サザエさん―喧嘩(15)

 

安倍総理の真似は、止めましょう。

 

朝日文庫版41巻〔134頁〕・昭和45年

『髪をアップにして後頭部の上で束ねた、どう見てもオバサンにしか見えないオバサンが、コタツの板の上にトランプを並べ遊んでいます』

『そこへ旦那さんが会社から帰って来ました。直ぐに夫婦喧嘩が始まりました。旦那さんが、「メシのしたくもしないでトランプあそびか」と顔をゆがめて文句を言うと、オバサンは、「佐藤首相だってトランプ占いやるワヨ」と怖い顔をして言い返しています』

『旦那さんは、頭にきたのか、オバサンの顔に「パチーン」と大きな音がでるほど強く殴りました。オバサンは、目から火花を飛ばして倒れました』

『丁度その時、夫婦喧嘩をしている家の窓の外を買い物帰りのサザエさんが通りかかりました。家の中から旦那の「サトウ首相だってなぐったぞ!」と怒鳴る声が聞こえてきました。それを聞いたサザエさんは、「せいじしょくゆたかなケンカね」とあきれています』

 

旦那さんの怒りようから、大変な夫婦喧嘩が始まりました。

この夫婦げんかで、元佐藤総理が出てきます。オバサンが「佐藤首相だってトランプ占いやるワヨ」と言うと、旦那が「サトウ首相だってなぐったぞ!」と言っています。

何だ!これはと、「佐藤首相だってトランプ占いやるワヨ」を調べてみました。判りません。次に「サトウ首相だってなぐったぞ!」を調べてみたら判りました。Wikipediaによると、「彼は、癇癪持ちで、じっと我慢は苦手だったという。発話がドモリぎみということもあり、腹をたてると口より先に手が出ることが多かった。手が早いといっても殴ることは少なく、テーブルをたたいて怒りの言葉を発したという。寛子夫人が週刊誌の対談で「私は若い頃主人に殴られたことがある」と洩らしたことから、訪米の際、米誌に「ワイフ・ビーター(妻を殴る男)」として紹介されたことがある。のだそうです。

この米誌に紹介された「妻を殴る男」を、この旦那が実践し、総理もやるから、俺もやると殴りつけたのでしょうということのようです。

佐藤元総理は、安倍総理の大叔父だそうで、まさか、安倍総理が、副総理の妹さんを殴ることはないでしょうが、発話がドモリぎみということもあり、腹をたてると口より先に手が出ることが多かった」というところは気になりますね。多分、自分勝手な性格ドモリ気味なお喋りが似ているかもしれません。つまらぬことを見てしまいました。

「総理もやるから、俺もやる」と真似していると、人の言うことを聞かない人間になってしまいますよ!止めましょう!!

サザエさん―喧嘩(14)

 

オバサンと呼ぶのが相応しいご婦人は、どんな女の人でしょう?

 

朝日文庫版42巻〔77頁〕・昭和46年

『屋根つき門扉の立派な家の前で、髪を高く結い上げオバアサンが、エプロン姿で、バケツの水を、柄杓ですくい、水撒きをしています。そこへ録音機とマイクを持った青年が寄ってきて、「オバァさん婦人週間にケイモウしたいことは?」と街頭録音を始めました』

『オバァさんは、カンカンに怒った表情をして、柄杓の水を、青年の頭の上に降り注ぎました。青年は、突然、頭から水を掛けられ身震いをしています』

『オバァさんは、青年に水をかけて、「70歳前後をバアさん呼ばわりしないこと」と柄杓を手に、酷い形相で怒っています。そこへ、長袖のセータとタイトなスカートを着た、肥満体のオバサンが現れ、「そうよ」と言いながら入ってきました。青年は、頭から水を流しながら、ただ茫然としています』

