僕の声質は良いと言われた事が何度かある。そしてユーチューブで朗読動画を実験的にあげていた時期もある。しかし結果は無惨なもので全然見られないし、チャンネル登録者も増えない。魅力のないチャンネルにチャンネル登録者が不足しているのは当然の事だ。僕には道化の精髄がない。したがって頑張って笑顔で過ごしても無理があるねと言われるのがせいぜいである。僕はさしあたり、自分の未来が幸福であれば御の字である。彼女や妻などはいなくても良い。これは童貞の強がりだ。分かっている。しかし僕自身、ここまで生きづらさを抱えれば、もう社会に対し大々的に反権力的な実力を行使出来るようにはなれない。無論無意識の内に出来ている可能性はあるが。僕は自分の不遇に抗して何とか奔走しようとしているのだが、実際は出来ていない。僕という存在が多くの人々を安堵させたりする事はあるのだろうか。それとも悶々とした滾り立つ文章の熱に嫌悪を感じ離れていくのだろうか。朗読は僕には向いていなかったのか。そもそも数量が不足していたのか。僕にはいずれか判然としない。それでも確かなのは僕が朗読に熱意を長い間喪失しているということだ。四字熟語でこういうのを意気阻喪というのだろうか。まあ人によって僕への解釈は様々だ。それどころか僕自身にスポットライトが当たる事はないのだろう。僕は自意識過剰過ぎる。それは幻聴や妄想を端緒としたものであるのだが、そんなのは何の言い訳にもならない。自分で自分をコントロール出来るようにならねばならない。