サザエさんー丈夫な歯

 

虫歯のない丈夫な歯は、凶器に使っては駄目です。大事にしましょう。

 

朝日文庫版14巻〔111頁〕・昭和30年

『市電の座席にスーツを着たサザエさんのお父さんと和服を着たお母さんが並んで座っています。お母さんの隣には、お母さんと同年輩の、お友達の奥様が座っています。その奥様は、和服を着て、鼻の高く、話をしている時、白い歯が目立つ奥様です。お母さんと奥様は、顔を見合せて、頬笑みながらお喋りをしています。お喋りがはずんで、笑う口元は白い歯が目立つ奥様です。サザエさんのお父さんは、眠りこけていま』

『お父さんとお母さんは、電車から降り、話しながら歩いています。お母さんが、お父さんに「あの年になって虫歯が一本もないんだって」と話しています。お父さんは、フーンと言わんばかりの、あまり関心のなさそうな顔をしています

『お母さんは、「なんでもかめるんですって」と話し掛けると、お父さんは「口もとが実に若々しいよ、ご主人がうらやましい」と意外なことを言いました』

 

『4こま目の落ちは何が書いてあると思いますか?』

 

ヨドバシドットコムでは、いろんなものを通信販売しています。今日、練歯磨きを買いました。欲しモノなら何でも届けてもらえる便利なお店です。

歯茎が少し痛むので、薬用歯磨きを緊急に買いました。昨日頼んで、翌日の今日、届きました。年老いても歯は丈夫にしたいものです。

 

サザエさんのお母さんのお友達は、虫歯が一本もないそうです。お友達は、その立派な歯を誇らしげに、むき出しにして、お母さんとお喋りしています。

お友達は、お母さんに教えてくれたのでしょうか?

「虫歯は、まだ一本もないのよ。なんでも噛めるは、固いお肉でも、バリバリと噛めるのよ!国産牛でなくても、アメリカの牛だって平気よ!」

とは自慢しないでしょうが、歯が丈夫なのは、羨ましいですね。

あまり関心なさそうな顔をしていたお父さんも、歯の丈夫な奥さんの印象を「口もとが実に若々しいよ、ご主人がうらやましいとまで、お母さんに、あてつけがましく言っています。

 

ところで、4コマ目には、何が描いてあるのでしょうか?

お父さんは、「ご主人がうらやましい」と言っています。

この発言から、お父さんは、この奥さんのご主人には、とんでもないことが起る と予測したのでしょうか?

丈夫な歯は、凶器にもなりますから、凶暴なあらゆる動物は、丈夫な歯、牙を持っています。そんな危険なものを見ていると、こんな歯に噛まれたら大変だと何時も思わされます。

矢張りそうでした。奥さんは丈夫な歯を「凶器」に使ったのです。

4コマ目は次のようです。

『奥さんは、自宅の部屋にいます。部屋には、悲しそうな顔をしたお爺さんが、手の平・指に包帯をぐるぐるに巻いて、三角巾で首から吊り、泣きべそをかいて、座卓の前に座っています。その横に歯を剥き出しにした奥さんが「あなたごめんなさいかんだとこまだいたい」と謝っています』

夫婦喧嘩でもしたのでしょうか、奥様は虫歯が一本もない丈夫な歯を凶器に使い、ご主人の手を噛み勝利を収めたのでしょう。

虫歯のない丈夫な歯は、凶器に使っては駄目です。大事にしましょう。

サザエさんー居留守-2

お母さんは居留守だから、貰ったキャラメルを見せに行けるね!ワカメちゃん。

朝日文庫版12巻〔86頁〕・昭和28年
『サザエさんとお母さんが、部屋で、布団を広げ、襟カバを縫いつけていました。そこへ、浴衣を着たワカメちゃんがやって来て、「しゅう金だって」とお教えてくれました。お母さんは、針に糸を通しながら五月蠅そうな顔をして、「洋服やさん?いまるすといっといてよ」と頼みました』
『ワカメちゃんは、玄関で集金のオジサンの応対をしています。オジサンは、コートのポケットを探りながら、「あらそじゃあまたね」と言いました』
『オジサンは、ポケットからキャラメルの箱を取り出すと、「パチンコで貰ったキャラメルあげるよ」とワカメちゃんの方に差し出しました。ワカメちゃんは、「ありがとう!!」と笑顔で丁寧に受け取っていま』
『ワカメちゃんは、キャラメルの箱を貰うと、スクッと立ち上がると、「おかあさんにみせてきます」と言って、お母さんのいる部屋の方にルンルン気分で駆けて行きました』