『肥満体のオバサンは、オバァさんの傍にあったバケツを持ちあげると、「50前をオバサンというな!」と言いながら、バケツを青年の頭の上で引っくり返しました。青年は、頭の上から、体中に水を浴びて、もうどうにでもなれと言わんばかりの表情です。ワカメちゃんが、その哀れな青年を見ています』

 

そうですね、ご婦人の呼び方は、気を使います。

サザエさんにも、沢山のご婦人が登場します。そのご婦人の絵を見て、このご婦人は、どう呼べば、失礼にならないか?と戸惑います。

腰が少し曲がり、顔のしわの数を見て、オバアサンと呼んでも叱られないだろうと判断した時は、「オバアサン」と呼ばせてもらっています。

多分、このようなご婦人であれば、70前ではなく、70は過ぎていると思われますから。オバアサンとよんでも叱られないでしょう。

問題は、「オバサン」です。恐らく40を過ぎ50前のご婦人を「オバサン」と呼んでも良いのだろうと思います。

しかし、最近は、テレビショップなどで紹介されるご婦人達のようには、50を過ぎて60に近くても、若く、とても、こんな「40前のご婦人」としか見えません。多分褒めすぎのお世辞になりますが、ご婦人の年齢がちょっと見では判らくなりました。だから、絵を見て軽く、オバサンとは呼ばないことにしています。「オバサン」と言わず、お嬢様、奥様、女性、女の人などと呼んでいます。

オバサンと呼ばれて腹が立つのは、やはり「50前をオバサンというな!」と怒っているように、綺麗で若く見える人は「オバサン」と呼ばない方が無難です。

最近は、お化粧術が向上し、次第に「オバサンが少なくなった」のでしょう。

しかし、青年にバケツの水を浴びせたオバサンは、やはり肥満体の「オバサン」と呼ぶのがふさわしいようです。

オバサンと呼ぶのが相応しいご婦人は、オバサンと呼ばれて嫌がるご婦人は、どんな女の人でしょう?

40を過ぎ50前でも、オバサンで良いではありませんか!オバサンと呼ばれるのがそんなに嫌ですか?

サザエさん―喧嘩(13)

 

駅で並んでいる列に割り込んでくる悪い奴は、駅員さんに取り除いてもらいましょう。

 

朝日文庫版40巻〔95頁〕・昭和45年

『駅の待合室に「きせい列車」と書いた立て札の前に、トランクやリュックを持った沢山の人達が腰を下ろして、並んで待っています。大変混雑しています』

『と、そこへ、黒いサングラスをかけ、ストローハットを被った、頑強そうな男が、座っていた太った普通のオジサンの前に割り込んできました。オジサンは、怒った顔をして、割り込んできた頑強そうな男を見上げています』

『すると、オジサンは、すくっと立ち上がり、割り込んできた頑強そうな男の頬を平手でぶちました。余りにも強く平手をかましたので、男の黒いサングラスとストローハットは、飛んでしまいました』

『平手を食らった頑強そうな男は、怒って腕を振り上げています。と、平手をくらわしたオジサンは、右手を開いて見ています。手の平には、蚊が張り付いています。オジサンは、割り込んだ男にその蚊を見せて、申し訳なさそうな表情で、頭を引っ掻いています。蚊は、前から張りつけておいたもので、割り込んだ男が、本当に強い奴だったので、手の平を開いて蚊を見せて、あなたのホッペに蚊が止まっていましたと言っているようです』

 

割り込み防止対策として、か弱いオジサンが考えた方法だったようです。

事前に、手の平に蚊を糊づけして、割り込んでくる者が来ないか待っている。

こんなに混んでいるので、割り込みをしてくる悪い奴は居る筈だ。

案の定、強そうに見える男が割り込んできた。

こんな男に割り込まれたら、大人しい俺は、黙っているしかない。

いやそうではない、今は、俺が考えた防止策を試す絶好のチャンスだ!

