唐突に奏くんを喪ったことで、キャリアっこ部屋を覗くのがまた怖くてたまらなくなっている。

うちの子以外で、他のどの保護っこよりも、『そこに居る筈のネコ』だったから、覗き窓から部屋を見て、居るべき場所に居ないことを認める瞬間が怖くて辛くて、毎回胃が痛くなってしまう。

弱いな…だけどどうやったって慣れることのないこの痛みと、共存していくしか自分がここに居ることは出来ないから、ゆっくりゆっくり受け止めて、居ない筈のネコたちの姿を探しながら、思い出しながら、あたしはここで過ごしていく。


昨日はどうしても手を離せずに、一晩奏くんの側に付いていて。

恨みごとを言ってみたり、山ほどあるあの時その時の想い出話をしてみたり。

お風呂場で泣きながら独り言を言いつづけてるあたし…側から見たら怖いだろうな…w。


だけどそうでもしていないと、みんにゃさんに怪訝そうな顔をされては泣いて、暖かい身体を膝に乗せてはまた泣いて…と、お世話にもケアにも支障が出続けるだけだから、自分のための儀式のようなものとして、奏くんの柔らかな被毛を撫で続け、独り言ちながら夜を過ごしてた。


朝になりお見送りの時間を予約して、もうひとつどうしてもやろうと決めた、髪を切るために美容室にも予約を入れて、一生懸命気力を振り絞り、みんにゃさんのお世話とケアを終え。


まずは奏くんのお見送り。


身体とはこれでお別れだけど、心の中から姿が消えることは無いんだと必死に自分に言い聞かせながら、お見送りの間にブログを書いて、自分の気持ちを吐き出して。


お見送りが終わり、ちいさくなった奏くんと一緒に一旦シェルターに戻ってから、キャリアっこ部屋に安置して、みんなを一緒に眺めてから、また一回りみんにゃさんを見回りしてから美容室へ。

福猫舎を始める前に腰まであった髪をショートカットにして以来、美容室には一度も行っていなかったから、伸び続けた髪を絶対やろうと決めていたヘアドネーションをしている美容室を探して予約していた。

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三年分の長い髪を色んなモノと一緒に脱ぎ捨てて。

少しでも誰かの役に立つといいな…。


ご存知無い方のために書いておきますが、ヘアドネーションとは大阪のNPO法人JAPAN HAIR DOMATION&CHARITY 通称JHDACという団体さんが、病気で脱毛に悩む18歳以下の子供たちに寄付された髪を使って医療用ウィッグを贈るという活動です。


まだまだウィッグを待っている子供たちはたくさん居て、6月の時点での待機数は110名もいるそうです。。。

31㎝以上髪を切る時には、是非お一人でも多くの方に協力してほしい活動だと思っています。


あたしの場合は、髪や顔や身体に気を使う時間も暇も、勿論お金も全然無いからw、伸ばしっぱなしの理由を見つけられたのも嬉しかったんですけどねw。


ほんの少しでも協力できて、なんかちょっと嬉しかったな…。


そんなこんなで帰宅する前に、お薬を貰いに病院に寄ったら、診察中だった先生たちの顔が、めっちゃびっくりしてたから、こっちもつられて大笑いw。


やっと笑えたな…w。


帰宅したらちょっとスッキリ気分になったから、夜のお世話はあまり泣かずに、昨日から手抜きだらけだった分のお詫びのつもりで、少しゆっくり目に各部屋を回り、抱っこしたり撫でたりもしながら、のんびりお世話を終わらせて。


昨日、奏くんが亡くなったことを知った後、行く予定だった検査に行くかどうするか悩んだけれど、日にちをずらすと投薬にも支障が出ると分かってるから、泣きながら航くんの検査に行って。

最後から二つ目の選択肢、シクロスポリンを使い始めた航くん。

投薬して一週間経った結果は、期待せずにいようと思っていたのに、限界値に近かった貧血の数値は、ほんの少し上昇してくれていて、もうゼロに近かった血小板も、少しだけ上がってくれていた。


頑張り続ける航くん。

今日も数粒ずつだけど、たまに降りてきては自力でフードを食べてくれる。





嬉しい…よりもすごいなって感情がどんどん膨らんでいく。

猫たちの生きるチカラに、あたしはどれだけ励まされてきただろう。


泣いてばっかりいないで頑張らなくちゃな…。



夜には毎日必須のつぼみちゃんの人馴れ訓練を兼ねたいちゃこらタイム。

今日もうっとりちゃんw。

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抱っこされても少しずつ余裕が出てきたみたいで、手足のチカラもちょっとずつ抜けてきたつぼみちゃん。

暖かな身体を抱っこしてるとそれだけであたしは泣いてしまうけど、きょとんと顔を見つめてくれるのが可愛かったな…。


夜中にそんなことをツイートしていたら、ずっとキャリアっこたちを応援し続けてくれてる、スイス在住のIさんから、すんごい写真が送られてきて。

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奏くんのことを知って、悲しい気持ちで出張帰りのチューリヒ空港を出たら、二重の虹がかかっていたというこの写真。

もうね…大号泣…。


福島も今日は雨模様だったけど、お見送りの時間には雨が止んでくれた。

この虹の橋を上っていって、きっと迷わずにお空のみんなの元へ辿り着けたよね。


絶対慣れることの無い喪失感や虚無感と戦いながら、ゆっくりゆっくり思い出にしていって、いつかお空のみんにゃさんの元に行ったら、たくさん愚痴や嫌味を言われるのを覚悟しながら、頑張って日々を乗り越えよう。


目の前にいるたくさんの愛しいみんにゃさんと、まだまだ頑張らせられ続けているたくさんの猫さんたちを、それまでしっかり守って繋いでいくために、



明日も頑張ろう。