ワカメちゃんは、利口だから、ノリスケオジサンのように「オジサン、お母さんは、あいにく、いるすです」とは言わないよね。
玄関で、オジサンに、「お母さんは今留守です」と正しく言ったよね。だからおじさんは、「ああそう」と言ったんだよ。
でもオジサンは、余計なものを持っていたね。パチンコで取ったそうだよ。ワカメちゃん、「そんなものいりません」と言えばよかったのに。
しかし、ワカメちゃんが大好きな美味しいキャラメルだったから、「いりません」と言えなかったね。
北野武のオジサンが「新しい道徳」と言う本を書いて、教科書の道徳について縷縷お説を述べているようだけど、「戴いたものはお母さんに、ちゃんと言う」ことが、磯野さん家の道徳だから、オジサンにキャラメルの箱を頂いたら「お母さんに見せる」のが当然だよね!
ワカメちゃんが、磯野さん家の道徳を、シッカリと守って、お母さんの居留守がバレテしまいました。残念!

サザエさんー居留守-1

 

「今留守」の「ま」抜けは、「居留守」です。

 

朝日文庫版11巻〔76頁〕・昭和28年

『サザエさんとお母さんが、部屋の掃除をしている時、玄関の方から「ごめんください」と大きな声がしました。サザエさんは、その声の主にすぐ気付いて、お母さんに「あっ、げっぷのスプリングコートの集金よ」と伝えました。お母さんは、懐から大きな蝦蟇口を取り出し、開いて中を覗き込むと、「さて困った!」と言っています』

『お母さんは、小ダンスの引き出しから、数個の財布を取り出し、それらの中身を広げました。しかし、支払いに足りないのか困った顔をしていますダ。サザエさんが、お母さんの耳元で、「いるすつかっちゃおうか」と聞きました。すると、お母さんは、「いるすにしとこうか!」と仕方なさそうに言いました。その部屋には、ノリスケさんが居て、新聞を読みながら、2人のヒソヒソ話を黙って聞いていました

『ノリスケさんが、突然新聞を置くと、スクッと立ち上がり、「ぼくでましょう」と玄関に出ました。サザエさんが、両手を合わせ、出ていくノリスケさんを拝んでいます』

『玄関に出たノリスケさんは、そこにいた四角い顔の集金人に言いました。「キミ、いまあいにく、いるすなんだがね」と言いました。サザエさんとお母さんは、呆気にとられています』

 

ノリスケサンは、間抜けですね。集金人さんには「キミ、あいにく、いるすです」と言うべきところ「ま」を抜いて「キミ、あいにく、いるすです」と言ったのです。

居留守とは、家に居ながら留守を装うことだそうで、伝える人が「間抜けな人」で、不用意に「ま」を抜いたら、大変なことになります。

始発のバス停留所で、「まだバスは、来ないのかな!」とイライラしながら待っています。目の前にバスが、一までも停まっています。そのバスの行き先掲示板には、[OUT OF SERVISE]と出ています。何となく、そのバスは、居留守を使っているように思えて仕方ありません。そのバス、早く出てこい、客を乗せて走れ!

サザエさんー小さな雷神様

 

縞柄のパンツを履いた、アセモの角ができた小さな雷神様。

 

朝日文庫版12巻〔115頁〕・昭和28年

『白髪のお婆さんが、産衣を着た赤ん坊を抱っこしています。サザエさんが、でんでん太鼓を持って赤ん坊をあやしています。サザエさんは、赤ん坊の額の両端に大きなコブがあるのを見て、そのコブが、アセモが大きく腫れあがったものだと気付き、「まあ大きなアセモ」とビックリしています。お婆さんは、「かわいそうで」と悲しげな顔をしています』