俺は、割り込んでくる強そうに見える男の前に立ちはだかりました。

そして、蚊を張り付けていた右手で、その男の頬を思いっきり叩きました。

男が掛けていた眼鏡と帽子が吹き飛んでしまいましたから、俺は相当強く叩いていました。さすがに、男は怒り、右手の拳を振り上げて俺を殴ろうとしました。やはり、割り込みをしようとする男は、強い男で、暴力で俺を叩きつぶそうとしました。

これはいけない、俺は、殴られる寸前に蚊を張り付けた右手を、パッと開き。男の眼の前に突き出し、「あなたの頬っぺたに蚊が止まっていました」と教えてやりました。男は「あそうだったのか」と頬っぺたをさすりながら、何処かへ行ってしまいました。

となる筈でした。しかし、俺の平手打ちが、サングラスも帽子も飛んでしまうほど、余りにも強すぎたので、男は、完全に怒ってしまい、私は、並んでいたところから引きづり出され、ポカポカと殴られてしまいました。駅員さんが飛んできて、止めてくれなかったら、俺はどうなっていたか分かりません。

下手な、割り込み防止策なの考えない方がいいです。駅員さんがしっかりと見張っていますから、割り込みがあったら知らせましょう、これが一番の割り込み防止法です。

サザエさん―喧嘩(12)

 

野球の八百長も、賭博もやっってはいけません。

 

朝日文庫版39巻〔89頁〕・昭和44年

『野球帽を被り、ユニホームを着たカツオ君が、お寺の境内で、野球の試合をやっていました。ファーストのベースを囲み、ランナーのカツオ君と相手のファーストとピッチャーが、大きな声て争っています』

『カツオ君と相手のファーストが、互いにののしり合って、掴み合い、殴り合いを始めました』

『と、そこへ、袈裟を着たお坊さんが出て来て、2人のユニホームの襟を掴んで、争っている二人を抑えると、「負けて勝て」、「負けて勝て」と繰り返し、言い聞かせています。力強く襟を掴まれている2人は、どうしようもなくお坊さんを見ています』

『すると、2人は、お坊さんに「八百長野球みとめろてえの!!」と反撃しました。お坊さんは、黙って消えてしまいました』

 

確かに「負けて勝て」と言うのは、八百長をしなさいと 言っているように聞こえますね。

お坊さんの、「負けて勝て」とは、どう解釈するのでしょう。

「負けるが勝ち」という諺があります。

大辞林では;時には、あえて争わずに相手に負けたことにしておいた方が、結果的には有利になり、勝ちに結びつくことがあるということだそうです。

こういう道徳は、ビートたけしさんは、決して、子供たちに強制することはないと思います。シッカリと話し合い、決着をつけて勝ち負けを決めなさいと言うでしょう。

今、巨人軍の福田投手が野球賭博をやっていたそうで、話題になっています。

この事件は、巨人軍にとって大きな痛手となりそうです。

カツオ君たちが、お坊さんに抗議して言う八百長野球は、選手たちが不正をして、勝ち負けを決め、賭博をやることのようですから、福田選手が、他の野球の勝負の勝ち負けに、金を賭ける野球賭博とは違います。

お坊さんが言いたい「負けて勝て]と言う言葉は、子供たちには、「負けていることにして、勝を譲れば、きっと良いことがある。そうすれば、争いは起こらないよ」ということですが、お坊さんの言葉を素直に取れば、負けているのに勝ちにするのは、まるでプロ野球の八百長のようだと理解したのでしょう。

折角、お坊さんが良いことを言ってくれたのに、子供達は、むきになって。「八百長野球みとめろてえの!!」と叫んでいます。

サザエさん―喧嘩(11)

 

新しく買った靴を投げ合う夫婦喧嘩です。

 

朝日文庫版35巻〔37頁〕・昭和42年

『3足のレディシューズが出してある玄関で、サザエさんが涙を流して立っています。傍で、バックを持った出勤前のマスオさんが、散らかって置いてあるレディシューズを指さし、怖い顔をして怒っています。マスオさんは、「きょ年買った白グツがあるじゃないかッ」と言い、続けて、「買うこたァない」ときめつけました』

