以心伝心 | むーのブログ

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 屋久島を訪ねたときのこと。2泊3日の旅で、2日目に長年の念願だった縄文杉との対面を果たした。翌日、素泊まりの宿を出発して、同じ屋久島にある白谷雲水峡へ行くのに、バスからまたバスへ乗り換えるため、バス停で待っていた。

 

 そこには、白人の青年もバスを待っていた。世界自然遺産である屋久島にはさまざまな国から訪ねてきており、もちろん何の違和感もなかった。どちらから声をかけたのだろうか。どちらからともなく会話が始まった。聞けばオーストラリアから来たのだという。

 

 屋久島へ向かうには、鹿児島から船が出るのだが、彼は昨夜港を出て、今朝着いたのだという。私は高速船に乗ってきたので、2時間くらいしかかからなかったが、彼が何故そんなに時間のかかる船に乗ってきたのかというと格安だからであり、夜中に乗っているうちに早朝に到着するので、宿泊費の節約になる。海外旅行はお金がかかるから、少しでも費用を節約したい人にはこの船は重宝されているのだろう。ただ、床で寝ていたらしいので、決して快適とはいえなかったようだ。

 

 この時の出来事からはもうだいぶ年数が経ってしまい、細かいことは思い出せなくなったけれども、以上の話しの内容だけは今でもよく覚えている。英語は話せないのに、どうやって会話をしていたのだろうと、今振り返っても不思議に思う。

 

 同じような体験は、スペインのバルセロナを訪ねたときもしている。駅を降りてタクシーで行き先を告げて乗っていると、私が日本から来たことを話すと、タクシー運転手は日本に行ったことがあると話してくれた。英語もわからないのに、ましてやスペイン語なんてわかるはずもない。それなのに会話ができてしまうのがまた不思議なことだった。おそらくわずかに聞き取れた単語から想像をふくらませていたのだと思う。

 

 もちろん外国語が話せたらそれに越したことはないのだけれども、肝心なのは言葉がわからなくても、相手の伝えたいことを汲み取ろうという気持ちなのだと思う。