『お婆さんは、でんでん太鼓を持ち、産衣を着た赤ん坊を夕涼み台に腰掛けさせると、「ぬがせてあげましょう」と言いながら産衣を脱がせました

『赤ん坊は、横縞パンツを着ていました。でんでん太鼓を手にして横縞のパンツを履いて、上半身裸の赤ん坊は、アセモが角のような、まるで小さな雷神様のようでした。怒ったような顔をしている小さな雷神様を、お婆さんとサザエさんはキョトンとした顔をして見ています』

『お婆さんは、小さな雷神様に産衣を着せると、シッカリと抱き締め、幸せそうな顔をしています』

 

赤ん坊は、思いました。今年は、暑い夏だ。お婆さんは、ガーゼ生地の産衣を着せてくれるけど、暑くて仕方ないんだよ!汗が出て仕方ない。そのうち、額に大きなアセモが出来て、それが次第に大きくなってしまったコブは、まるで角のようになってしまった。他所のおばちゃんが「まあ大きなアセモ」と気付いてくれたから、お婆さんが、暑さのためアセモのコブができたのだと気付き産着を脱がしてくれた。

お婆ちゃん!僕は縞柄のパンツを履いているんだぞ!頭にコブの角、縞柄のパンツ、産着を脱げば、小さな雷神様だ!

雷神様だ!怖いぞー、お婆ちゃん早く産着を着せないと暴れるぞー!

お婆ちゃんは、ああ怖い、と産着を着せて、抱き締めました。

僕は、本当は、雷神様ではありません。額のコブは、角ではありません。汗ものコブのように見えるだけです。パンツは、オバちゃんの好きな縞柄です。手に持っている太鼓は、他所のオバちゃんから貰ったでんでん太鼓です。僕は、小さな雷神様のように見える可愛い赤ん坊です!

 

縞柄のパンツを履いた、アセモの角ができた小さな雷神様。

 

朝日文庫版12巻〔115頁〕・昭和28年

『白髪のお婆さんが、産衣を着た赤ん坊を抱っこしています。サザエさんが、でんでん太鼓を持って赤ん坊をあやしています。サザエさんは、赤ん坊の額の両端に大きなコブがあるのを見て、そのコブが、アセモが大きく腫れあがったものだと気付き、「まあ大きなアセモ」とビックリしています。お婆さんは、「かわいそうで」と悲しげな顔をしています』

『お婆さんは、でんでん太鼓を持ち、産衣を着た赤ん坊を夕涼み台に腰掛けさせると、「ぬがせてあげましょう」と言いながら産衣を脱がせました

『赤ん坊は、横縞パンツを着ていました。でんでん太鼓を手にして横縞のパンツを履いて、上半身裸の赤ん坊は、アセモが角のような、まるで小さな雷神様のようでした。怒ったような顔をしている小さな雷神様を、お婆さんとサザエさんはキョトンとした顔をして見ています』

『お婆さんは、小さな雷神様に産衣を着せると、シッカリと抱き締め、幸せそうな顔をしています』

 

赤ん坊は、思いました。今年は、暑い夏だ。お婆さんは、ガーゼ生地の産衣を着せてくれるけど、暑くて仕方ないんだよ!汗が出て仕方ない。そのうち、額に大きなアセモが出来て、それが次第に大きくなってしまったコブは、まるで角のようになってしまった。他所のおばちゃんが「まあ大きなアセモ」と気付いてくれたから、お婆さんが、暑さのためアセモのコブができたのだと気付き産着を脱がしてくれた。

お婆ちゃん!僕は縞柄のパンツを履いているんだぞ!頭にコブの角、縞柄のパンツ、産着を脱げば、小さな雷神様だ!

雷神様だ!怖いぞー、お婆ちゃん早く産着を着せないと暴れるぞー!

お婆ちゃんは、ああ怖い、と産着を着せて、抱き締めました。

僕は、本当は、雷神様ではありません。額のコブは、角ではありません。汗ものコブのように見えるだけです。パンツは、オバちゃんの好きな縞柄です。手に持っている太鼓は、他所のオバちゃんから貰ったでんでん太鼓です。僕は、小さな雷神様のように見える可愛い赤ん坊です!