『靴屋さんの店先です。マスオさんが、「と、怒鳴ったものの、そこは夫婦の情愛だ」と言いながら、レディシューズを買っています。店のお爺さんは「ありがとうぞんじます」とお礼を言いながら白い靴を箱に詰めています』

『家に帰ってきたマスオさんが、玄関に入ると、玄関の上り口の廊下に、まだ値札の付いたままの新しい白いレディシューズを履いたサザエさんが立っていました。サザエさんは、靴を見下ろしながら「あなたドーオ?やっぱりかっちゃった!」と嬉しそうに言いました。靴屋さんで買った靴が入っている箱が入った紙袋を手にしたマスオさんは、口をぽっかりと開いて茫然として』

『堪忍袋の緒が切れたらしいマスオさんは、持っていた紙袋をサザエさん目がけて投げつけました。大喧嘩が始まりました。サザエさんは、履いていた新しい靴を脱ぐとマスオさん目がけて投げつけ、マスオさんは、紙袋から靴の入った箱を取り出し、靴も箱も、サザエさん目がけて投げました。2人の周りに靴やら、箱やら、コップやら、水差しやらが飛び交っています』

 

マスオさん!本当に腹がたっネ。

サザエさんは、贅沢過ぎますね。

去年買ったばかりの靴があるのに、玄関にこれ見よがしに3足の靴をも並べて、また今年も新しい靴を欲しいとアピールしてましたね。

 

マスオさんが言うには、サザエは、まだ、新しいのがあるのに、毎年、買わなくてもいいと思いました。だから、つい、きつく文句を言ってしまったそうです。

しかし、後で、冷静に思い直すと、少し言い過ぎたかようだ、夫婦じゃないか!買ってやろうと思ったそうです。

サイズは分かっているし、会社帰りに、思いっきり買って、喜ばせてあげようと帰ったそうです。

 

マスオさんは、多分、良い気分で帰り、玄関を開けた、ところが、喜ばせてあげようと、「ただ今」と玄関を開けたら、何ということだ!サザエさんが、新しく買った靴を履いて、これ見よがしに玄関の廊下に立っていた、ムカットしました。

折角買ってきたのに、俺の言うことなど無視して自分勝手に買っている。

許せないと、買ってきたものを全部投げつけてしまつた。ところが、サザエの奴、履いていた靴を脱ぐと、俺に向かって投げてきた。こうなったら、個別的自衛権だ、反撃しなければならんと始まった夫婦喧嘩でした。

サザエさん―喧嘩(10)

 

芸人さん、街の中で人騒がせなネタ合わせは止めて!

 

朝日文庫版32巻〔108頁〕・昭和41年

『ある道路に車が止まっています。その近く歩道で、大柄の縦縞のシャツを着た、顔が大きく、短髪で、鼻の下に髭を生やした太ったオジサンと、浴衣を着た、頭髪をポマードで撫でつけたジイサンが、声を張り上げて言い合っています。ジイサンが、オジサンに向かって、「そりゃあこどもをひいたあんたがわるい!」と物騒な事を言うと、オジサンは、近くの信号を指さして「しかし、しんごうは青だった」と主張しています』

『ジイサンは、顔をゆがめて「青でも歩行者をみたらとまるべきだ!」と道路を指さして怒鳴っています。すると、オジサンは、また、信号を指さして、「幼児をほうりだして立ち話してた母おやにせきにんはないのか!」とむきになって主張しています。そこに一人の野次馬が現れました。野次馬は、たまたまそこを通りかかった、会社帰りのサザエさんのお父さんでした。お父さんは、「むろん母おやにも、おおいにせきにんがある」と口出しをしています』

