忘れられないのが『南寺』


現代美術家ジェームズ・ダレルと建築家安藤忠雄のコラボレーション作品



・・・



ネタバレになるけど


『南寺』は建築の内部構造そのものが


ギミックを持ったアート作品


まず中に入る


何も見えない真っ暗な空間を


壁伝いに更に中に進む


手探りで見つける椅子に腰掛けて、そこで待つ


すると真っ暗の空間にぼやっと何かが見えてくる


人間の感覚の『慣れ』を利用した空間



・・・



「真っ暗」から「ぼやっと何かが見えてくる」までの間は


10分ぐらいのタイムラグがある


その時間は、五感を奪われているせいか


やけに長く感じる


目の前に見えるものは何も無い


おそらく生まれて初めて体験する、その感覚の中で


10分間とは思えないぐらい


頭に色々な事が浮かんだ



・・・



今日食べた昼飯の事、修論の事、明日の予定の事


近い将来の事、最近読んだ本の事、去年の夏の事


お金の事、携帯の電池が切れそうな事、友人の事


何だか気になる、あの人の事



・・・



なぜか


半分以上は


いや8、9割方は


「あの人の事」しか考えてなかった気がする


変な妄想ではなく


ぼやーっと同じ事を考え続けていた



・・・



南寺を後にして


四條氏にその事を話すと


彼も同じように


気になる女性の事を考えていたらしく


「お前もか!」とケタケタ笑った


ヒトは考える事を唯一許された生き物やけど


それを以ってしても、やっぱり生き物でしかない



・・・



明日また回る所を確認し


フェリーで一旦宇野港に戻る


情けなくも


南寺での煩悩が


しばらく尾を引いていた



・・・



車で倉敷へ移動


ビジネスホテルに荷物を置いた後


駅前を少しぶらついて


『先発』を安い丼モノのチェーン店に決め


まず小腹を満たす


(これは飲み代節約のために編み出した秘策


最初に選ぶ安っすい店を2人は『先発』と呼んでいる


『中継ぎ』『抑え』で高いモノを食べるのだ)



・・・



『中継ぎ』の居酒屋は正直イマイチで


少し食べてから、すぐ出る


厳選した『抑え』の料亭で


一軒目と全く同じモノを頼んでみた結果


クオリティの高さに愕然


その後も、秋刀魚の刺身、車海老、生シャコなど


絶品としか言えない海鮮料理に舌鼓を打つ


地酒も一級品で会話も弾み


大満足で店を後にした


や、ホンマにまた行きたい



・・・



ホテルに戻って就寝


ベッドで寝るのは何ヶ月ぶりやろか



・・・



■9/6(日)


倉敷からまた宇野港に向かい


フェリーで直島へ


ベッドでぐっすり眠れたおかげで


体力も万全



・・・



この日は


地中美術館を


時間をかけてゆっくり回った


安藤忠雄の奇抜な設計もそうやけど


ジェームズ・タレル、モネ、ウォルター・デ・マリアの3作品は


何かを感じずにはいられない、そんな威圧感があった



・・・



直島を後にしてからは


高速で京都まで車をぶっ飛ばす


四條宅でゆっくり酒を飲んで就寝



・・・



■9/7(月)


直島での不思議な感覚のまま


車で福井へ


できるだけ下道で帰ろかな、と思っとったけど


そんなに出費は変わらん事に気付き


普通に大津から高速に乗った



・・・



帰ってからは


ぼーっと本を読んだ後、即寝


そういえばあつみさんから


飲み会の誘いがあった


でも京都やし、どうしようかな

■8/30(日)