サザエさんー樽

 

樽の重しが落ちない安全で、美味しい白菜漬けの方法を考えましょう

 

朝日文庫版12巻〔2頁〕・昭和28年

『サザエさんが、大きなざるに一杯の白菜を、包丁で縦割にし、大きな樽に漬け込んでいます。漬け込んだ白菜は、樽から溢れんばかりで、サザエさんは、上から蓋をして、力一杯押さえています』

『押さえ込んで、蓋をした後、不安定な蓋の上に、両手でやっと持ち上げることが出来るくらいの大きな石を、額に汗して運んで来ると、重しとして、蓋の上に置きました

袢纏を着て、前掛けをし、腰に籠を取りつけたご用聞きのお兄さんが、やって来て、「こんにちは」と大きな声で叫びました。その声に、勝手口から姿を現したサザエさんは、「シ~ツ」と抑えています』

『樽の上の重しの石が、ユラユラと揺らいでいます。サザエさんは、両手を突き出し、御用聞きのお兄さんに、物を抑える様な身振りをして見せました。樽の上の重しの石は、前後左右にユラユラと揺れ、今にも落ちそうです。ご用聞きのお兄さんは、抜き足差し足で樽に横を歩いています』

 

桶と樽は、用途が違うそうです。桶は水を汲んだりする道具、一方、樽は酒や醤油を貯蔵したり運搬したりする道具で、それぞれ、使用する木材、機能に特徴があるそうです。

だから、サザエさんが、白菜を漬け込んでいるのは、です。

昔、少年のころ、樽に白菜お漬け込むのを手伝ったことがあります。確か、笊の中の白菜は、一個一個、縦割にし、広げた茣蓙の上に並べ、日干しにした後漬け込んだ記憶があります。多少、しんなりとして、水気が飛んだ白菜を、樽の中に並べて置き、塩を振りかけ、その上に、更に、白菜を並べ塩を振りかける。これを繰り返し、樽一杯になるまで、幾層にも漬け込んで、蓋をして、重しを乗せていたと思います。

これからすると、サザエさんの白菜の漬け方は、荒っぽいやり方に見えます。

サザエさんは、笊一杯の白菜を買ってきて、直ぐに、縦割に切って、樽の中に入れています。勿論、塩は振りかけているでしょう。白菜が樽からはみ出しているところから見ると、幾層にも漬け込んだようです。しかし、どうやら、日干しをしていないようです。だから、元気の良い、生き生きとしたままの白菜は、塩を振ったくらいでは直ちに萎れることはなく、樽の中で、盛り上がり、蓋をしても、盛り返し、重しの石も押し返さんばかりに元気です。

この漬け方のため、樽の上の蓋が、不安定になり、重しを乗せても、その石は、今にも落ちてしまいそうなのでしょう。

ご用聞きの声に反応して重しが、ぐらぐらと動く、それを抑えるためサザエさんは、物音に気をつけねばならず、忙しそうです。もしも、樽の傍に近づいた人の足の上に落ちてきたら、それこそ大変だ!

サザエさんの漬け方でも、美味しい漬物が出来るでしょうが、次回は、もっと安全で、美味しい白菜漬けの方法を考えましょう!

サザエさん―ワカメちゃんの悩み

 

お父さんのようなハゲ頭にはなりません、何時までも、ワカメちゃんの頭は、お母さんのように真黒な髪の毛で一杯です。

 

朝日文庫版12巻〔2頁〕・昭和28年

『ワカメちゃんが、女の子の友達と外で遊んでいました。すると、よそいきのスーツを着たオジサンが、女の子を連れて歩いてきました。ワカメちゃんの友達が、そのオジサンを指さして、「おとうさんがちじれっけだから」と言い始めました。ワカメちゃんも、そのオジサンの方を見ました。友達が言うように、オジサンの髪の毛は、ちじれっ毛でした』

『友達は、続けて、オジサンが手を引いている女の子を指さして、「あのこも、ちじれているのよ」と言いました。ワカメちゃんは、女の子を見ました。友達が言うとおり、女の子の沢山の髪の毛は、二つのリボンを飾った、ちじれっ毛でした』

『その時、会社から帰って来た、ワカメちゃんのお父さんが、2人の横を通り過ぎました。ワカメちゃんは、思わずお父さんの頭を見ました。その頭は、両耳の間に、若干の髪の毛が残っているだけで、その上の方は、頭の天辺に一本の髪の毛が残っているだけです。その周りは、ツルツルで、髪の毛のないハゲ頭です。ワカメちゃんは、自分の頭が、お父さんのように、天辺に一本の毛があるだけのツルツルのハゲ頭を思い浮かべました』

『ワカメちゃんは、家に帰っても、うな垂れて思い悩んだ様子で、廊下に腰掛けています。ワカメちゃんの様子がおかしい、と気付いたお母さんが傍に寄って来て、「ワカメどうしたの」「ばかにふさいでいるね」と気遣っています』

 

ワカメちゃん、心配だね!お父さんの頭のように禿げて、天辺に一本の髪の毛が立っている女の子になるかも知れないぞ!