『サザエさんのお父さんは、言い争っているジイサンとオジサンの前に立ちはだかり、「とにかく現場はどこです」とイライラして怒鳴っています』

『すると、オジサンが短髪の頭を引っ掻きながら「たとえばのはなしです」とニコリとして言い、ジイサンは「ついこうふんしちゃって」と口を開いて大笑いして言いました。サザエさんのお父さんは、バカバカしいと言った顔をして帰って行きました』

 

ジイサンとオジサン、この二人は、一体全体、何なんでしょう。

街角での言い争いが、余りにも真剣過ぎて、サザエさんのお父さんが、引っ掛かってしまったようです。

2人は、そこで起こった交通事故が、ドライバの信号無視か、母親が幼児を放り放にした立ち話か、のいずれかにあるのかと激しく言い争っていました。

お父さんは、なぜか、オジサンの肩を持って、交通事故の責任は、幼児を放り出した母親にあると決めつけている。

しかし、自信がありません。、現場を見ないと、責任がどこにあるのか自信が持てない。

 

ジイサンとオジサンは、言い争いの芝居をしているうちに、つい興奮状態になっていた。そんな芝居に、サザエさんのお父さんも、つい引き込まれて、余計なことを言ってしまったようです。

お父さんは、自分の判断を、確認しようと「現場はどこだ」と言ったんですね!

するとジイサンとオジサンは、芝居だ。芝居をしているうちに興奮して激しくなった。それにあんたが引き込まれたんだと、笑っている。

このジイサンとオジサンは、芸人コンビで、漫才か、コントの練習でもしていたのでしょうか?

お父さんが騙されるほどよくできていたと褒めるにしても、こんな人騒がせな芸は、街中では止めてくれと言いたいですね!お父さん。

サザエさん―喧嘩(9)

 

セーフかアウトか、草野球にも喧嘩の種があります。

 

朝日文庫版33巻〔124頁〕・昭和41年

『サザエさんのお父さんが、両手を思いっきり伸ばして、滑り込み、ベースにタッチしています。カツオ君が、グローブでボールを受け取り、片足でベースを踏んでいます。お父さんは、ベースにタッチすると、直ぐに、「セーフ!」と叫んでいます。カツオ君は、ボールを受け取り、ベースを踏むと、「アウト!」と叫んでいます』

『お父さんとカツオ君は、ベースを踏んで、喧嘩を始めました。お父さんは、「セーフだといったらセーフだ!」とカツオ君を睨みつけて言い張っています。カツオ君は「ぜったいアウトだ!」と譲りません。土管が置いてある広場での草野球です』

『喧嘩は、なかなか終わりません。互いに、激しく言い張っています。一緒に遊んでいた沢山の子供たちが集まって来ても、カツオ君とお父さんの喧嘩は続きます』

『そこへ、お母さんが、やってきて、お父さんを引っ張っていきます。引っ張られているお父さんは、まだ「ちっとはおおめに・・・お父さんはナおまえをそれまでにするのにどんなくろうを・・・・」と愚痴を言って、「ばかばかしい」と言って引っ張る母さんに、連れていかれました。激しいこの場の喧嘩の様子に、いつの間にか沢山の野次馬が集まってきて見物しています』

 

カツオ君のお父さんは、時折、カツオ君たちの子供の草野球に参加しているようだネ。いい年をしたオジサンが、子供たち一緒に野球をやるのはいいが、滑り込みをしてセーフだと言い張るのも頂けないね!

カツオ君は、確かに、お父さんが、滑り込み、ベースにタッチする前に、ボールを受けて、ベースを踏んでいたんだろう。

絵をよーく見ると、カツオ君が、ボールを受け取ったときの右足は、ベースの上にある。しかし、お父さんの両手は、ベースの上に浮いているようにちゃんと描いてある。テレビを使った判定ではないが、描かれて絵で判定すると、カツオ君の「アウト」が正しい。お父さんの「セーフ」は認められない。