暇が無いのと、住民票の関係で


投票には行けんかった


でもそれは


どっちも言い訳やなー



・・・



TVの選挙特番から


「国民が参画する勇気を」


「誹謗中傷合戦ではなく、政策論争を」


みたいな鳩山さんの『決め台詞』が聞こえている


はいはい、と聞き流しながら読書



・・・



佐藤誠『リゾート列島』


グリーン・ツーリズムとか、スロー・ツーリズムなんかの言葉が


まだ日本で浸透していない1990年頃の本


1987年の『リゾート法』によって


地域振興のために全国の都道府県で


リゾートホテル、ゴルフ場、スキー場(或いはマリーナ)の『三種の神器』が


次々と建設されたが


それによる弊害は言うまでも無く


環境破壊、財政圧迫、需要不足、没個性的…etc


素人でも思いつくような問題点が浮き彫りになる


正気ですか?と思いたくなるような法律


振興策に悩む地方の役人が


一念発起、藁にすがるような思いで企業を探し回った気持ちも


分からんでもないけど


著者が指摘するように


やっぱり持続的な計画とは言えん


この本で書かれているような事を


もう少し声を大にして言える人間が


当時はおらんかったんやろか



・・・



中島らも『明るいお悩み相談室』を読んでるうちに就寝


ちなみにこの日


ノリと『無尽蔵』でラーメンを食べてから


何やらお腹の調子が悪い


最近あいつと飯を食べるとロクな事がない


まぁ偶然やろうけど



・・・



■8/31(月)


児童館のバイトが終わって


少し家でだらっとしてる時に連絡が来て


にっしー、えりちゃん、たっちゃんと


4人で『王将』で晩御飯


前々から4人で計画していた


『餃子FIGHT』を決行


①食べ物は餃子のみ(ライスは可)


②誰かがリタイアするまで続行


③敗者が食事代を払う


まぁ早い話が大食い勝負



・・・



不参加のにっしーを除いた


3人は無心で餃子だけを食す


結果、途中リタイアしたたっちゃんが


14皿の餃子代を払う事に


正直思っていたより苦しかったけど


女の子に負けるわけにはいかん


でもしばらく中華料理は食べれそうにない



・・・



その後研究室で少し眠って


明け方まで作業


さすがにこの日は


いつも以上に念入りに歯を磨いた



・・・



■9/1(火)


エコキャンドルの材料を取りに


池田町役場へ向かう


職員のヤマシナさんと


協力隊のたけるちゃんが出迎え


キャンドルの材料を3人で車に詰めた



・・・



もう一ヶ月近く過ぎたけど


こないだのネイチャー冒険隊の打ち上げを


まだやってない


今回の打ち上げは


たけるちゃんとか、寺口とか


池田町に住んでる人らも呼んで


大々的にやりたいなーと考えている


しかし福大メンバーは夏季休業


池田町メンバーは農業が一番忙しい時期


なかなか日程が固まらんまま


こうして9月になってしまっている



・・・



たけるちゃんや寺口の『忙しさ』と


福大のみんなの『忙しさ』は


その中身が根本的に異なっている


農業に携わる者の多忙さは


何というか、取替えのきかんモノで


バイトや研究のように


別の日に回せんし


無理してガーっと詰めることもできない


季節、もっと細かく言えば時間の流れに合わせながら


絶えずそっと手を添えていくもの


結果として生みだすものの価値は言うまでもない


対して、大学生の『仕事』は


締め切りがあって


それに到るまでのペースがある程度自由で


人によっては


ダレた部分を気力で埋めるような


やっつけでも成り立ってしまう


はたしてどちらが『忙しい』のか


どちらが頑張っているのか


比べようはないけど


うーん…とも思ってしまう



・・・



その後コムニタに行き


いなかもん学校のミーティング


こないだ送った資料は


なかなかの高評価を頂いた


それから溝口さんに


独論のヒアリングを兼ねた相談


何となく段取りも決まってきて


少しずつ動き出してきた


一度早稲田でも経過を見てもらいたいな、とも思う



・・・



仕事を終えた寺口と少し話をした


池田町で暮らすようになってから


人として、何か変わったような感じはある


以前に比べ


物事を達観し、落ち着いている印象を受けた


随所随所に細かいニュアンスを含んだような言葉で


それでも多くは話さない


自分の意思が、他人に全部伝わる事を


最初から諦めているようなところが


相変わらず寺口らしい



・・・



『言葉』は他人に意思を伝えるためにあるけど


母国である日本語であっても


自分の意思の100%を言葉にする事はできない


仮にそれができたとしても


それが他人に100%伝わる事は無い


まず自分の意思を言葉に乗せる時点で


半分近くがニュアンスを失い


言葉を相手が受け取る時点で


更にフィルターがかかる


『会話』なんて儚いもんやなー、みたいな話を


寺口と歩きながら話し込んだのが


確か高3の時



・・・



後藤さんの忘れ物を届けて


帰ったのが01:00頃


この2、3日


まともな食事をしてなかったけど


池田町の美味しい晩御飯が食べれて良かった



・・・



■9/2(水)