お父さんと、一緒に散歩も出来なくなるね。友達が、ワカメちゃんも大きくなったら、頭の天辺に毛が一本のハゲ頭と思うかもしれないね!

ワカメちゃん、お父さんに、お願いしてみたら!「お父さんお願いだから、カツラを被って!」。でもお父さんも、頭を気にしているんようだよ。何時だったかな?お父さんがカツラを被っていた時があっただろう。似合わなかったね!

あれ以来、お父さんは、カツラを被っていないようだね。

ワカメちゃん、心配いらないよ!悩むことは絶対にないよ!「ワカメどうしたの」「ばかにふさいでいるね」と言ってくれたお母さんの頭を見て御覧!ハゲ頭ではないだろう。ほら、真黒の髪の毛が、頭に一杯乗っている。ワカメちゃんの頭もお母さんの頭のように、お母さんに貰った髪の毛が何時までも、生えているよ!絶対にハゲ頭にはならない、安心しなさい!

サザエさん―荷車を引く馬の行き倒れ

 

行き倒れの馬へ感謝するお父さん。

 

朝日文庫版10巻〔19頁〕・昭和27年

『日除けの帽子を被り、頬かぶりをした、馬車曳きのオジサンが、炎天下の道で馬車を曳いています。沢山の荷物を積んでいる荷馬車の荷車の向こう側にサザエさんのお父さんが、並ぶようにして歩いているのが見えます』

『突然、荷車を曳いていた馬が「ドサッ」と音を立てて道路上に倒れました。荷車と並ぶように歩いていたサザエさんのお父さんは、口をウワーツと開いて驚いています』

『サザエさんのお父さんは、バケツに水を汲んで来ると、倒れた馬に水をかけています。馬車曳きのオジサンは、日除けの帽子に手をやり、「だんなどうもすみません」と冷静にお礼を言っています』

『倒れた馬はお陀仏になっています。倒れた馬の頭を布切れで覆い、体には筵を被せられました。サザエさんのお父さんは、右手には、拾ったホカホカの馬糞が入った木製のゴミ取りをぶら下げ、右手にはゴミ取りバサミを持って、「わしもまんざらえんがないわけじゃない」とほほ笑んでいます。馬車曳きのオジサンは、お父さんの顔をジーつと見ています』

 

これも遠い昔の話です。磯野家は、どこに住んでいたかはわかりません。しかし、サザエさんのお父さんが、「東京に転勤になり、東京に転居した」ようです(朝日文庫版1巻〔117頁〕・昭和21年)。東京と言えば、昔から都会です。田舎とは違います。こんな都会でも、昔は、街中を,荷車を曳いた馬車が、行き来していたのですね!

今時では、大きな荷物や重量物は、車、トラックやバンなどで運びます。しかし、戦後の昔、街中を馬車が運んでいました。

そうですね、荷馬車には、未だ消えない記憶が残っています。中学時代、アルバイトをしました。国鉄の駅で、貨車から降ろされた金属屑物を、馬車の荷台に乗せる労働でした。作業中、馬車を曳いている馬が、他の荷馬車を曳いていた馬のお嬢さんを見て、興奮しました。ヒヒンと馬の巨体が棒立ちとなり、驚かされました。

その時に見たような荷馬車が、東京の都会でも、重量物を運んでいたようです。

そんなこともあったなー昔を思い出して感無量ですが!ここでは、荷車を曳いていた馬が行き倒れになっています。こういうことが、実際にあったんでしょうね!馬も食べ物を余り与えられず、酷使されて、力及ばず倒れてしまう。東京の都会でも、そんなことがあっただろうと思わせる戦後の過酷な話です。