しかし、お父さんは、ハゲ頭の歳になっても元気だね。体ごと滑り込みをしている。まるでプールにでも飛びこむような格好で飛びこんでいるよ。

下は土だよ、水ではないよ。固いよ、飛び込んだら、痛いと思うよ、これは。

喧嘩に負けたくないのは、よくわかる。

「カツオ君をこれまで大きくした」お父さんの苦労もわかるが、こんものに負けてはいけない。

カツオ君は、確かにアウトにしている、お父さんの両手は、まだベースにタッチしていない、ベースの上に宙に浮いている状態だ。

お父さんも、俺が遅かったと思っているんだ、俺が負けと思っている。

「どんなに苦労して育ててきたか!」と恩着せがましい事を言い出すのも、内心「俺の方が遅かった。アウトだった」と負けを認めている証拠だ。

しかし、お父さんは、ちょっとだけみっともないことをしたね!野次馬がちゃんと見ている。

サザエさん―喧嘩(8)

 

子供の喧嘩、

 

朝日文庫版31巻〔68頁〕・昭和40年

『お下げの女の子とワカメちゃんが、地面の上にゴザを敷いて、お人形さんやオモチャの食器などを使ってママゴト遊びをしていました。そこへ、短髪で鼻の大きい意地悪そうな男の子がやって来て、ワカメちゃんの襟口をつかみ、引きずり起こしました。ワカメちゃんは、ビックリしています。お下げの子も怖がっています』

『そこへ長髪の賢そうな男の子が来て、意地悪そうな子から、ワカメちゃんを引き離すと、意地悪そうな男の顔面を殴りつけました。意地悪そうな男の子はぶっ倒れています』

『意地悪そうな男の子は、両手で、溢れ出る涙を拭きながら泣き始めました。するとお下げの女の子が、賢そうな男の子を「かわいそうじゃない」と言いながら足で蹴飛ばしました』

『二人の男の子は、泣きながら帰って行きました。その後、ワカメちゃんとお下げの女の子は、顔を突き合わせ、もの凄く怒った顔をして、お下げの女の子がワカメちゃんに「イーダ」と罵れば、ワカメちゃんは、お下げの女の子に「イー」と罵り返しています』

 

子供の喧嘩は、男の子が、女の子をイジメルことから始まり、いじめられている女の子に味方する男の子が現れて、男同士の喧嘩になり、女の子をいじめた男の子が負けると、負けた男の子に、女の子が同情して、女の子が勝った男の子に、喧嘩を仕掛ける。

女の子は強いんです。男の子を激しくキックし、泣かせてしまいます。

男の子は弱いもので、2人とも泣きだしました。喧嘩はまだ終わりません。

引き続き、2人の女の子の喧嘩になりました。さすがに、女の子で、殴り合いはしませんが、「イーダ」「イー」と罵り合っています。

女の子の喧嘩は、口争いで、何時まで続くのでしょう?

サザエさん―喧嘩(7)

 

爺さんとマゴのチャンネル争いは、爺さんが、チャンネルを譲れば解決します。

爺さんが意地を張らないこと!

 

朝日文庫版31巻〔35頁〕・昭和40年

『浴衣を着た、長いアゴヒゲのお爺さんと、ゴンタそうな顔をした小学生と思われる男の子が、座ったまま激しく口喧嘩をしています』

『喧嘩は、次第に激しさを増し、ついには、立ち上がって取っ組み合いの喧嘩になりました』

『大きな声での口喧嘩、取っ組み合いに、ついに仲裁が入りました。お爺さんは、太ったお母さんに、後ろから羽交い締めにされ、男の子は、遊びに来ていたカツオ君に、後ろから羽交い締めにされています。羽交い締めにされた男の子は、「イーダ」と叫び、これに対して、お爺さんは、「ビビビーダ」と叫んでいます』

『お母さんが、テレビのチャンネルを廻しながら、「夏休み中お爺さんとマゴのチャンネル争いでかなわない」と泣き言を言っています。お爺さんと男の子は、互いにそっぽを向いて、膨れっ面をしています、怒りがいつまでも収まらないようです』

