先日、叔父の家からの帰途、下町の乗り換え駅の地下街を少し歩いた。
天井が低くて、古くて、雑多で、なんだか懐かしい昭和の雰囲気。
東南アジアの屋台のような定食やさんの横には、占いの女性、
その真向かいには、変わった目ざまし時計、精巧な車の模型、光るタワーなどが
積み上げるように置いてあるお店。
それをぼんやり見ていたら、黒いコートに赤いマフラーをのぞかせた品のいい
おじいさんがいきなり声をかけてきた。
「自分の人生は自分が決めるんだよ。」
私が怪訝な顔をしているのも、かまわず、おじいさんは続けた。
「私の年になると、自分のことはどうでもよくて、子どもや孫のことを
お願いするようになる。孫が中学の時不登校になって、でも、昨年高卒認定に受かってね。
大学に行きたいって言うんだよ。嬉しいね。」
なんだか、どこかで聞いた話だと思いつつ、「良かったですね。」と思わず答えると、
おじいさんは「お正月だからさ、握手。」と言って、
私の手を握り、「いいことあるよ。」と、スタスタと去っていった。
下町ってこういうことがあるのかなと思っていたら、
なぜか、そのおじいさんがもどってきて
「お年玉あげるよ。」と私に100円玉五枚を握らせた。「えええ?」と私が言うと
「いいのいいの。」とにっこり笑った。それを見ていた占いの女性が
「お賽銭だと思ってもらっておきなさい。あのおじいさん、いい事があったんだよ。きっと。」
と言った。
なんだか不思議な五分間ほどの出来事。
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美容院でこの話をしたら
「その500円で宝くじを買ったらどうですか?」と言われた。
どうしよう?大当たりしたら…。と買ってもいないのに皮算用。
大当たりしたら、自由に世界一周の船旅に行くことにしようっと。
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明日は仕事はじめ。しっかり働くことにしよう!
ハルはどうするのか、とか、アキは登校するかとか、
現実に向き合う日が始まる。
思いたって一人暮らしの叔父に会いに行ってきた。
我が家から電車を乗り継いでたっぷり3時間はかかる。
子どもがいない叔父夫婦は、敬虔なクリスチャンだったこともあってか
それはそれは夫婦仲が良かったが、二年前に叔母が急死。
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ややこしい乗り換えに手間取り、やっと乗り込んだ列車で本を読み始めたら、
少しウトウトしたようで、ハッと目が覚めた。
一瞬自分がどこにいるのかわからなくて、ずるずると引きずられるような
恐怖を覚えてしまう。
以前はこんなことなかった。元の自分にもどるにはもう少し時間が必要…?
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久しぶりに会う叔父は相変わらず静かな口調で、でも、再会を喜んでくれた。
車の中では英語を流していて、英語力を落とさないためだという地道さに
改めて、敬服する。
居間には叔母の写真が若い時から最近までたくさん飾ってあった。
カメラが趣味の叔父が、愛情を持って妻を撮ってきたのが分かるようだった。
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叔父にハルのことを詳しく話したことはないけれど、なんとなく大変なのが
分かるようで、聖書の一節を教えてくれた。叔父がこういう事をするのを嫌がるイトコもいたけれど
私はいつも興味深く聞いてしまう。以下、叔父が示した所。
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私の悩みとさすらいの思い出は
苦よもぎと苦みだけ。
私のたましいは、ただこれを思いだしては沈む。
私はこれを思い返す。
それゆえ、私は待ち望む。
私たちが滅びうせなかったのは、主の恵みによる。
主のあわれみは尽きないからだ。
それは朝ごとに新しい。
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分かるような分からないような感じもするが、
叔父のような深い信仰は、ずい分と人生を助けてくれるだろうなと
会う度に思う。
叔父は
「明日のことを心配してはいけない。今日を丁寧に生きることしか
人はできない。明日どうなるさえ、自分にはわからないから。」
「自分の過去を責めてはいけない」
「みなみちゃんは大変だけれど、大丈夫と信じること」
と言った。
心療内科の医師やあめあがりの会のアドバイスも
結局同じことを言っている気がする。
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あっという間に時間が過ぎて、帰宅途中でハルがいるだろう繁華街に寄った。
「○○にいるから、ご飯たべよう」とハルにメールすると
「いらない」という予想通りの返事。
今夜は帰ってこいよ~と思いつつ、夜の雑踏にぐったりして帰宅。
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80近い叔父。
また近いうちに会いに行くことにしよう。
ずっと前に、後輩と仕事先の近くにあったお寺に行ったことがある。
そこは願いごとがかなうことで有名だった。住職さんは話術たくみに言った。
「ここでお願いしたことは必ず叶います。でも、次のことを守ってくださいね。
①願いごとは一つだけ
②朝晩、お願いすること
③具体的なことにする