昼過ぎに起床


夜型生活が染み付いていて


朝早く起きれない



・・・



今日は一ヶ月ぶりに


図書館のバイト


一緒に入ってるD生の名津井さんが


悠々と英字新聞を見ていて


「さすがやなー」とか思った


とはいえ自分も


ちくちくとTOEICの勉強を重ね


英語の長文にも少しずつ慣れてきている


勉強も兼ねて、今度こっそり読んでみよかな



・・・



夕食を摂り


少ししたのち研究室へ


眠くなるまで勉強だー

■8/28(金)


いなかもん学校の資料が完成したのが明け方


添付したメールを送信し、一応は作業終了


帰宅して風呂、着替え


また研究室へ


頭がボーっとしとっても


少しくらい眠くても


とにかく『研究室に向かう』


それで何かしら、やる気になる



・・・



昼頃、本を読んでいたら


教授がやってきて


「早稲田の合宿、どうだったんだ?」と


向こうから切り出してきた


「切り出してきた」というより


「切り出してくれた」んやと、今になって思う


ゼミでの学術的刺激、向こうの教授との話


色々を話す自分は


少しテンション上がり気味やった気がする


軽井沢のセミナーハウスの事や


宴会での校歌のくだりも話した


早稲田出身の先生は


懐かしそうに聞いてくれた



・・・



実を言うと


福大の博士の試験の


願書の締め切りは、もうとっくに過ぎている


自分の進路に対して


もう教授も分かってくれているんかなと思う


そんな事も考えながら


話しているうちに


モチベーションが少し上向きになった



・・・



13:30から児童館のバイト


かなり久しぶりで


子供たちは相変わらずパワー全開


例えば夏に


昆虫や動物が


緑の茂った森に溢れかえるように


季節の特徴というか、持ち味というか


そういう部分の影響を


大人に比べて


子供は受け入れやすいんじゃないかと思う


季節にしろ、天気にしろ、日常のありのままの状態を


インプットするだけのキャパが


純真無垢の子供にはある


むしろそれが子供の仕事みたいなもんで


そのキャパの大きさゆえ


家庭の環境、親としての在り方なんかが


昔とガラっと変わった今


それに伴う問題も顕在化している



・・・



的を射てるのかどうかも分からない


そういう難しい事を考えとる間にも


子供たちはきゃーきゃー言いながら


背中に乗っかってきたり


尻を蹴ったりしてきて


まるで容赦が無い



・・・



前にも少し書いたけど


自分はもうそこそこの大人になって


色んな事を知って


知識や悪知恵もついて


拘りのようなモノもできた


まだまだ知らん事の方が遥かに多いけど


もう意識の面で


『真っ白』になる事は、あんまり無いんかなと思う


さっきの話で言うと


キャパはもう、残り少ない


雑誌やったかネットやったか忘れたけど


昔、作家のみうらじゅんが


「もし願いが叶うなら、もう一度童貞に戻りたい」と言っていたのを思い出す


例えがアレやけど


要はそういう事で


『無知』が時として『知』に勝る何かを


生み出す事もあるんやと思う


話の趣旨がだいぶ反れたけど


そんな事を考えていた



・・・



夕方頃、帰宅


点けてみたテレビでは偶然


ロッテ-楽天の試合が始まる所だった


息詰まる投手戦


最初にノックアウトされたのは


サブマリン・渡辺俊介でもなく


ドラ1ルーキー・藤原紘通でもなく


徹夜疲れの自分


前日の『完投』が響いていたらしい



・・・



24:00頃にぼーっと目が覚める


研究室に行こうかなと思ったけど


さすがに今夜はゆっくり寝る事に


でも何かそれも勿体無いので


本を2冊読んだ



・・・



平松守彦『地方からの発想』


前大分県知事であり、有名な『一村一品運動』の生みの親


地方部の地域おこしについての意見なんかは


「確かに!」と唸ってしまう


でも拠点を分散させるテクノポリス構想は


正直どうなんかなーと



・・・



中島らも『人体模型の夜』


ホラーながらも


なるほど…とも思わせる所は流石


『貴子の胃袋』のラストの場面


「悪魔なら殺していいのか?」という台詞が


印象に残った



・・・



■8/29(土)