一方、サザエさんのお父さんは、食糧難の時代、自宅の庭に畑を作り、野菜や根菜を育てていた様子が時々見受けられます。育てるための肥料も、人や動物の糞です。昔の本当にあった話です。馬糞、これは、お父さんにとっては、絶好の肥料だったようです。今日だけでなく、他の日にも道路上の馬糞を拾っていました。今日も道路上の馬糞を拾っていると、目の前で、馬が倒れて、お陀仏になってしまったのです。厳しい時代だったのですね。馬が倒れてお陀仏なっていると言うのに、サザエさんのお父さんは、馬糞を手放すことをせず、馬糞を呉れたお馬さんに、お礼を言っているのです。何時も肥料の馬糞を頂きありがとう。本当に厳しい時代だったと思います。

サザエさん―レントゲンの使い方

 

レントゲン検査は、病の原因を検査するものです。正しく使いましょう。

 

朝日文庫版12巻〔96頁〕・昭和28年

『サザエさんのお母さんが、お歳暮の化粧箱を持って、町の病院を訪れました。病院の待合室の入口で、お母さんは、病院の奥様に、箱を渡しています。眼鏡を掛け、着物の上から羽織を羽織っている鼻の高い奥様は、にっこり微笑んで受け取っています』

『奥様は、箱を持って診察室に入っていきました。診察室には、ツルツルのハゲ頭の先生が、縁なしの眼鏡をかけて新聞を読んでいました。先生は、奥様が持ってきた箱をジロリと見ています』

『先生が、レントゲン室から箱を持って出てきました。レントゲン室の前にいる奥様に、箱を両手に捧げるように持って渡すと、「かつおぶしだ」と言いました。奥様は「ああそう」と言って受け取っています』

『奥様は、羽織の上にショールを掛けて、化粧箱を両手の捧げ持ち、佐野病院と表札の掛かった病院の門を出ていきました。レントゲン検査でカツオ節と診断されたお歳暮の箱を何処かへ廻しているようです』

 

本当ですか?箱の中身がレントゲン検査で“鰹節だ”と判りますか?しかし、レントゲン検査を、こんな風に利用、いや悪用して良いのでしょうか?

ひょっとすると、「良いんだよ、レントゲンでは何でもわかるんだよ」とおっしゃるかもしれません。しかし、箱の中の鰹節はどんな画像なのでしょう、見てみたいものです!

どんな画像か分かりませんが、先生は、名医ですから、画像から、箱の中が「鰹節」だと判るのでしょう。

こんな調子でレントゲン検査などしないで、患者さんのレントゲン画像は、病気の治療のために、正しく判断し、間違いのないように利用して貰いたいものです。お医者さんに望みたいのは、信頼できる先生であることです。この先生大丈夫かな!

サザエさん―お婆さんにならなくて良かった

 

玉手箱の煙ではないので、菓子箱から出るドライアイスでは、お婆さんにならないよ!ワカメちゃん。

 

朝日文庫版11巻〔6頁〕・昭和28年

『ワカメちゃんが、外で遊んで家に帰ってくると、縁側に大きな菓子箱が置いてあり、その横に畳んだ座布団が置いてありました。ワカメちゃんは、それらを見て、すぐに、お客さんが来て、このお菓子が入った箱を置いて帰ったんだと、気がつきました』

『ワカメちゃんは、箱の中を見たくなりました。コッソリと紐を解いて、蓋を取ると、白い煙が、ホワーッと立ち昇りました。ワカメちゃんは、ビックリしています』

『ワカメちゃんは、直ぐに三面鏡の前に行き、自分の顔を念入りに見ています。顔中皺だらけのお婆さんになっていないか確かめています』

『お母さんが、白い煙が立ち昇る箱の中から、ソフトクリームを取り出し、ワカメちゃんの方に差し出しています。サザエさんが、白い煙を指さし「ドライアイスよ」と教えてながら、ワカメちゃんの腕を取り、お母さんが差し出すソフトクリームの方に引っ張って、戴きなさいと促しています。タラちゃんは、何時の間にか貰ったソフトクリームを、既に食べています』

 

