家裁の調査が終わってしばらくすると弁護士さんから


電話がきた。


審判を前にハルオと話したいと言う。


ハルオが決めた国選の弁護士さん。





国選だけれどと言うと語弊があるけれど、


拘留中は何度もハルオに会いに行ってくれたし、


夫と私のためにも時間をさいてくれた。


他の国選の弁護士ってどの程度仕事をしてくれるのだろう?






とりあえず、ハルオはこの弁護士さんを信頼している。


拘留中、いろいろなことを話したらしい。


自分を守ってくれる人と思っているようだった。




ハルオは指定された日に事務所に行った。




その後、再度、弁護士さんから電話がきて


夫、私、ハルオの三人で事務所にきてほしいと言われた。


無断外泊の続いている状態をなんとかするために


第三者である弁護士さんが中に入って


家族で話し合ってほしいということだった。


家族だけでの話し合いは難しいとハルオの話から感じたのかもしれない。



法事の夜、


夫、ハルオ、私は同じ部屋で寝た。


三人で同じ部屋で寝るなんて何年ぶりだろう。


普段、帰宅しないハルオが横に寝ころがっていることが


不思議だった。


ハルオはすごく素直だった。久しぶりに会った親戚の話や


土地柄の話からテレビの話まで三人でいろいろな話をした。




なんの話の流れだったか、


ハルオが


「ぼくは非行少年ではないよ」と言った。


夫が


「無断外泊が続いていることが非行なんだよ。」と穏やかに言うと


ハルオは黙っていた。



その他は他愛もない会話だったと思う。


このままこの土地にいたいと思った。家に帰れば又、無断外泊の日々だ。




予想どおり、法事から帰宅すると、そのまま出ていき無断外泊だった。

遠方で法事があり、


久しぶりに親戚が集まった。


外泊ばかりしているハルオは行かないだろうと思っていたが、


一緒にきた。


ハルオが家族と来ただけで私は嬉しかったけれど、


ハルオの明るい髪色、たくさんのピアス、なんだか乱れた服装は


保守的な親戚の中で浮いていた。




ハルオの非行退学については一部の人しか知らなかったから、


あのピアスでいいのかとはっきり言ってくる親戚もいた。




それに携帯を手放さない姿も異常だったと思う。


昼夜逆転だから、皆で食事している時にもウトウトしてしまう。



それでもハルオはお坊さんが来ている間だけは寝ないようにと


ハルオなりに考えているようだった。



同年代の親戚の中にいると


ハルオの様子が際立ったし、冷たい視線も感じたけれど、


ハルオがいとこ達の輪に入って話したり遊んだりしている姿が


本当に本当に私は嬉しかった。


ハルオが家族と一緒にいるだけで嬉しい。