④何年も先のことではなくて、近々に叶ってほしいことにする
この4点を守ると願いごとが絶対に叶いますよ。
俳優の○○さんもこれを守って、この間、ドラマの主役になりましたよ~」
そして、この4点を守ってみた後輩も私も願いごとが叶ったのだった。
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思えば、これは「言霊」ということなのではないだろうか。
朝晩、言葉に出して願うことで、意識の中にはっきりと植えつけられる。
すると、生活の中で、願いごとが叶うように少し気をつけるようになる。
気をつけるようになると、以前よりも努力したり、注意するかもしれない。
この繰り返しで、願いごと実現へ近づいていく。
だからこそ、マイナスのことはできるだけ言葉に出してはいけないのだと思う。
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息子の言動が乱れ始めてから、ずいぶんマイナスなことを感情にまかせて
息子に投げつけた。
「もう信じられない」「だらしない」「迷惑かけても平気なの?」
「でていきなさい」←実行されてしまった
「一体何を考えているの」などなど。
全く未熟な親だった。
渦中にあって一番苦しかったのは本人だったのに。
「信じているよ。大丈夫。」などとは決して言えなくても
「おかえり」「いってらっしゃい」だけ言って後は黙るということが出来なかった。
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言霊。
今年はできるだけマイナスなことを言わないようにしよう。
愚痴りたくなったら、このブログで書かせてもらって、口にしない。
昨年は「黙る」ということがずい分出来るようになったから
今年は明るい言葉を意識してみようかな。
「大丈夫」「できるよ」「信じている」「わかった」
こんなきれいごとでは済まないだろうし、
どんな言葉をかけても、息子はすぐには改善しないだろう。
でも、マイナスな言葉よりプラスな言葉を使うように心がけよう。
そのほうが私の精神衛生上いいように思う。
大人だって、マイナスの言葉ばかりかけられていても
ヤル気なんで出ないという当たり前のことに気づいたりする。
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そして、住職さんの話を実行すれば、私自身の願い事も
言霊の力でなんとかなるのかもしれない。
でも、お願いしたいことが多すぎて、何を願掛けするか考えるのが先だな~。
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↓この本は長らく私の本棚にあり、時折読みかえしてきた本です。
言霊というテーマで思いだして、本棚から引っ張り出してきました。
「モタさん」こと精神科医の斎藤茂太さんが
ユーモラスな口調で書いていてお勧めです。
- いい言葉は、いい人生をつくる―ラストメッセージ (成美文庫)/斎藤 茂太
- ¥550
- Amazon.co.jp
レイトショーで、「レ・ミゼラブル」を観てきた。
同名のミュージカルの映画化版。
ここのところ、睡眠不足なので途中で寝てしまうかもと思っていたけれど
迫力と緊張感があふれる画面に吸い寄せられて、あっという間の上映時間だった。
何より驚くのは俳優さん達の歌唱力。
一番心に沁みた曲は、アン・ハサウェイ演じるファンティーヌが歌う
夢破れて I dreamed a dream
だった。
人を許すことの強さ、信じることの大切さ、
守るべき者のために身を呈する尊さなども描かれていて、
「観てよかった~」と思える重厚な作品。
いろんなことを経験した40代だからこそ、わかることも多いと思った。
迫力を味わうべく映画館で観ることお勧めです。
年末年始に是非!
手元に手のひらにすっぽり入る六角形の箱がある。赤い和紙が張ってあって、
ふたを開けるとお手玉がきっちり入っている。和裁が得意だった母方の祖母が
着物地を使って私の娘に作ってくれたものだ。
クリスマス未明。祖母の訃報が入った。90歳。入院することなく老衰。
先月、会った時は
「健康を大事にすること。幸せは自分の心がきめる」と穏やかに言っていた祖母。
認知症がすすんでも、「子どもを大事にね」「みなみちゃんに会えて嬉しいよ」と
会う度に言ってくれた。
晩年は逆縁の不幸にあって、泣くことが多かったけれど、私にとっての祖母は
仕草がきれいで、何でも作れて、おちゃめな思い出が多い。
おばあちゃん
おばあちゃんの作ってくれた炒り卵、絶品だったよ。
娘に着物を作ってくれてありがとう。いつか、その子どもにも着てもらうね。
お手玉も大事にしているよ。
幼い頃、おばあちゃんの家でお炬燵に入って、かぐやひめを読んでもらうことが
大好きだった。
たくさんの愛情をありがとう。
早くに死に別れた夫と、自慢の息子との再会を楽しんでね。
そして、できれば、私の息子が良いほうにいくように守ってください。
質素で人に迷惑をかけないようにとひっそり生きてきた祖母だったけれど、
私のことを忘れないでね~とクリスマスの日に逝ってしまった気がする。
高齢で大往生といえるけれど、やはり、涙がこぼれる。
ミッションと聞くと、「ミッションインポッシブル」のテーマ曲とともに、トム・クルーズが頭の中を
かけめぐる私だが、先日、考えさせられる文章を目にした。
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I was born to love you.
