サザエさん―雑(6-老人ホーム)
国に買収された土地が買い戻せるとしても、2円60銭/坪では格安過ぎる。
朝日文庫版42巻〔111頁〕・昭和46年
『老人ホームがあります。その門の前に、中年の男性とその奥さんの中年の女性とその息子の中学生の3人が乗った自家用車が、走ってきました』
『3人は車から飛び出すと、老人ホームと書いた表札が掛かっている門の中に、、走って入って行きました』
『中年の男性は、ハゲ頭の丹前を着たお爺さんを背負って「ホイホイホイホイ」と掛け声をかけながら、自家用車に向かって走って出てきました。奥さんの中年の女性は、「おじいちゃま」と大事そうに声をかけながら走っています。息子の中学生は、ボストンバッグと傘を持って走っています』
『老人ホームの門のところには、おじいさんやおばあさんたちがいます。そこにサザエさんもいます。サザエさんが、おじいさんやおばあさんたちに「旧地主さん!!」と尋ねています。おじいさんやおばあさんたちは、羨ましそうに「ええ政府が2円60銭で返すというクチ」と答えています』
この落ちもわかりません。調べてみました。ありました。
「原文のまま、次の通りでした。
◆P111、2円60銭について調べてみた
1971年2月にあったこと
政府は、農地法施行令の一部改正をこの日の閣議で決めた。
農地法施行令で国が強制買収した土地で未処分のものを坪あたり2円60銭で買い戻すことができるというもの。格安である。ただ旧地主という条件があるため、老人ホームへ入れていた父親を息子が飛んで迎えに来るわけ。」
こんなことがあったようです。◆
詳しくは、次のような落ちのようです。
息子夫婦が父親を老人ホームに入れていた。お父さんは、不動産を持ち地主である。この時期、政府が閣議で農地法施行令の一部を改正した、『国が強制買収した土地で未処分であれば、坪あたり2円60銭で買い戻せるという改正』だったらしい。
そこで、老人ホームに放り込んでしまっていた地主である父親を、老人ホームから連れ出して、地主として、自宅に住まわせ、国に買収され、まだ未処分であった不動産を2円60銭/坪で買い戻そうという魂胆のようです。
このおじいさんの土地ですから、家にいて買い戻しの手続きなどをやるのでしょう。
息子が背負っていた親父さんは、1000坪の土地は、持っているような風格をしていますから、いくら戻ってくるのでしょう?
2.6円×1000坪=2600円
エツ!僅か2600円、確かに格安で買い戻されるのですね。
それでも、お父さんを家に戻ってもらうのでしょうか?
そのまま、老人ホームにいた方が幸せでは?