夢と人格 | ゴトーを待ちながら

ゴトーを待ちながら

尽きかけている命の日々に、こぼれていく言葉のいくつか。

「ところで、オレについてはどう思う? どんな職業だと思うかね?」
「うーむ、難しいけど、きっとサラリーマンでしょうね」
「当たりだ。見りゃわかるか、あはは」
「お勤めは、海か船に関連した会社でしょうね」
「・・・」赤城原はぽかんとして相手の顔を見た。
「所属は、検査とか管理の部門ではないですか」
「・・・」赤城原は、しばらく返事がでなかった。全て当たっているのだ。会社は船舶関連の機械を作っている。所属しているのは技術管理部だ。
「お名前もわかりますよ」
「え?」
「赤城原さんでしょ?」
 赤城原の腰が椅子から浮いた。男をにらんだ。何なのだ、こいつは、いったい・・・
「そんなに、びっくりなさらないでください。種明かしをしますよ。簡単です」