昔々の遠い昔の話です。

長ーい海辺が続く“ある村”に、見目麗しい娘のような青年がいました。彼は周りの娘たちが騒ぐのに全く関心がない様子です。彼の好きなのは、魚です。好きな魚を釣ることです。仕事のない、天気の良い日には、腰蓑を着け、袢纏を纏い、葦で編んだ帽子を被り、釣竿を肩に担ぎ、魚籠を手に持って、ブラブラと海岸を歩き、魚が釣れそうな岩場までノンビリとやってきます。村の娘を釣らず、魚を釣るのです。

ある天気の良い日、青年は、何時ものように釣竿を肩に、海岸を歩いていると、竹の棒を持った数人の子供達が、大声で叫びながら砂の上の何モノかを叩いています。青年は、何事かと思い、子供達の方に駆けて行きました。そこには、米俵のような大きな亀が、涙を流してうずくまっていました。子供たちは、それぞれ持っていた棒で亀の甲羅を叩いています。亀は、大きな目に一杯の涙をため、子供達が頭を叩いてくると、甲羅の中に頭を竦めています。

子供たちに苛められている亀を見た青年は、精一杯の大きな声を出し、「みんなヤメロ、亀が泣いているぞ。かわいそうなことをするんじゃない」と叱りつけました。子供達の中には、不満そうな顔をして睨みつけてきました。しかし、青年が大変怒った顔をしているので、「ばか野郎!」と叫びながら走り去りました。青年は、亀に近づくと、甲羅を持ち、重い亀の体を海の方に向けてやると、「おい亀君、一体どうしたのだ。人の子がお前を苛めて大変申し訳ない。海に戻ってお前の住みかに帰ってくれ」と海に帰してやりました。

そんなことがあった数日後の、天気のいい日に、青年は、好きな魚釣りに行きたくなりました。何時ものような姿で海辺を歩いていると、砂浜の波打ち際に大きな亀が、待ちかまえていました。近づくと、亀は「お兄様!先日のお兄様!!」と呼びかけて来るのです。青年は、ビックリして、亀を見つめると、その顔に見覚えがありました。あの時、涙をためていた大きな目が印象に残っていたのです。そして、「俺のことか」と言うと、「ハイ、さようでございます。この間、危ないところを助けていただき、私が住んでおります竜宮城に帰り、お姫様に、見目麗しい若者が、子供たちに苛められていた私を助けてくれました」とお話ししましたところ、お姫様は、大変お喜びになり、感謝され、「私もぜひその方にお会いしたい」と仰せられました。そして、「お前は、毎日、その海辺に行って、その方をお連れしろ!と命じられました。海辺に通い続けて五日目の今日、やっとお会いできました。竜宮城にお連れしますので、私の背にお乗りください」

と言いました。

この後、若者は亀の背に乗り、海の中を竜宮城に行きました。その後は、お姫様に大変歓待され、若者は時の過ぎるのも忘れてしまいました。若者がなぜ帰りたくなったのかは定かではありません。若者は多分、お姫様に申し出たのでしょう。「毎日、大変ご馳走になり、好き勝手なことをしておりますが、魚は食べるだけで、私が大好きな釣りは、あれ以来、一度もしておりません。故郷に帰り、あの岩場で釣りをしたくなりました。申し訳ございませんが、故郷に帰していただきたい」。しかし、お姫様は「何を言う、わがまま言うでない、このまま何時までも、私の傍にいろ」と仰せられましたが、若者は、秘かに、助けた亀に相談したところ、亀は「それほどまでに、故郷で釣りがしたいとお望みならば、私がお送りします」と助けてくれたのです。

亀は、若者を背に海辺に送ってくれました。別れるとき、亀は、甲羅の中から、秘かに持ってきた玉手箱を若者に渡しました。「これはお姫様が、貴方が故郷に帰る時渡そうと仕舞いこんでおられたもの、昨日、私が黙って盗んでまいりました。お納めください」と言うのです。若者は、「盗んだものを頂くわけにはいかないと断わっていました」が、亀が強く押しつけるので、戴いてしまいました。

若者が浜辺に立って言うのです。「此処から出て行った日から、今日まで幾日が過ぎているのだろう。亀君を見ても、全然変わっていないから、それほどの日は過ぎていないだろう」

亀は、黙って聞いていましたが、「それではお別れします、お元気で」と言うと海の中に泳ぎ去りました。

 

さてそれから若者はどうしたのでしょう?