結局寝たのは04:00頃で


起きたのは昼前


滞りがちの現地調査へ


今回は車で向かった



・・・



ちょうど三国の商工会館で


小さな祭りをやっていたけど


楽しむための時間も予算もなく断念


黙々と通りを歩き


地図上に印を付ける



・・・



というわけで今は研究室


今はまだブルペンでも


これからの未来で


研究というマウンドに上がり


投げ続ける事になる


どでかい一発を浴びようが


小技でかき回されようが


完投しなければならない

■8/26(水)


昨夜から徹夜で『いなかもん学校』の資料作成


食べる米ができるまで、と題して


いわゆる稲の成長の暦のようなものを


できるだけ素人にも分かりやすいタッチで作る作業


描いたイラストのスキャンに時間がかかり


作業が滞る


でもまぁ下地は固まってきたので


明日、明後日には完成できると思う


作業を切り上げたのが明け方


一旦家に戻り


風呂に入って、着替えて


研究室に行って


そこで昼過ぎまで寝た



・・・



英語の勉強の後


修論のデータベースの構成を考える


街並みや道路空間、建築のディテール、様式などのデータベース化


本来数字だけで表現できないものを、数字の集合体で表す


そもそもの無理が生じるこの過程の中で


取りこぼしの部分を、いかに小さくするか


極限まで少なくした上で、いかにフォローするか


難しいけど


ここを乗り越えたら


色んな分析ができて


色んな発見があるやろなー



・・・



TOEICの検定料をコンビニで払い


にっしーと『粋女』で軽く飲み


兄ちゃん、おっちゃんしかおらん小さな飲み屋


この日は珍しく女性客が多い


いつものように他のお客さんとも軽く話した


研究室に戻り作業を続けるも


突如眠気に襲われ、撃沈



・・・



■8/27(木)


昼まで寝ていた


起きてもなぜか異様に眠い



・・・



最近は


何冊かの本を回し読みしていて


そのせいで


なかなかどれも読み終えられない


今読んどるのは


中島らも『こらっ』


村上春樹『カンガルー日和』


鳥越けい子『サウンドスケープ』


ジャンルばっらばらの


これらの本を


同時に頭に入れていく


いつも自分の計画は


非の打ち所がない



・・・



英語の勉強して


いなかもん学校の資料作成


プラス、修論スタディで


また朝になっとるやろね


いつも自分の計画は


非の打ち所が無い

■8/24(月)


少し部屋を片付けて研究室へ


時々昼寝しながら


英語の勉強をしていた



・・・



24時間しかない1日


自分の体力・集中力の限界


認めたくないけど


できる事は限られている


気持ちに赤信号が灯って


「右折可」みたいな矢印もなくて


やらんとあかん事が溜まって


頭の中が渋滞になって、排ガスで充満していく


そんな状況になる



・・・



ネットで読んだ『やる気』についての記事で


印象に残ったのがあった


後になってピンときて


断片しか覚えてないけど


『やる気はいつでもあるわけではないし


自然に湧き出る類のものでもない


言ってしまえば、別に無くてもいい


大事なのは、身体を動かす事


感情で行動が決まるのではなく


行動が感情を支配している』


みたいな言葉やったと思う



・・・



『作業興奮』という言葉があるけど


その字面、意味が


その理論を端的に表している


後付けのようにも思えるけど


『行動が感情を支配している』事は


往々にしてあると思うし


似たような経験は確かにある


支配関係がどうあれど


行動も感情も『自分』やから


やる気があろうと無かろうと


とにかく机に向かう事


手を動かす事


それが今日の徹夜の励みになった



・・・



■8/25(火)


