心はいつも自由 | むーのブログ

むーのブログ

ブログの説明を入力します。

私はビートルズの大ファンである。

ビートルズはプロデビューしてから活動したのは実質8年間だけだったので、それほど多くの曲を残しているわけではない。だから一通り全曲を聴くのにはそれほど時間はかからなかった。私が聞き始めた頃にはもうすでに解散して10年以上経っていたので、もちろん新曲を聴く楽しみもない。そうなるとまだ正式に出されていない、あるいは聴いたこともない音源を聴きたくなるのが自然の流れだった。実はその頃に自分が入っていたビートルズのファンクラブでは海賊版のカセットテープを堂々と通信販売していた。今なら問題だが昭和だったその頃は、規制には緩やかで大らかな時代だった。

まだまだレコード全盛の時代だったので、海賊版専用のレコード屋さんが街のどこかで密かに営業していた。今ならYouTubeで音源を簡単に見つけられるのだろうが、まだパソコンもスマホもない時代。たまたま店を見つけられたらラッキーだった。ビートルズがデビュー前に受けたオーディションの音源、ラジオ番組に出演した時のライブ音源、レコーディングしてお蔵入りになった曲などそれこそ垂涎の的になる、魅力的なものばかりだった。

ビートルズが活躍していた時代は東西冷戦の真っ只中。まだ共産主義が生きていたソ連では、西側のロックミュージックは敵性の音楽とみなされて禁止されていた。ソ連にとってはビートルズのレコードは文字通りの海賊版だったわけである。それでも音楽の魅力は国境をも越えてしまう。ソ連の人々は使用済みのレントゲン写真に溝を入れてまでこっそりとビートルズを聴いていた。国は人々の行動を規制できても、心の自由までは奪うことはできなかったのである。

心はいつ何があっても自由。だからいくら法律で規制しても海賊版はこの世からなくならないだろう。アーチストには、はた迷惑なことだと思うけれど。