ワカメちゃんと同じように、箱の中に、なにやら素晴らしい楽しい物が入っていると思ったでしょう。

砂浜に座り込むと直ぐに蓋を取りました。フワーッと白い煙が立ち昇りました。箱の中は煙だけでした。何もありません。しかし、大きく変わったものがありました。過ぎ去りし歳月です。過ぎ去りし歳月は、体に現れます、髪の毛は白くなり、顔の皮膚は皺だらけでこわばってしまいます。乙姫は、若者にそんなものをプレゼントしようとしていたんのです。そう思うとなんだか怖い話になります。

は千年、は万年と言います。若者が最後に見た亀は、まだまだ、歳を取っておらず、初めて遭った時と殆ど変わらぬ姿でした。しかし、たかが長くて100年のである、若者は、故郷に帰って時は、白髪で皺だらけのお爺さんだったのです。

上記で、若者とは、浦島太郎さんのことです。

 

ワカメちゃん!お姉さんから聞いた昔話と少し違うと思うけど、その箱の中の煙ではお婆ちゃんにならないから心配しなくてもいいよ。

ワカメちゃん、その箱の中には、アイスクリームが入っているんだ。ドライアイスという冷たいものも入っていて、アイスクリームが何時までも溶けてなくならないようにしているんだ。

お姉さんが、お土産に持って言ったアイスクリームの箱の中にも入っていたはずだよ。慌てて駆けまわることはなかったと思うよ。

サザエさん―変わった健康法

 

この健康法では、頭にコブしかできません。

 

朝日文庫版10巻〔119頁〕・昭和27年

『サザエさんのお父さんが、孫のタラちゃんと手を繋いで公園を散歩していました。散歩中に向こうからマドロスパイプを咥え、ヘアーキャップを被ったオジサンに出くわしました。オジサンは、お父さんの知人らしく、2人は、お喋りをしています。お父さんが、「わしのけんこうほうは、水をかぶること、こいつはいいですよ」と自慢げに言いました。すると、オジサンは「ふんそうですかなァ」と関心ありそうに答えました。タラちゃんは、お爺さんに手を取られ、キョロキョロと辺りを見回しています』

『オジサンは、パンツ一つになって、ガタガタと震えながら、浴室に入っていきました。ふろ場の床には、蛇口の下には洗面器が置いてあり、水が張ってあります』

『オジサンは、いきなり洗面器を頭上に持ち上げると、頭の上で洗面器を引っくり返しました。すると、洗面器の大きさの氷が頭の上の落ちてきました』

『オジサンは、丹前に包まれ、頭に包帯をグルグル巻いて、悲しそうな顔をしてコタツに入っています。』

 

年老いてくると、体力も衰え、脚も弱っていきます。何とかしないといけないと、常々、思っているだけで何にもしない。

そんなとき、道であった知人が、「この健康法は体にいいですよ」などと言って教えてくれると、やってみようかなーという気になります。

知人でなくても、テレビのコマーシャルは、あれこれとお節介をやいてくれます。健康器具、サプリメント、健康トレーニング法などなど沢山あります。こんな商売気たっぷりなお節介に付き合っていると、経済的にも馬鹿にならないでしょう。

その点、サザエさんのお父さんが教えてくれた健康法は、経済的です。金がほとんどかかりません。ただ単に、水を被るだけですから!

しかし、この健康法も欠点があります。

寒い日では、特に水も凍りつくような寒い日には、やってはいけません。放置された水は、凍りつくと固い個体になってしまいます。こんな岩石のように固い氷を頭の上に落としたら、痛く、コブができ、個体の氷の角が、頭に当たると血が出ることもあります。

サザエさんのお父さんは、危険な健康法を教えてしまったのです。

伯父さんも、氷を被る前に、ヨーク、洗面器の中を確認すべきでした。寒い日には風呂場に置いてある洗面器の水も凍ることもあるのです。

サザエさんのお父さんは、決してを被るのが健康にいいと教えていません。あくまでも健康にいいのは、を被ることです。

オジサン!氷を一回かぶってコブができたくらいで、水を被る健康法をやめないでください!毎朝とは言いません、を被る健康法を続けると、きっと風邪も引かずに冬を過ごせると思います。サザエさんのお父さんが教えてくれた健康法は間違いないでしょう。正しく実行すれば、決して危険な建候補ではありません。