明け方から夕方まで


研究室で熟睡


起きたらえりちゃんが来てて


しばらくしてにっしーも来て


久しぶりに3人揃ったM2でお喋り



・・・



何か作業をする時は1人の方がいいけど


やっぱりこの同期3人で居るのは楽しい


大学の研究室という、ある種の閉鎖的環境で


学術的な部分、そうでない部分で


ほとんど毎日、顔を合わせながら


大袈裟やけど、一緒に苦楽を共にしてきて


もう3年目


でも今年は最後の1年で


「オレら」「アタシら」みたいな言葉が


殊更響くようになった



・・・



大袈裟ついでに、また恥ずかしい事を言うと


自分の研究室生活は


やっぱり2人に支えられている部分もある


2人がおらん研究室は


ちょっと考えられへんなーと思うし


下心とかそういう部分じゃなくて


おらんくなったら嫌やなーと思う


こんな事がつらつら書けるのは


夜中やからかな


後から見直して恥ずかしくなるんやろな



・・・



その後3人でラーメン食べに行って


22:00からコンビニのバイト


研究室に戻ってきて


カタカタとこの記事を書いている


今日は朝までガッツリやるぞー

もう8月もあと少しかー


今年は夏らしい事あんましてないな


ともあれ


高校球児が野球に夏を捧げるように


甲虫が一生を夏に捧げるように


自己啓発に捧げる夏もあっていいのだ、きっと



・・・



■8/21(金)


この日は池田町の溝口さんに


プレ調査段階ながら


ヒアリングを行う予定だった


が、連絡を取ってみると


今日ではなく、明日やったことが判明


なんで自分は


いっつもこんな感じなんやろ



・・・



予定が突然無くなり


どうしようか、と考えようとした瞬間に


そういや寺口の誕生日やった、と思い出す


池田町で農業のお手伝いをしつつ生活している寺口


『池田町に行く』という予定を設けていた自分


目的をそちらにシフトし


寺口に連絡を入れる


結局、自分は池田町に向けて


車を走らせていた



・・・



宿舎に到着すると


けー姉さんが何やら手招き


どうやらみんな食事は終えているようで


がやがやと、声だけは聞こえる寺口の部屋に


サプライズ狙いで


今からけー姉の手作りのケーキを


運ぼうという所やった


別室から両手でケーキを抱える姉さん


当然塞がった手でドアは開けられへん訳で


もし自分が


このタイミングで来なかったら


一体どうするつもりやったんやろ、と思いながら


けー姉さんの前に立ち


騒がしい部屋のドアをそっと開けた



・・・



真っ暗闇の中


誕生日を祝うみんなの合唱の中


蝋燭の火を消す寺口の顔は


よく見えんかったけど


心から嬉しそうで


自分も嬉しくなる



・・・



何度も思う事やけど


『池田町で』『高専の同期の』『寺口が』『etc』『etc』


色んな不思議な偶然が重なって


その結果のひとつとして


こうしてこの日、誕生日を祝っている


別に寺口に限った事ではなく


家族、友人、彼氏彼女、先生


偶然が多層的に重なった結果は


普段は気にかけない日常の様々になる


大事にせなあかんものは


意外とたくさんあるのかもしれない



・・・



誕生日パーティー自体が


自分にとっては予期せぬ出来事で


プレゼントの類は


全く準備してなくて


それでも何か用意せな、と


自分のお気に入りの


ヘルマン・ヘッセ『車輪の下』をプレゼントした


拠り所になるもの、それによる重圧


自分のプライド、他者の評価、価値観


明確な実体を持たない『車輪』に


若き優等生が押し潰される話


読み終えた時の


寺口の感想が楽しみ



・・・



残っていた揚げ物やスープなんかを


美味しく味わって


近況やこれからの話をして


みんなで写真を撮った後


そのまま京都に向けて出発した


ガソリンは満タン


お腹もいっぱい


日中たっぷり睡眠をとったおかげで


眠気も無い


少し道に迷いつつも


武生から北陸道へ



・・・



日付が変わって少し経ったぐらいの時間


四條宅に到着


空腹の四條氏と共にファミレスで夜食を摂った後


ぬるいビールを一缶ずつ空けて就寝



・・・



■8/22(土)