I love you because you are you.
誰もが生まれたのではなくて、
誰かを愛するために生まれさせられてきたのであり、
あなたがあなただから愛されるのであること。
神様がこの世に一人一人独自のミッションを与えてくれた。
愛するものを探し、それを見つけ共に生きることが人生。
生きることは喜びであり、とっても素敵なことなのだ。
というような事が書いてあった。
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最近、このブログのお陰もあって、人生の棚卸しをした感じの私。
(皆さんありがとうございます!)
10代 親にとっては手のかからない子どもだった。
20代 恋愛、仕事、結婚、DINKS。
30代 育児とボランティア、肉親の死。
40代 子どもに手がかからなくなるから、仕事を増やして、
いろんな事にチャレンジしようと思っていた矢先の
まさかの息子非行デビュー。ひたすら悩んだ二年半。
価値観はひっくり返され、今までになかった視点を得た。
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私のミッションは一体なんだろう?
ただ、なんとなく分かるのは、これまで真摯に物事に取り組んだ時、
思いもかけない良い出来事が起きることがあった。
そういう出来事は偶然とも思えるけれど、神様からのプレゼントで必然だった気もする。
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いつも読ませてもらっているブログに「明日の命はわからない」という内容があって
ハッとした。そう、明日のことはだれにもわからないから、今日を大事にするしかないのだろう。
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私を含めて、子どもの非行にふりまわされている親ごさんたち。
非行から学べというミッションのひとつ???
なんだか疲れてしまうけれど、近い将来、皆がミッション完了になりますように。
渦中にいる子ども達も、少しずつでいいから卒業していきますように。
そして、いつの日にか、親も子も、上記に引用した文章をかみしめる日がきますように。
心療内科にかかり始めた頃は、歌詞のある歌やDJのおしゃべりが
なんだか、とても耳触りで、クラッシックばかりを低い音で流していた。
最近になってようやく、以前は定番で聴いていた朝のFMを聴けるようになった。
某俳優さんが知的で温かみのあるトークを展開しながら、その日のニュース、
話題のイベント、流行の音楽などが楽しくわかるようになっている。
その中で、異色なのは8時過ぎの瀬戸内寂聴さんの端的で短い言葉。
二分くらいの短い時間なのに、毎回、なるほど~と納得したり、
誰も言えないような本音をきいてニヤリとしてしまったりする。
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多分、ずっと前に瀬戸内寂聴さんの特集番組を観たことがあるのだと思う。
剃髪して出家された時の映像をよく憶えている。お経が流れる厳粛な雰囲気の中、
手を合わせる横顔が印象的だった。
奔放な恋愛遍歴の結果、傷つけた人も多かっただろうに、今こうして多くの人の心を打つ言葉を
言えるというのはどうしてなんだろう、とちょっと意地悪に正直に思ったりする。
そういえば、父の死後、ずっとメソメソしていた母が、瀬戸内寂聴さんの説法をCDで
聴いていたっけ。
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あめあがりの会の掲示板で読むたくさんの悩み。どれもよく分かる。
まさかの非行に苦しむ親の嘆き、自分を責める辛さ、子どもの再生を切に願う気持ちなど。
自分を含めて、そういう親ごさんに送りたい瀬戸内寂聴さんの言葉があった。
「誰にも悩みを聞いてもらえずにうつむいていると病気になります。
信頼できる人に相談して心をすっとさせましょう。」
「人は所詮、一人で生まれ、一人で死んでいく孤独な存在です。だからこそ、自分がまず自分を
いたわり、愛し、かわいがってやらなければ、自分自身が反抗します。」
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あめあがりの会に相談した時も「親が自分の時間を持ち、楽しむこと」がアドバイスの一つだった。
心配や悩み満載で、難しいけれど、以前よりはできるようになってきたかな。
通勤ドライブ中のラジオ、瀬戸内寂聴さんタイムも楽しみのひとつだったりする。