【かにさる25】 譲渡 | あ

美容院フェアリーテイルにて
 
営業中、客なし
 
 
 
お読みなさいとうようすけべ-2010030302040000.jpg蜂「可児くんさー」
 
お読みなさいとうようすけべ-2010030302010000.jpg可「なんスか」
 
蜂「カメラとかって興味ある?」
 
可「いや、特には」
 
蜂「ないか~」
 
可「ないこともないス」
 
蜂「どっち」
 
可「持ってないんで、何とも言えない感じスね」
 
蜂「あ、じゃあいる?」
 
可「くれるんスか?」
 
蜂「んー新しいデジカメ買おうかと思って。いま持ってるやつちょっと古いから、使わなくなってほっとくくらいなら誰かにあげようかなって」
 
可「ああ」
 
蜂「欲しい?」
 
可「まあ、もらえるなら」
 
蜂「でももちろんタダじゃないよ」
 
可「え…」
 
蜂「何その意外そうな顔(笑)そりゃあキミ、いくら古いからってあたしがお金払って買ったやつだもの」
 
可「そうスか。じゃあいいス」
 
蜂「決断はや!いや誰も原価で売り付けようなんて言ってないから」
 
可「え、いくらくらいスか」
 
蜂「そうねぇ、5万くらいしたから、まあ1万そこそこかな」
 
可「じゃあいいス」
 
蜂「だから早いって(笑)じゃあ逆にどれくらいだったら引き取ってくれる?」
 
可「え、これもう買う流れなんスか」
 
蜂「いやほら、一応さ」
 
可「じゃあ……2000円で」
 
蜂「おーい!金銭感覚!そこはせめて5000円か6000円くらいにしない?」
 
可「そうなんスか?」
 
蜂「いや、もうちょっとこう、あたしのことも考えてくれてもいいんじゃないかしら。はじめは言い値より少し低いくらいに設定するのがセオリーじゃない?」
 
可「いや、そう…スか」
 
蜂「そうだよ!そこから徐々に下げていって、最後細かいとこまで値切るのが醍醐味じゃん!」
 
可「や、そもそもカメラそんなに欲しいわけでもないんで」
 
蜂「えー!さっきカメラ興味ないこともないって言ったよね?」
 
可「言いましたっけ」
 
蜂「言ったよついさっき!」
 
可「まじスか。でももらっても正直使わないかもしれないス」
 
蜂「えーそれはやだなあ」
 
可「じゃあ、大丈夫ス」
 
蜂「ちょっとさ、もうちょっと断り方ってあると思うんだけど(笑)」
 
可「でもほんと、何撮ったらいいか分かんないス」
 
蜂「何でもいいよ。景色とか、植物とか、猫とか、自分とか、あ、旅行行ったりしたら重宝するよ!」
 
可「旅行は、行かないスね」
 
蜂「たとえばよ、たとえば!」
 
可「うーん…」
 
蜂「とりあえず持ってみて、あとは自由に使えばいいんだから。あ、そうそう、動画も撮れるよ!」
 
可「あ、すごいスね」
 
蜂「でしょ?」
 
可「でも動画も別に撮らないスけど」
 
蜂「だからー!分かんないじゃんか!」
 
可「いやー…」
 
蜂「……ええい!!そんじゃあお望みの2000円で売ってやるよ!どうだ!?」
 
可「え、いいんスか?」
 
蜂「あ、ごめんやっぱ3500円…」
 
可「……」
 
蜂「じゃなくて3000円!」
 
可「……」
 
蜂「2500……ええい!2000円!」
 
可「1000円!」
 
蜂「1500!」
 
可「1200!」
 
蜂「1250!」
 
可「1230!」
 
蜂「1235!」
 
可「1233!」
 
蜂「1234……ええぇぇい!しゃらくせぇ!800円!!」
 
可「買った!」
 
蜂「はいこちらのお客様800円でデジカメお買い上げ!どうもありがとうございます!」
 
可「いい買い物した」
 
蜂「…っておーーい!!」
 
可「…」
 
蜂「なるかーーい!!800円ってちょっと!そんなのほぼタダみたいなもんじゃないの!新しいデジカメ買うのの足しにもならないって!馬鹿にしてんの!?」
 
可「いや800円は蜂須賀さんが…」
 
蜂「そうだけど!可児くんの刻み方も鬼だよ!1235円から1233円て、ほぼ同じ値段だよ!?」
 
可「でも蜂須賀さんが、細かいとこまで刻むのが醍醐味って…」
 
蜂「まさかやるとは思わなかったもん!」
 
可「えぇー」
 
蜂「だからハイ!今の無し!」
 
可「無しスか」
 
蜂「あ、ねえねえ、じゃこういうのどう?一回可児くんがごはんおごってくれて、それのお礼みたいな」
 
可「あー。…何でもいいスか?」
 
蜂「常識の範囲内でね!」
 
可「あ、はい、じゃあ……回転寿司とかでいいスか」
 
蜂「ま、まあいいよ。合格ラインかな」
 
可「合格ライン…」
 
蜂「よし、じゃあそういうことで!ありがと、大事に使ってね!カメラは明日持ってくるから」
 
可「はい。でもなんでおれにくれるんスか?」
 
蜂「うん、まー特に理由はないけど、身近な人で、カメラにあんまり興味なさそうな人に薦めたかったのよ」
 
可「おれ以外に売ってたらもっと高く売れたかもしれないのに」

蜂「いや、でもぜひとも可児くんに譲りたかったってのはある」

可「どうしてスか」

蜂「え、なんか」

可「なんか?」

蜂「なんかだよ」

可「なんかスか」

蜂「あ、ほんとなんでだろ…、分かんない、可児くんじゃなくてもよかったな確かに」

可「え」

蜂「やっぱ返して」

可「いや、え、まあいいスけど」

蜂「なんかごめん。その代わり今日回転寿司おごるよ」

可「……ご、ゴチです」