「明日は08:30出発やなー」とか言ってた2人は


いつものように揃って寝坊


寝袋持参ながら、床の固さに勝てず


体中に痛みが残る昼前


駐車場を後にした


目的地は大台ケ原


世界でも有数の降雨量を誇り


日本百景、日本百名山、日本の秘境100選など


数々にノミネートされている


三重県の最高峰



・・・



実はこの場所は


一度来た事がある


正確には


一度、限りなく近づいた事がある


その時も四條氏と2人


山道を駆け抜け


大台ケ原の入り口に辿り着くも


降雨量か何かの制限で


通行止めになっていた


その後、大きく変更した帰りのルートで


2人は山道の本当の恐ろしさを味わう事になる


大雨と濃霧と暗闇の中


片方は岩肌、逆サイドは断崖絶壁


「車体擦ってもしゃあない!!落ちるよりマシや!!」と


限界まで神経を研ぎ澄ませて


道かどうかも定かではない場所を


何時間もATのクリープ現象だけで進んだ


(危険過ぎてアクセルを踏む余裕は無かった)


しかも、代車で



・・・



そして、今回


いわばリベンジというか


改めて目的達成を、的なねらいで


前にも通ったような、通ってないような山道を


また同じように走っていく


車内で色んな事を話したけど


「進路、将来といった本質的な話は目的地に着いてから」という


合言葉のような意識が


2人ともの中にあって


道中の話は


割と他愛ない内容やったように思う



・・・



前回シャットアウトされていた入り口も


何の事もなく通過し


大台ケ原に辿り着いたのは夕方


周遊ルートを歩く時間も無く


売店も何処となく閉め始めている



・・・



これは後から調べた事やけど


大台ケ原は


三重・奈良・和歌山の3県に跨る


吉野熊野国立公園の一部


『大台ケ原』という名前の通り


この辺りは頂上が平坦で


周りが急な崖で囲まれる形になっている


『隆起準平原』というこの地形は


日本では珍しいらしい


その特殊な地形と、先に書いた降雨量の多さが


特異な生態系を生み出していて


吉野熊野国立公園の中でも


特別保護区に指定されている



・・・



軽い食事を済ませ


少し山道を歩く


大木と、それを覆うコケ類が


静かな雰囲気を漂わせていて


背の低い笹が


海のように広がっていた


この笹の拡がりは


1959年の伊勢湾台風によって


コケ類が衰退した後に


急速に進んだらしい


結果、それを主食とするシカが増え


生態系がアンバランスになっているという


それを風景としてしか見ていない人間は


ちょうどその時の自分のように


「笹が綺麗だ」と


メカニズム性のない意思に終始してしまう


緑さえ有れば『自然』という訳ではない



・・・



山々がよく見える場所に車を止め


2人で大きな山に叫んだ


同時に、別の言葉を


ある男は未来を取り巻く数多に


ある男は自分の中のもう1人の自分に



・・・



そしてまた別の場所で


将来について話した


もう2人とも


迷いは無い



・・・



南に向けて山を降りる最中


村祭りに出くわす


ちょうど池田町のエコキャンドルのように


そこでは川沿いに灯りが点されていて


命の光のようで


黄泉の国に続くようにも見えて


幻想的な夜を演出している


打ち上げ花火もあるらしかったけど


時間の都合で断念



・・・



その後も山道を南下


大きなダムの、ちょうど真上で


また車を止め


満天の星を見た


海とか、山のように


想像を超える大きな存在に対峙した時


そこで初めて人間は


視野が広がる、というか


大きなスケールでモノを考える事ができるんじゃないか、と


そんな風に思う


寝っ転がって視界いっぱいに星を捉えた時


研究、勉強、バイト、恋愛


脳ミソを満たしていた日常が


点のように小さくなって


やがて見えなくなる


その代わりに


あの星はどれぐらい離れてるんやろ、とか


ヒトも地球も小さいな、とか


じゃあ人生って何だ、みたいな


大きな次元の気持ちが生まれて


脳を覆って、支配して


結局よく分からなくなる


星を見るのは良いけれど


あまり長い間は身体に悪い


何やら厨二病臭いけど


そんな気がする



・・・



その後も


色々話しながら


四條宅に帰還


またビールを一缶ずつ空けて就寝



・・・



■8/23(日)


四條氏を送った後


自分も帰路につく


京都から高速に乗ろかな、と思っとったけど


時間に比較的余裕があったので


だらだらと下道を走らせ


米原から高速に乗った



・・・



帰宅後は風呂に入り


研究室に向かう


本を読みつつ、知らないうちに寝ていた


疲れていたらしい



・・・



もう一頑張り


もう二頑張り