 

お爺さん!そんなに視たい番組がありますか?この喧嘩は、お爺さんが「ビビビーダ」と叫ばないで、孫に逆らわず「お前が見たければ、見ればいいよ」と言えば治まります。お孫さんは、友達のカツオ君を呼んで、一緒にテレビを楽しもうとしていたのです。それなのに、「駄目だ」と叱り、面白くもない爺さん好みの番組を見せられたら孫も怒るでしょう。

ところで、「ビビビーダ」とは、一体なんですか?孫に向かって機関銃でも打っているつもりですか?

サザエさん―喧嘩(6)

 

夫婦喧嘩に武器を待たせてはいけません。

 

朝日文庫版28巻〔56頁〕・昭和39年

『浴衣を着た、チョビヒゲのオジサンが、太ったオバサンと夫婦喧嘩をしています。オジサンとオバサンは、夫婦のようです。その太った奥さんは、バトミントンのラケットを振り上げて、口も避けんばかりに怒り、浴衣を乱して激しく抵抗するご主人に襲いかかっています。すると、誰でしょう、下着姿で、ハラマキをした男が、奥さんの背中を抑え、「まあまってください!ちょっとまって!」と言いながら、仲裁に入ってきました』

『仲裁に入った男は、座敷箒をご主人に渡しながら、「いっぽうだけ武器をもっちゃふこうへいだ」と、ラケットを持っている奥さんを抑えています』

『ご主人が、座敷箒を持つと、ラケットを持った奥さんとの間に入り、両腕で二人を抑えると、楽しそうに「ハイッ!開始!」と掛け声をかけました。座敷箒を持ったご主人と、ラケットを持った奥さんは、呆気に取られてポカンとしています』

『マンションのドアーが開いて、仲裁に入った男が、頭から下にして、思いっきり投げ出されました。丁度、通りかかった近所の奥さんが、頭を下に廊下に投げ出された男に「どんなちゅうさいしたのよ」と呆れ顔で尋ねています』

 

もの凄く激しい夫婦喧嘩です。バトミントンのラケットでも、それで殴られたら、痛いでしょう。

この喧嘩は、止めないといけません。奥さんが持っているラケットを取り上げるのです。その上で、「その喧嘩やめなさい!」と仲裁すべきです。

しかし、仲裁に入った、どこから来たのか分からない男は、武器を持った争い:戦争:がよく判った人でした。

そうです、武器には武器を持って争うのが当然です。

武器を持って争うときは、両方とも武器を持つべきです。

 

男は、御主人にお座敷箒を持たせました。強力な武器です。これで殴られたら太った奥さんも伸びてしまうでしょう。

夫婦は、それぞれ、座敷箒とバトミントンのラケットを持たされて、「開始!」と声をかけられ、それッと、お互い振り回して、これで夫婦喧嘩が始まると、思いましたが、それでは、喧嘩の仲裁にはなりません。

 

さすがに、争い最中のご夫婦も、相手に打ちかかるようなことは致しません。

そもそも、この夫婦喧嘩は、奥さんがバトミントンのラケットで、バチンバチンとご主人を軽く叩いて、ご主人が痛い痛いと、数回泣き叫ぶと終わってしまう夫婦喧嘩です。

それなのに、座敷箒なる強力な武器をご主人に渡して、ラケットを持っている奥さんと夫婦喧嘩を始めさせれば、この喧嘩:戦争:は大変な戦争となってしまいます。

 

そんなことぐらいは、判っている夫婦の喧嘩です。ですから、夫婦にそれぞれ武器を持たせて、喧嘩をさせようとする、この男の悪だくみが、夫婦にも判るのです。「悪いのはお前だ」と、夫婦は、手にした武器で男を打ちのめしました。

武器を与えて戦争を拡大させることを企む、何処かの国で、始めようとしていることとよく似ています。